大谷のエンゼルス残留を信じる理由

大型連敗で一気に借金生活に突入しマドン監督も解任された。するとネットでは大谷がエンゼルスを離れ、他チーム(ほとんどはドジャースかヤンキース)へ移籍すると予想する記事が一気に増えた。ドジャースやヤンキースに移籍してワールドシリーズで戦って欲しいのだという。

しかし私は大谷翔平は今オフにエンゼルスと契約延長で合意すると思っている。大谷とトラウトがいれば、あと少し戦力を強化すれば十分ポストシーズンへ行けると思うし、自分の力でチームをポストシーズンに導くことこそ大谷の望みだろう。元々強いチームに入れてもらってワールドシリーズに出たからってそれが何になるというのだ?

大谷がエンゼルスを選んだ理由を振り返る

5年前にポスティングによるメジャー挑戦が解禁となって大谷の争奪戦が起きた時、メディアはヤンキースだ、ドジャースだと騒ぎ立てた(ヤンキースは最終候補にも残れなかった)。エンゼルスを予想するメディアはほとんどいなかったが私はエンゼルスに来るだろうと思っていた。その理由は

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(1)DH制があるア・リーグしかない
当時はナ・リーグにはDHはなく、ナ・リーグで登板日以外も試合に出るにはどこかの守備につく必要があった。ポジションとしては外野しかなかっただろうが、日本でもごくたまにしか守備についていなかった大谷が、メジャーへの挑戦に加えて、新たに外野守備にもチャレンジすることはあまりにも負担が大きすぎる。メジャーでも二刀流をやるにはア・リーグしかないのは自明だった。

その後大谷サイドから最終的に面談を行いたいと挙げたのは下記の7チームだったが、残念ながらこの中でナ・リーグの4チームは当て馬だった。ドジャースのカーショウなどは「面談の席で大谷は上の空でドジャースに来たがっているとは思えなかった」と回想している。

レンジャーズ(ア・リーグ西地区)
マリナーズ(ア・リーグ西地区)
エンゼルス(ア・リーグ西地区)
カブス(ナ・リーグ中地区)
ジャイアンツ(ナ・リーグ西地区)
パドレス(ナ・リーグ西地区)
ドジャース(ナ・リーグ西地区)

私はこの球団リストが発表された時点でア・リーグのレンジャース、マリナーズ、エンゼルスの3球団に絞られたと思った。

(2)西海岸へのこだわり
最終候補の7チームを見るとカブス以外は西海岸のチーム。大谷が西海岸のチームを希望しているのは明白だった。西海岸の気候は夏は湿度が低くて快適、冬は温暖だ。加えて日本人も多く日本の食材の調達にも苦労しない。日本人にとって極めて過ごしやすいので大谷が西海岸を希望するのはムリもない。

レンジャースはア・リーグ西地区に属しているが、ホームのテキサス州ダラスは地理的には米国中部。夏は酷暑で冬は寒い、西海岸とは全く異なる気候だ。ホームのスタジアムが屋内なのも納得だ。屋内でなければ真夏に野球なんかやってられないのだ。しかもレンジャースは2016年にワールドシリーズへ出場したが、2017年は完全にチーム解体期に突入して最下位。そんなチームを選ぶとはとても思えなかった。

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(3)アスレチックス、アストロズが外れた理由
ア・リーグの西地区のアスレチックスとアストロズは候補リストから外れている。

アスレチックスは設備にも選手にも投資しない経営スタイルが敬遠されたのだろう。球場はアメフト兼用でやたらファウルエリアが広く、他球場ならファウルで打ち直しになる打球がここではファウルフライでアウトになるのでバッターからは超不人気。夏場からはアメフト選手が走り回り外野の芝生はボロボロになる。また経費節減のため選手が育つと年俸が高騰する前に放出するので応援しがいがなくファンも少ない・・・大谷のような引く手あまたの選手が選ぶ球団ではない。

一方この年ワールドシリーズを制覇して絶頂期を迎えつつあったアストロズが外れたのは元々チャンピオンレベルの強いチームに行っても挑戦しがいがないと大谷が思ったのではないだろうか。これは今後大谷のFA移籍を考える場合に注目される観点だ。

(3)マリナーズを選ばない理由
これでマリナーズかエンゼルスの二択になるが、シアトルは冬が長く(11月~4月)雨が多くて寒い。特に12~2月はどんよりと雲が立ちこめてシトシト雨が降る日が続き、うつ病患者が続出すると言われるほどだ。冬でも半袖OKで開放的なロサンゼルスとはだいぶ異なる。オフでも毎日野球をしていたい大谷選手がシアトルを選ぶ可能性は低いと思った。

