監督、GM、オーナー

チーム紹介(監督、GM、オーナー)


マイク・ソーシア(59歳)(監督)

大谷の起用法に注目が集まるエンゼルスを率いて19年目の名将!

現役時代はドジャース一筋のキャチャーだった。引退後は2000年からエンゼルスを率いて、来季19年目の長期政権を敷く。これまでアメリカンリーグ最優秀監督賞を2回(2002年、2009年)受賞しており、名将の誉れ高い。

1988年にはドジャースでキャッチャーとしてワールドチャンピオンとなり、2002年にはエンゼルスの監督として、やはりワールドシリーズ制覇を成し遂げた。

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エンゼルスとは2009年に10年契約を結び、2018年が10年目の最終年である。過去3年続けてプレーオフ進出を逃しているので、今年は勝負の年となるだろう。ややマンネリ感も出てきているので、今年もプレーオフ出場を逃すようならば、契約更新はないかもしれない。

スモール・ベースボールではない
日本の野球関連サイトやブログでは、ソーシアの野球のスタイルは、バントや盗塁を多用するスモール・ベースボールと書かれることが多い。しかしここ何年かの采配を見る限り、現在はかなり変質している。2005年以降、ゲレーロ、プホルス、ハミルトンと言ったFAの長距離ヒッターをチームの中心に据えるようになってからは、送りバントのような戦略はほとんど採らなくなり、基本は強攻策である。問題はそのFA選手達が思ったような成績を挙げられていないことである。また、マイク・トラウトを除けばあまり足の早い選手もいないため盗塁も少なくなっている。

最近のメジャーではデータを最大限にいかしたサイバー・メトリクスが全盛だが、ソーシアは、サイバーメトリクスとはやや距離を置き、どちらかと言えば経験を重視するオールド・スクールに属するタイプの監督である。例えば攻撃時に「相手が左投手なら右バッター」という昔ながらの戦法もいまだに好む。具体的には右打者ながらデータでは左投手よりも右投手を打っているCJ・クロンを、右投手が出て来ると引っ込めるというような選手起用を多用する。
データ活用に関しては、2015年に「もっとデータ活用すべき」と強力に主張した当時のGMジェリー・ディポト氏(現マリナーズGM)と衝突し、結果としてGMが球団を去るという事件も起きている。

性格は温厚で明るいが、チーム内の和を重視し、不平不満をもらすような選手には厳しい態度で臨むことでも知られる。起用や采配に不満を漏らした選手、球場内での言動に問題があった選手などは例え実力があっても必ずと言っていいほど放出されてきた。これまでクラブハウス内で飲酒事件を起こしたジョン・ラッキーや自分の起用について不満を漏らしたマイク・ナポリなどがシーズンが終るとすぐに放出されている。

また、白人であるが英語の他にスペイン語も話し、スペイン語しか話せないラテン・アメリカ系選手とのコミュニケーションにも苦労しない。

大谷の起用法に注目が集まる
2018年の最大の注目はソーシアが二刀流の大谷選手をどのように起用をするかだろう。先発投手のコマが足りないエンゼルスとしては、おそらく投手として重用したいだろうが、獲得にあたり二刀流の遂行を最大限サポートすることを大谷に約束した以上、打席にも数多く立たせるだろう。もしかしたらソーシアの命運は大谷が握っているかもしれない。

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アルトゥロ・モレノ(63歳) (エンゼルス・オーナー)

エンゼルスを、裸一貫から買収へ

アリゾナ州出身。メキシコ系移民の子で、ヒスパニックとして初めて、アメリカのプロスポーツチームのオーナーになった。

2003年のシーズン中にエンゼルスを前オーナーのディズニーグループから買収した。ちなみに前年の2002年にエンゼルスはチーム史上初のワールドシリーズ制覇している。買収価格は1億8000万ドル(約160億円)だったが、今ではその5倍になっていると言われている。

貧しいメキシコ系移民の子であったが、野外広告のビジネスに成功し、会社上場、球団買収とアメリカンドリームを体現している。社員として入社した広告会社では10年足らずの間に、会社の利益を50万ドルから900万ドルにしたという超凄腕の営業マンだった。

