2018年のエンゼルスの救援投手陣を紹介する。
2017年はそれまでの絶対的クローザー、ヒューストン・ストリートが春先からケガで離脱、1年間ほとんど投げられなかった。そのためクローザーも取っ替え引っ替え、多くの投手が務めることになった。
今年は多くのメンバーが入れ替わり、昨年台頭した選手も気が抜けない。残念ながらレベルが高いとは言い難いが競争は激しい。左のリリーバーが軟投派のアルバレス1人しかいないのが懸念材料だが、一方でミドルトン、アンダーソンという三振を取れる速球を持つ若手が出てきたのは好材料だろう。
スポンサーリンク
- ブレーク・パーカー(右投げ)
- ジム・ジョンソン(右投げ)
- ケイナン・ミドルトン(右投げ)
- ホセ・アルバレス(左投げ)
- カム・ベドローシアン(右投げ)
- ノエ・ラミレス(右投げ)
- ジャスティン・アンダーソン(右投げ)
ブレイク・パーカー(32歳) 救援投手(右投げ)(背番号53)
何度も自由契約されながらも、ついにチャンスを掴んだ苦労人。キャンピングカー生活に終止符か。
2017年の成績
試合数 | 勝利 | 敗戦 | セーブ | イニング | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
71 | 3 | 3 | 7 | 67.1 | 2.54 | 86 | 16 | 0.832 |
2018年は1年180万ドルで契約。2020年まで年俸調停権が残っている。2020年オフにフリーエージェントになる。
カブスから16巡目(全体479位)でドラフト指名
アーカンソー州出身。2006年にシカゴ・カブスから16巡目(全体479位)でドラフト指名されプロ入り。なかなかマイナーの壁を破れなかったが2012年にようやくメジャーデビュー。しかしその後もメジャーとマイナーを行ったり来たりの生活が続き、2015年5月に自由契約。その後なんとかマイナー契約を結んだものの、メジャーに上がることなく、オフには再び自由契約となった。
その後、マリナーズに拾われたが、2016年はメジャーでは1試合投げただけで8月には再びDFA。ウエーバーを経て今度はヤンキースに拾われ、リリーフで16試合登板した。しかし、オフにはDFA、ウエーバーを繰り返し、最終的にはエンゼルスに拾われる形となった。
ケガ人続出の恩恵で開幕ベンチ入りし、好成績につなげる
2017年マイナー契約扱いで、スプリング・トレーニングは招待選手だったが、12.1イニングを防御率0.73、三振24という抜群の安定感を示した。そして相次ぐ投手の故障に悩むエンゼルスとメジャー契約を結び、初の開幕ベンチ入りした。最初はあまり期待されていなかったものの、シーズンを通じて安定した成績を上げ、シーズン終盤はクローザーを務めた。スプリットを武器に、高い三振率を誇り、2017年のエンゼルス投手陣のMVPと言っても過言ではない。
スポンサーリンク
とりあえず2018年はクローザーを任されると思われる。しかし、長いプロ生活の間、安定した成績をあげたのは昨年のみ。はたしてそれを今年も継続できるか。エンゼルスのカギを握る男の一人である。
モービルホームに住むメジャーリーガー
何度もチームが変わる中、パーカーはアパートや家に住むのを諦め、モービルホーム(キャンピングカー)生活を始めた。とても小さいが家族と犬が暮らすには十分だと感じているらしい。もっとも日本人がイメージするキャンピングカーとは異なり、相当ゴージャスなものである。
アメリカにはこういう豪華なモービルホームに住んで、全米各地を回りながら生活する者も多い。実際いたる所に電気や上下水道、WiFiなどの設備が整ったRV専用パークがある。しかし、それでもメジャーリーガーでこんな家に住む者はいないだろう。2017年のシーズンはエンゼルスタジアムとその周辺のRVパークに車を停めて生活していたそうだ。
さすがに今年はモービルホームを売り払い、普通の家に住み替えを予定しているそうだ。そのためにもさらなる活躍と大きな契約が期待される。
Youtube:パーカーが自分のモービルホームを案内
ジム・ジョンソン(34歳) 救援投手(右投げ)(背番号33)
大谷獲得のためにオマケで付いてきたかつての守護神。エンゼルスではいきなり崖っぷちの開幕
2017年の成績
試合数 | 勝利 | 敗戦 | セーブ | イニング | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
61 | 6 | 3 | 22 | 56.2 | 5.56 | 61 | 25 | 1.48 |
2018年は1年500万ドル。
2012年、2013年とオリオールズで連続50セーブの守護神
ニューヨーク州出身。2001年のMLBドラフトでオリオールズが5巡目(全体143位)で指名。6年間のマイナー生活の末、2006年に先発投手としてメジャーデビュー。しかし結果を残せず、マイナー降格、ブルペン投手に転向を強いられる。2008年からようやく安定した数字を残し始め、クローザーになった2012年は最終的には51セーブでセーブ王となり、オールスターにも出場。キャリア最高の成績となった。翌2013年も連続して50セーブを上げ、2年連続のセーブ王になったが、救援失敗数は前年の3回から9回へと増え、やや安定感を欠いた。