加えてマリナーズはメジャー30球団でもっとも年間の遠征距離の長いチームだ。対戦の多い同じ西地区でも飛行機で2時間近い移動を強いられる。1番遠いフロリダからシアトルへは飛行機で6時間もかかり海外旅行レベル。二刀流として普通の選手よりもコンディション調整に気を配る大谷には不向きだろう。

またマリナーズはエンゼルス以上にポストシーズン進出を逃し続けているチームだ。最後に進出したのはイチローが1年目だった2001年。2017年時点で16年間もポストシーズンに行けていなかった。それは現在も継続中ですでに20年間もポストシーズンから遠ざかっている暗黒ぶりで、米国4大プロスポーツでもプレーオフ未進出ワースト記録を更新中なのだ。

そこまで考えると大谷がエンゼルスを選ぶのは必然と思われたし、実際そうなった。

エンゼルスと大谷は再契約するか

私は大谷はすでに心の中ではエンゼルスとの再契約を決めていると思う。もし再契約した時にコメントを求められたら

「エンゼルスは自分で選んだ球団ですし、そこ以外でプレーすることを考えたことはなかったです」

と言うと思う。以前ヤフコメにそのような事を書いたら90%に「ノー」されてしまった。果たして私が勝つか多数のヤフコメ民が勝つか楽しみだ。

(1) 大谷とエンゼルスは相思相愛

大谷とエンゼルスが相思相愛なのは間違いない。大谷が二刀流を続ける上で最大の理解を示してくれているし、丸5年もエンゼルスでプレーして、大谷より古株はトラウトぐらいになってしまい、二刀流について批判する先輩のような選手もいない。

ドジャースやヤンキースのようなチームはちょっとの間でも二刀流での結果が出なければ、どっちかに絞れという圧力がメディアやファンから出てくるだろう。エンゼルスと違って投手にも野手にも才能を持つ選手は山ほどおり、大谷にムリに二刀流として投打両方で結果を出してもらう必要はなく、どっちかで活躍してくれれば十分だからだ。

(2) 水原通訳はLAっ子

大谷にとって最大の理解者でパートナーの水原通訳だが、LAは水原氏にとって生まれ育った街であり、もし大谷がLA以外の街に行くことになれば当然彼もついていくことになる。それは水原氏ももちろん大谷も望まないことであろう。大谷は金額については考えないと公言しているように、多少の金額を積まれたからと行ってお金だけでチームを選ぶことは考えづらい。サンディエゴやサンフランシスコであれば可能性はあるが、それ以外の街に行くことは考えにくい。

(3) ドジャースに行くとは思えない

ワールドシリーズに進めるようなチームで、地理的な条件を考えると確かにドジャースは候補になるだろう。しかし巨大戦力を保持するドジャースは別に大谷がいてもいなくても戦力的にはあまり変らない。2017年にダルビッシュが移籍した時のように「ワールドシリーズを勝つための最後のピース」という口説き文句で迫ってくることはありえるが、2017年に移籍候補からアストロズを外した大谷がそんなチームに行くかな?

ましてドジャースにはカーショウのように「5年前に入団する気もないのにわざわざミーティングに呼び出された」と恨み言を言っている選手もいる。確かに優勝には近いかもしれないがただでさえ特殊な二刀流への理解を得るために、チーム内の人間関係を一から構築するのに気をつかうのは本意ではないだろう。

当然ドジャースは他チームでは出せないようなものすごい大金を用意してくれるだろうが、金額が多ければ多いほど、優勝と金のためにエンゼルスを捨てて行ったという批判も強まるだろう。ちなみにNBAの世界では契約条件を落としてまでも優勝候補へ移籍する選手を「リング乞食」(優勝チームには記念のリングが渡されるから)と言って揶揄される。「リング乞食」なんて不名誉な称号は大谷には似ても似つかない。

FAは選手の権利ではあるが、チーム成績が振るわないからその権利を行使して勝てそうなチームに行くというのは彼らしくない。

エンゼルスと再契約するハードルは

相思相愛の大谷とエンゼルスが延長できないとしたらその理由は二つある。

(1) エンゼルスが資金を出し渋るかもしれない
一つ目は資金的な問題だ。エンゼルスのモレノオーナーは贅沢税を払うことに極めて後ろ向きであり、トラウト、レンドーンという二人の超大型契約を抱えるため、「贅沢税は払わない」という前提だとあまりに大型契約は提示しにくい。

もっとも大谷がいることで営業的なプラスは多少の贅沢税を払っても十分おつりが来るはずだが、あとはモレノがそのへんをちゃんと計算できるかどうかだ。収支ではプラスとわかっても頑迷でプライドの高いモレノが「贅沢税は払わない」という自分のポリシーに反することに抵抗を示すかもしれない。