子供の頃から野球好きで、球団買収は永年の夢だったという。一野球ファンとして経営する姿勢はファンの間で高い支持を得ている。例えばチケット価格や球場内のビールが高すぎるとして値下げに踏み切ったことはモレノを語るエピソードとしてよく知られている。ホーム、アウェイを問わず、ほとんどのエンゼルスの試合を観戦している。ホームではオーナー席からしばしば抜け出して、ファンとコミュニケーションしている姿がよく見られる。

バーノン・ウェルズ事件
しかし、同時に選手獲得やチーム運営に対してしばしば口を挟み、それが逆にチームの弱体化を招いたという批判も強い。象徴的な例がトロント・ブルージェイズから2010年のオフにトレードで獲得したバーノン・ウェルズ外野手だ。ウェルズは成績に見合わない巨額の契約が4年も残っており、ブルージェイズの不良債権と思われていた。

しかし、モレノはウェルズの獲得を強力に働きかけ、当時のGMトニー・リーギンスに対して、「24時間以内にウェルズを獲得しなければ、お前はクビだ」と伝え、リーギンスはやむなくトレードに動いた。交換選手は当時長打力を売りに伸び盛りの捕手マイク・ナポリだった。このトレードは酷評され、「エンゼルスは史上最悪のトレードをした」「ウェルズを獲るくらいなら何もしないほうがマシだった」と言われるほどだった。

実際、翌2011年のウェルズの成績はどん底もいいところで、わずか1年ほどでレギュラーの座を追われ、退団、引退することになった。そして、気の毒なことだが、リーギンスはウェルズ獲得と成績不振の責任を取らされ、オフに退団に追い込まれた。一方で放出したナポリは主軸を打つほどに成長し、しばしばエンゼルス戦でも痛打を浴びせた。その後球団を渡り歩きながらも、今でも選手として現役を続けている。

ジョシュ・ハミルトン事件
2012年オフにはこれまたモレノの強い意向でテキサス・レンジャースの主砲ジョシュ・ハミルトンと5年12500万ドルでFA契約したが、これも大失敗だった。ハミルトンは薬物やアルコール中毒問題を当時から抱えていた。エンゼルスではケガと成績不振に苦しみ、離婚を機に再びドラッグやアルコールに手を出してしまった。この時、多くのチームメートはハミルトンを手助けしようとしたが、モレノは容赦せず、給料のほとんどを負担する形でレンジャーズへ出戻りさせてしまった。その後、レンジャース戦では実質的に給料を払っているハミルトンにしばしば痛打を浴び、エンゼルスファンを苛立たせた。2017年でようやくハミルトンの契約は終了し、エンゼルスはハミルトン問題から開放された。

アルバート・プーホールズ問題
2011年オフ、FAのアルバート・プーホールズと10年2億4000万ドルというメジャー史上2位の巨額契約を結んだ。すでに32歳になろうとしているプーホールズと10年契約はさすがに無謀と思われたが、モレノの強い希望で獲得に至った。

プーホールズは今でもエンゼルスの主砲を任されているが、移籍後は期待された成績には程遠く、カージナルス時代の輝きを一度も放っていない。近年は足の故障に苦しみ、打率も2割台前半、ホームランも20本台にまで低迷している。しかしプーホールズとの契約はあと4年も残っており、不良債権化は目の前と言わざるをえない。

球団弱体化
これらの大物選手の獲得に伴って、若手の放出によるファームの弱体化、サラリー高額化による球団経営の圧迫を招いたという批判は根強い。実際2010年前後はプレーオフの常連だったのに、ここ3年はプレーオフにも進出できていない。5年前にはドアマットチーム(他者に踏みつけられるだけの弱いチーム)だったヒューストン・アストロズが若手の育成に成功し、ワールドシリーズを制覇したのと対象的に、エンゼルスのチーム力は長期低落傾向から脱していない。

大谷選手の入団を機に、エンゼルスが復活を遂げることを期待したい。

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ビリー・エプラー(43歳) (GM/ゼネラル・マネジャー)