2014年以降は成績が下降し、移籍を繰り返す
2013年オフ、年俸の高騰を嫌ったオリオールズはジョンソンをトレードでアスレチックスへ放出した。2014年ジョンソンは安定感を欠き、7月には自由契約になってしまう。その後、タイガース、ブレーブス、ドジャース、ブレーブスと短い期間で移籍を繰り返すが、成績は安定しなかった。しかし、2016年は防御率3.06とやや持ち直し、オフにブレーブスと2年契約を結ぶが、2017年は防御率5.56と再び成績を落とした。
大谷用のボーナス資金枠確保のためにエンゼルスがトレードで獲得
2017年11月にブレーブスからエンゼルスへトレードされた。ブレーブスにとってはジョンソンの2018年の年俸500万ドルの支出を避けるのが狙いだったが、同時にこのトレードには外国人選手獲得のためのボーナスプール枠1.21ミリオンが付属していており、エンゼルスは大谷獲得のための資金枠作りのためにジョンソンの契約を引き取ったという側面が強い。
このトレード前、エンゼルスには大谷にオファーできるボーナス枠(契約金)がわずか10万ドルしか残されていなかった。いくら大谷が金銭面にはこだわらないと言っても、さすがに10万ドルしか出せないというのでは誠意を疑われても仕方がない。エンゼルスはこのトレードのおかげで1.3ミリオンまでボーナス枠を増額できた(最終的には231万ドルを確保)。
2018年は開幕から崖っぷちのポジション
2012年、2013年の成績は際立っているが、それ以降の4年は期待はずれの年が多く、エンゼルスでも500万ドルの年俸を払うのだからとりあえず投げさせてみようというポジションの選手である。もしシーズン序盤に炎上を繰り返すようなら、年齢から言ってもさっさとDFAされてしまうだろう。
平均球速93.5マイル(約150キロ)のツーシームを主体に、カーブ、チェンジアップ、フォーシームの4球種を持ち球とする。ゴロを打たせる投球スタイルで、いわゆるグラウンドボーラーだが、2016年以降は奪三振率9.00以上と例年よりも大幅増となっている。エンゼルスではとりあえず中継ぎで投げるものと思われるが、果たして復活できるのか。
ケイナン・ミドルトン(24歳) (右投げ)(背番号39)
2018年のクローザーを任されるパワー・ピッチャー
2017年の成績
試合数 | 勝利 | 敗戦 | セーブ | イニング | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
64 | 6 | 1 | 3 | 58.1 | 3.86 | 63 | 18 | 1.337 |
2018年は1年55万1000ドルで契約。2020年まで年俸調停権が残っている。2024年オフにフリーエージェントになる。
オレゴン州ポートランドの出身。 2013年のMLBドラフト3巡目(全体95位)でエンゼルスから指名されプロ入り。4年かけてマイナーで腕を磨き、2017年5月にメジャー昇格した。
100マイルの速球で勝負する剛球投手
最速100マイルのフォーシームが投球の7割以上を占める。残りはスライダーと最近はチェンジアップも投げるようになった。2018年は昨年よりもやや球速を抑え、スライダーの制球力を磨いたことで安定感がアップした。三振を奪えるのは魅力で、速球派が好きなソーシア監督から2018年のクローザーを任されている。
特徴的な容貌
一見、オジさんぽく見えるがまだ24歳である。ドレッドヘアがトレードマークだが、今年からそれをピンクに染めてさらに見た目は強烈になった。しかし2017年と比べ、明らかに体重が増えてしまっている。これ以上太るとバルトロ・コロンのようになってしまいかねないので注意してもらいたい。
ホセ・アルバレス(28歳) (左投げ)(背番号48)
エンゼルスただ1人の左腕リリーバー
2017年の成績
試合数 | 勝利 | 敗戦 | セーブ | イニング | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
64 | 0 | 3 | 0 | 48.2 | 3.88 | 45 | 12 | 1.274 |
2018年は1年105万ドルで契約。2021年オフにフリーエージェントになる。
ベネズエラ出身。 2005年に16歳でボストン・レッドソックスと契約してプロ入り。しかしなかなか目が出ず、マーリンズ、タイガースと移籍し、メジャーに初昇格したのはタイガース時代の2013年6月だった。
2014年3月にトレードでエンゼルスに移籍。対左打者用のワンポイントでの登板が基本。平均92マイルのフォーシームとスライダーを得意とする。シンカーやチェンジアップも多少投げる。タイミングを外し、打たせて取る軟投派のピッチャーである。
