エンゼルスは今日のホワイトソックス戦にも勝って好調をキープしている。各種打撃指標はリーグのトップを走り、チームも4年ぶりの貯金7。ア・リーグ西地区のトップを快走し、2位のマリナーズに2.5ゲーム差となっている。
大谷1年目の2018年以来の好調さ
貯金7は大谷が1年目の2018年以来のことだ。その時エンゼルスは開幕から16試合を13勝3敗とチーム史上最高勝率で素晴らしいスタートダッシュを決めた。当時はプーホルス、アップトン、カルフーン、キンズラー、シモンズらのベテランが多いチームで、投手陣はリチャーズ、ヒーニー、スキャッグスに大谷がローテーションの中心だった。
当時の投稿から
「エンゼルス6連勝!大谷が出た試合は9勝1敗」(2018/4/13)
「USA Today紙:オータニのショーがホームへ戻ってくる」(2018/4/17)
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しかしその後大谷がヒジ痛で離脱するなど投手陣はコマ不足に陥り、打撃陣も調子を落とすにつれチームは下降曲線を描き、最終的には80勝82敗の負け越しに終わった。
今年のエンゼルスはその時とは少々様相が違うようだ。何よりも大谷、シンダーガード、ローレンゼンの3人の先発パワーピッチャーが素晴らしい。勝ちゲームにつぎ込むテペラ、ループ、イグレシアスのリリーフ陣も安定している。そしてウォード、マーシュ、ウォルシュ、アデル、フレッチャーらの若手が打線を底上げしているのがいい。
現在のエンゼルスの好調ぶりを地元紙LA Timesが取り上げている。日本語訳を紹介したい。
LA Times
Column: Shohei Ohtani has more help this season with the Angels and a renewed outlook
コラム:ショーヘイ・オータニは今シーズン多くの補強をチームから受け、様相も一新した
ショーヘイ・オータニは正しかったのかもしれない。マイク・トラウトは球界の頂点という長年の立ち位置をすでに取り戻したのかもしれない。その評決はオータニが言うほど満場一致ではないが、同様にオータニ自身も最近の非公式の最高選手のタイトルに選ばれている。
オータニは日本語で「誰の目から見ても、どこをどう切ってもトラウトがナンバーワンだと思います」と言った。
オータニは、自分とトラウトはお互いをより高い位置へと押し上げあっているという考えを否定し、自分には3度のMVPホルダーに対して影響を与えるような価値はないとほのめかした。
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オータニ
「自分はトラウト選手に引っ張られているように感じています。実際問題として、自分にとって良いシーズンだったのは昨年だけです」
日本人には必要以上に謙虚なふりをするところが確かにある。いずれにせよ、チームメートにこのような称賛を与える機会があることはオータニとエンゼルスにとって顕著な変化を表していた。
昨日クリーブランド・ガーディアンズ戦にオータニはシーズン開始からの3週間で初めて出場しなかったが、エンゼルスは4対1で勝利し、ア・リーグ西地区首位をキープして2位との差を広げた。
オータニはマウンド上でも打席でも調子は今ひとつだが、エンゼルスの勢いは止まらず13勝7敗で2位のシアトル・マリナーズに1.5ゲーム差をつけている。
攻撃面では過去2シーズンにも期待されたような姿がようやく見られた。
99得点はメジャー最多だ。チーム打率 .253と出塁率 .333はともにア・リーグ首位。しかもオータニ(.238)とレンドーン(.213)がこの成績での数字だ。
オータニ
「自分が打てなくてチームが負けていると一番つらい。でも今はチームが勝っている。それにはずいぶん救われています」
7ヶ月前、彼がMVPを取ったシーズン(エンゼルスはしばしばオータニの孤軍奮闘のチームだった)の最後の週の発言と比べてみよう。トラウトもレンドーンも後半はケガで出場できず、弱いチームでプレーすることは自分の決意を揺るがすと述べた。フロントオフィスがトレードデッドラインで補強に動かなかったことにも疑問を呈した。自分がフリーエージェントになる前にチームがポストシーズンに出られるかは分からないと言った。
フラストレーションが感謝に変わっていた。水曜の夜、5イニング投げて2勝目をあげた後、オータニはチームが自分を救ってくれたことの例をいくつか上げた。
エンゼルスでプレーしたこの5年で今がベストチームかと聞かれたオータニは「もちろんです。雰囲気もベストです」と答えた。
エンゼルスは162試合中まだ20試合を消化したに過ぎないが、7年にわたるポストシーズン未進出を終わらせる力のあるチームをようやく編成出来たように見える。
ガーディアンズを4タテして連勝は5に伸びた。貯金が6つになったのは4シーズンぶりだ。トラウトは16試合で打率.352、5ホーマー、10打点で、チームの攻撃リーダーのポジションを取り戻した。
右翼手テイラー・ウォードは旋風を巻き起こしており、打率.381、4本塁打、11打点。
オータニ「ネクストバッターズサークルからウォードを見ていると、何か打ちそうな気がします。もちろん対戦するピッチャーも同じように感じていると思います」
2年目のブランドン・マーシュも良いスタートを切り、打率 .340、15打点だ。
ジョー・マドン監督はガーディアンズとのシリーズをエンゼルスが見事にクローズしたことに自信を深めた。オータニはシーズン初の欠場。トラウトは警戒された。そしてエンゼルスには本塁打が出なかった。エンゼルスの25本塁打はメジャーで2位タイだ。
エンゼルスの得点方法についてマドンは「みんなアンセルフィッシュにプレーしている」と言った。
チームが最終的にどうなるかはピッチング次第だろう。オフにペリー・ミナシアンGMが手に入れたノア・シンダーガードとマイケル・ローレンゼンの2人の先発のパワーピッチャーは非常によくやっている。ブルペンのアーロン・ループとライアン・テペラの補強も良かった。
オータニは難攻不落と不安定が代わりばんこのように見え、2勝2敗、防御率4.19だ。打者としては3本塁打だが、86打席で25三振を喫している。
マドンはそのうちエンゼルスの調子が落ちることも分かっている。
マドン
「チームが調子悪くなった時、チームを助けられるように備えたいと思っている」
オータニは昨年よりももっと貢献できるはずだ。後ろにはトラウトがいる。レンドーンもいる。ロールプレーヤー達も揃っている。つまりそれは10月になれば、オータニはトラウトだけではなく他のプレーヤーを賞賛するチャンスがあるかもしれないということだ。
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