ヤンキースで腕を磨いた辣腕マネージャー。勝利を目指しながら、選手の育成も行うという難しい課題が待っている

カリフォルニア州サンディエゴの出身。コネチカット大学時代に投手としてプレーしていたが、右肩を痛めて選手を断念した。大学では会計学を専攻し、1998年に卒業後は財務アナリストとして活動するが、わずか9ヶ月で退職。その後インターンとしてNFLのワシントン・レッドスキンズで働いたのがスポーツビジネスへの嚆矢となった。

ロッキーズで頭角を現し、ヤンキースではGMの右腕に
2000年にコロラド・ロッキーズのパートタイムスカウトの職を得て野球界へ。そして2004年シーズン終了後にニューヨーク・ヤンキースへ移った。分析力に長けたエプラーはいつしかブライアン・キャッシュマンGMの右腕と呼ばれる存在になっていった。2014年にヤンキースがポスティング制度で田中将大を獲得しようとした際に、エプラーは来日を重ねて田中獲得への道を拓き、その手腕は確固たるものになった。

エンゼルスは2011年に2代前のGMトニー・リーギンス(注*)を解任した時にも、エプラーは新しいGMの候補に上がっていた(結果的にはダイアモンドバックスのGM補佐だったジェリー・ディポト氏を採用)。

エンゼルスのGMに就任
2015年、そのジェリー・ディポトGMが監督のマイク・ソーシアと意見の違いから衝突し、「やってられない」と自らGM職を放棄し辞職した(注**)。その後釜として2015年10月4日、エプラーはエンゼルスのGMに就任した。その時、エプラーはマリナーズやパドレスのGMの候補にもなっていたという。エンゼルスとは2019年までの4年契約を結んでいる。

念願のGM職に就任したエプラーだったが、その時点でエンゼルスはそれまでの大型補強が不良債権化して、さらなる大型補強は難しい状態だった。それでもアップトン、シモンズといった好選手を引っ張ってきているのでチームを組成する手腕は確かなものがあるようだ。

そして2017年12月、大谷翔平の獲得に成功し、さらに名を挙げた。大谷を獲得できた要因はソーシアを説得して、大谷の目の前で二刀流サポートの確約をさせたことだと言われている。

ちなみにエンゼルスを辞めたジェリー・ディポトはその後シアトル・マリナーズのGMに横滑りし、現在もGM職についているが、大谷獲得レースでエンゼルスに敗れたその心境はいかがなものだったろうか。

優勝と育成、大きな課題に挑む
エプラーのGMとしての大きな課題は、以前はメジャーでもトップクラスの質を誇ったエンゼルスのマイナーが、この10年の度重なる大型トレードにより完全に枯渇してしまったことだ。特に投手の育成は全くと言っていいほど上手く言っておらず、2008年にデビューしたジェレッド・ウィーバー以来、ただの一人もエース級を育成できていない。お荷物球団からわずか5年でワールドシリーズを制したアストロズは、生え抜きの選手が中心であることを見てもわかるように、次から次へと有望選手を育てられるファームシステムの再構築は急務である。

2年連続で負け越しているエンゼルスだが、今後も明らかな再建モードに突入するようなことはしないとモレノオーナーは断言しており、優勝と育成を同時に目指すという非常に難しい課題にエプラーは取り組まなくてはならない。

(注*)トニー・リーギンスはエンゼルスのチケットセールスのインターンからGMにまで駆け上がった優秀な黒人だった。メジャーで初の黒人GMということで注目されたが、実質はオーナーのアルトゥロ・モレノのイエスマンに過ぎず、オーナーの鶴の一声で獲得したバーノン・ウェルズの不振の責任を取らされた形で解任された。

 

(注**)ディポトは就任1年目のシーズン中に、チームの打撃不振の責任を負わせる形で、ソーシアの永年の盟友だった打撃コーチ、ミッキー・ハッチャーを独断で解雇した。そのことが原因で二人の仲は修復不能になったと報じられている。さらに2015年、データをどう活用するかについて主力選手(プホルスと言われている)がGMのやり方に反発し、コーチ陣を擁護する姿勢を見せたためディポトは孤立した。結果として、エンゼルスはディポトを切らざるを得なくなった。

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