マイク・ソーシア監督は左打者には左投手をぶつけるという昔ながらの戦術を好むが、左のリリーバーがアルバレスしかいないため、勝ち試合、負け試合ともよく使われる。抑える時は抑えるが、打たれる時は打たれるという選手のため、長いイニングは任せられず、やや頼りないという印象は拭えない。
カム・ベドローシアン(26歳) (右投げ)(背番号32)
トミー・ジョン、右腕血栓除去手術、鼠径部故障と怪我に悩まされたが、ようやく癒えて復活を目指す
2017年の成績
試合数 | 勝利 | 敗戦 | セーブ | イニング | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
48 | 6 | 5 | 6 | 44.2 | 4.43 | 53 | 17 | 1.30 |
2018年は1年110万ドルで契約。2021年まで年俸調停権が残っている。2021年オフにフリーエージェントになる。
2010年のエンゼルスのドラフト1位
ジョージア州出身。2010年のMLBドラフトでエンゼルスが1巡目(全体29位)で指名した。エンゼルスでは数少ないフランチャイズプレーヤー。しかし入団した翌年にいきなりトミージョン手術。2012年復帰後は先発投手だったが、2013年にリリーフ投手に転向。
2014年にメジャー昇格。しかし、2016年に前腕部の血栓除去手術、2017年は鼠径部の故障と怪我が続き、満足なシーズンを送れていない。2018年、ようやく健康を取り戻し復活が期待される。
最高で96マイルの速球とスライダーのコンビネーションで投げるパワーピッチャー。速球はフォーシームが多いが、カッター軌道やツーシームも交えて、軌道が同じにならないようにしている。課題はスライダーの制球。
2018年の開幕直後は球速の低下に悩まされ、出れば点を取られるという最悪の状態だった。しかし4月も後半になって2016年以来の96マイルを記録するなど、ようやく立ち直りの兆しを見せている。
父のスティーブも元メジャーリーガー(投手)で、1987年にサイ・ヤング賞を受賞しているほどの名選手だった。
ノエ・ラミレス(28歳) (右投げ)(背番号25)
切れのいいシンカーとチェンジアップが武器の軟投サイドスロー右腕
2017年の成績(レッドソックス&エンゼルス)
試合数 | 勝利 | 敗戦 | セーブ | イニング | 防御率 | 三振 | 四球 | WHIP |
37 | 3 | 3 | 5 | 44.2 | 3.86 | 61 | 87 | 0.857 |
2018年は1年54万9000ドルで契約。2024年オフにフリーエージェントになる。
地元リフォルニア出身の軟投サイドスロー
地元カリフォルニア州ロサンゼルス出身。出身大学はカリフォルニア州立大学(CS)フラトン校で、エンゼルスタジアムからは車で10分ほどしか離れておらず、お膝元の大学である。
2011年のMLBドラフト4巡目(全体142位)でボストン・レッドソックスから指名されプロ入り。2015年7月メジャーデビューした。しかし2016年は防御率6.23とふるわず、2017年8月にウェーバー公示(自由契約)され、エンゼルスに拾われた。
シンカーとチェンジアップを得意とする右サイドスローの軟投派。2018年開幕直後はあまり期待もされず、敗戦処理的な役割だった。しかしキレのいい変化球で長いイニングも投げられることから重宝され、次第に重要な局面でも任されるようになっている。
2018年開幕直後の試合、MLBの公式Twitterで、ラミレスのチェンジアップが打者が避けるほどあまりにもキレがいいと動画がアップされ、「まるでテレビゲーム」などと多くのコメントが付いた。
You usually only see that kinda stuff in video games. https://t.co/Dz3fynAkfF pic.twitter.com/VN9WSXqkW2
— MLB (@MLB) 2018年3月30日
190センチを超える長身に長髪のサイドスローで、ひときわ目立つ出で立ちである。
ジャスティン・アンダーソン(25歳) (右投げ)(背番号25)
99マイルのフォーシームが魅力のルーキー
2017年のメジャーでの登板実績なし
2018年はメジャー最低年俸の1年54万9000ドルで契約。
故郷ヒューストンでメジャー初登板し、99マイルを連発
テキサス州ヒューストン出身。2014年ドラフトでエンゼルスから14巡目で指名されプロ入り。これまで全くメジャー経験はなかったが、2018年4月23日にベンチ登録されると翌日のヒューストンでのアストロズ戦で即デビュー登板。
すると99マイルの速球を連発し、周囲を驚かせた。制球の良いスライダーでカウントを稼ぎ、フォーシームを決め球に使う。まだ数試合の経験しかないが、ソーシアは今後も重要な場面で使っていくと思われる。
先発のバリアに続き、リリーバーでも久々にイキのいいのが出てきた。近い将来、ミドルトンとアンダーソンで8回9回をシメるのではないだろうか。
スポンサーリンク