(1) エンゼルスがポストシーズンへ行けるようチーム強化できるか
もう一つはエンゼルスでなかなかチーム強化が進まず、大谷の望むポストシーズンでの戦いからもう7年も遠ざかっていることだ。エンゼルスはファームシステムが壊滅的で有力な選手を育てられない。そのため他チームから選手を集めるしかないのだが、大型契約の選手が3人も4人もいると、それ以外の補強に資金を投じることが難しくなる。大半のメンバーは1軍半レベルの安い選手で固めることになり、チームは低迷から抜け出せないだろう。贅沢税なしには良い選手を集めることはできないというジレンマをミナシアンGMはどう解決するつもりだろうか。

大谷がエンゼルスを去るとしたら今シーズン、このままズリズリと負け越しが増えていき、昨年よりも悪い成績で終わった場合かもしれない。トラウトが復帰し、先発のコマもそろったのに昨年よりも勝てなくなったのなら、それはもうチームに根本的な問題があるからだと大谷が考えたら再契約には応じないかもしれない。

(3) 代理人が残留に反対する可能性も
大谷自身はお金にはこだわらない、エンゼルスで構わないという姿勢でいても大谷の代理人であるネズ・バレロ氏はそういうわけにはいかないかもしれない。彼の報酬は大谷の契約総額が大きくなればなるほど増えるからだ。それにあまりに球団側に有利な契約を結んでしまっては、大谷以外にバレロと代理人契約をする他の選手からは無能と思われかねない。そう考えると代理人としては総額が最大になる契約を猛プッシュするだろう。

管理人の予想

エンゼルスのオーナーが贅沢税を払いたがらない問題、エンゼルスの低迷が続くかもしれないという不安要素はあるが、最終的には今オフに大谷と4年1億2000万~1億5000万ドル程度で契約するのではないかというのが私の考えだ。来月28歳になる大谷だが4年契約ならば次の契約は32歳で、もう一度長期契約するチャンスがあるからだ。

加えて1年契約のシンダーガード、そして外野で余剰気味アデルは8月2日のトレードデッドラインで放出される可能性が高いと思う。この二人で活きの良いブルペン投手が獲得できれば今年のシーズンもまだ諦める必要はないし、来年以降の資金的な余裕も確保できる。仮に贅沢税ラインは超えないとしてもアップトンとシンダーガードの契約がなくなるだけで49ミリオンも軽減できるので、そこから大谷の年俸ともう一人優秀な投手を取ることもできるだろう。

ドジャースやヤンキースならば2023年オフに29歳の大谷に対して7年2億5000万ドル程度は出してくるかもしれないが、大谷はそういうチームは選ばないと思う。

私の予想が当たるか結論が出るのが楽しみだ。

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4件のコメント

  1. 大谷と長期契約を結ぶ場合にエンゼルスも含めて
    『契約期間中に二刀流が全う出来なくなるリスクも考えた上で
    その際には投手or野手(DHか外野手)の一本化にシフトを切り替えられる環境』ができる
    起用方法に柔軟な球団があればいいのですが?

    1. 今日は大谷にシャーザー並みの金額が必要という記事が一斉に出てきました。
      しかし私は4330万ドルなんて出し過ぎと思います。トラウトでさえ3700万ドル。確かに二刀流はすごいことだけど、投打でMVPレベルの成績が続く保証もない。3000万ドルが良いところではないでしょうか。おっしゃるように投打どちらかになった場合はもっと価値が下がるかもしれない。長期で契約する場合はそういう条項は当然入ってくるでしょうね。
      大谷は3000万ドルなら二刀流が続けられるなら十分と考えるかもしれませんが、代理人は簡単には引き下がらないと思います。

  2. 筆者様がヤフコメにコメントしていたとは意外でした(笑)

    さて、急に契約報道が出てきて金額的にもどうなのかというところですが、トラウトがセンターでのフル出場が難しくなってくるんじゃないかと思い始めました。
    去年今年のケガもそうですし、今後年齢を重ねることを考えると、DH枠をトラウトに譲る頻度も高くなってくるじゃないかと。
    すぐにプホルスみたいになるとも思えませんが、そこは少し大谷の考えにも入ってきそうな気もするのですが。

  3. MVP級の活躍が保証されていないのは大谷だけでなく他の大型契約選手も同じですね。

    100年に一度の底知れぬ27歳の二刀流。
    ポテンシャル、将来性、話題性、各方面へのマーケティングを考慮すれば、私は4330万は妥当と思えますし驚きは無いですね。

    大谷級の二刀流選手が3000万で買い叩かれるような事があれば、今後二刀流を志す人間も減るでしょうし野球界の大きな損失を与える思います。

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