エンゼルスのマイク・ソーシア監督が今季限りで退任すると全米のメディアが一斉に報じた。オーナーのアルトゥロ・モレノの絶大な信頼を元に長期政権を敷いたソーシアだったが、ついにチームを去る決断をしたようだ。
エンゼルスを率いて19年、今年が10年契約の最終年で去就が注目されていたが、退任の最大の理由は2015年以降4年連続でプレーオフ進出を逃したことだろう。また最近のソーシアの采配に対してはアメリカのエンゼルス・ファンの間でも不満が渦巻いており、続投は雰囲気的にも難しい状況だった。
2000年代前半はスモールベースボールの旗手と呼ばれ、その変幻自在な選手起用や足を使ったダイナミックな戦法には定評があった。実際2度のリーグ最優秀監督賞も受賞している。
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しかし現在のデータ全盛のMLBにおいて、いわゆるオールドスクールに属するタイプであるソーシアの采配はやや時代遅れの感があり、選手起用やその采配には私も疑問を感じることが増えた。疑問采配の一部を挙げると
- 左投手に対して左打者を当てることを極端に嫌い、スタメンに右打者を並べるような選手起用をするが、ほとんど成功していないにもかかわらず、そのやり方を変えようとしない
- 早打ちで引っ張り専門のカルフーンを1番で起用する理由がわからない。6月にDLから復帰して以来ホームランを量産しているカルフーンをなぜクリーンアップで使わないのか
- 明らかに全盛時を過ぎたプーホルスを今でもクリーンアップで使い続けるのはなぜか?彼のWARはメジャーでも最低レベルにまで落ちてしまっている
- 先発投手は不足しているのに、なぜ80-90球程度で交代させるのだろうか
- 一方で、先日のペーニャは1回表に7点も取られるまでなぜ放っておいたのか。代える機会はあったのに、1回表に7失点では試合が終わってしまった
- セーフティリードのある試合でもラミレスやアルバレスなど登板過多気味の投手を使うのはなぜか
その他、今年のソーシアの采配については「エンゼルスの前半戦を振り返る(3) 監督采配」を参照されたい。
ソーシアで思い出すのは、2015年の前GMジェリー・ディポトとの衝突だ。ディポトが子飼いのバッティングコーチを解任したことをきっかけに激しく対立し、結果としてディポトをチームから追い出した。チームを追われたディポトがその後マリナーズのGMになってチーム再建に成功し、今シーズンはア・リーグ西地区の優勝争いをしているのは皮肉であるが、少なくともソーシアはチーム再建に向いた監督とは思えない。スモールベースボールの旗手から、巨大戦力を背景に一発攻勢で勝つ大味な試合をする監督へと変貌してしまったからだ。
さて後任であるがチーム内から昇格させるのか、それとも外から呼んでくるのか。一部には現在ベンチ・コーチのジョシュ・ポールが最右翼との報道もある(ジョシュ・ポールの事件はこちらに)。しかし誰がなっても新監督に残された課題は多い。
- 2020年で契約の切れるマイク・トラウトが残留を望むようなチームに再建できるか。全盛期を迎えているトラウトだがここまでほとんどプレーオフには無縁である。現在の状態が続けばFAでチームを出て行く可能性は高い
- 2021年まで総額100ミリオン以上の契約が残るプーホルスだが衰えが著しく、もはやクリーンアップを任せられる選手ではない。加えて足の遅さは致命的で塁上ではお荷物でしかなく、毎日1塁の守備につくことも難しくなってきている。エンゼルスとしてはプーホルスが自ら引退宣言してくれることが一番ありがたいが、数々の記録更新が控えている現状ではありえないだろう。まずは打順を6番、7番に降格させることから手を付けることになるだろうが、大谷をDHで使うとなるとプーホルスの起用法に新監督は頭を悩ませるだろう
- 大谷の育成も新監督の大きな課題だ。仮に今オフにトミー・ジョン手術を回避できた場合、来シーズンも二刀流で行くわけだが、チーム再建とどのように両立させていくか新監督にとっても大きなチャレンジになるだろう
- エンゼルスの投手にはなぜこうも故障者が多いのか。このところ3年続けてで手術やDLだらけである。メディカルスタッフの人選を含め選手の健康管理体制を根本的に見直すべきではないか
ジョー・アデル、ケビン・マルタンなどマイナーには有望株も育ってきている。またキンスラーやマルドナドのトレードの交換要員で取った若手投手も楽しみだ。来年は再建の第一歩だろうが、非常に重要な年になる。そして2020年は何としても再び優勝争いに食い込めるチームにして欲しい。そうすればトラウトの去就にもよい影響を与えるだろう。
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