快刀乱麻の大谷劇場!ショータイム!
今日はさすがに辛口のコメントは出ないね(ちょっとあるか)。大谷選手の快刀乱麻、独壇場、Show Timeだった。
いきなりアストロズから6点を取ったのがまず非常に大きかった。アストロズ先発のオドリッジには気の毒だったが、今日は審判の判定がエンゼルスに吉と出た。特に2対0となって2死満塁でウェイドに3-1から与えた押し出し四球ね。キャンチングしたところは確かにストライクゾーンの外だが、ベースの一角をよぎっているように見える。ストライク判定でも全くおかしくない。
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ここで終わっていれば、次のベラスケスの1塁エラーでの得点も、大谷の2点二塁打もなくエンゼルスは2得点で終わっていたわけだから、1球の怖さを思い知らされるシーンだった。
キレ味抜群のスライダーとスプリットで三振の山
それでも今日の大谷には関係なかったかもしれない。中盤以降は抜群のキレ、制球のスライダーとスプリットで面白いようにアストロズ打線のバットが空を切る。3~4回の6者連続三振は圧巻だった。
こんな投球をされたらどんなチームでもお手上げだ。アストロズとしては大谷に球数を投げさせて早く降板させるしか方法がなかった。
大谷は6回1死までパーフェクトだったが、ここでカストロにフルカウントまで粘られ最後真ん中に入ったスライダーを詰まりながらもセンター前に運ばれヒットを許した。今日の唯一の失投がこのスライダーだった。2死後フルカウントからシリに四球を与え後続を抑えたが、この回だけで21球を費やし81球で降板となった。
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休みなしでマウンドに登ったことがパーフェクトが途切れた原因では?
しかし私は、6回の表のエンゼルスの攻撃の工夫のなさがパーフェクトが未完に終わった理由ではないかと思う。1死無走者で打席が回って来た大谷はシフトを見てガラ空きの3塁前へセーフティバント。ピッチャーが取ったが送球が高くヒットとなった。
問題はこの後だ。後続のウォードは三振。ウォルシュもセカンドゴロと何の工夫もなく大谷を1塁に釘付けにしたままでイニング終了。加えて大谷はピッチャーの牽制球のたびに何度も頭から帰塁していた。
つまり5回裏終了時にマウンドから降りるとそのままネクストバッターズサークル経由で打席へ向かって出塁し、イニング終了後は一塁から6回裏のマウンドへ向かった。この間全くベンチに座るヒマなし。これだけ休む間もなければ、コントロールも狂うしバットに当てられもするよ。この打席に限ってはセーフティバントなんかしないで一発狙いで許されただろうに。
もっとも、エンゼルスは初回の6点以降は淡泊な攻撃で試合は落ち着いてしまった。展開的に何とか追加点を上げてアストロズに完全に白旗を上げさせたいというのが大谷の読みだったと思う。
パーフェクトはファンの夢。プロなら行けるところまで行ってよ!(昭和のファンより)
試合終了後にマドン監督は「もしパーフェクトが継続していたら、ショーヘイが何球投げていようと引っ込めるつもりはなかった」と語った。いやー、男だね。こういう発言を聞きたかったよ。最近はプロの選手なのに、疲労がどうの将来がどうのと「気にしすぎ君」が多すぎる。
先日、ロッテの佐々木朗希投手が2試合連続でパーフェクトをやりそうになったが、井口監督は8回で降板させた。以前日本シリーズでやはりパーフェクト継続中だった山井投手を落合監督が8回で引っ込めた時には喧々ガクガクの議論が巻き起こったが、佐々木投手の時は肯定的な意見が多かった。
日本シリーズでの完全試合など今後誰かがやるかもしれないが(ワールドシリーズには記録がある)、2試合連続でパーフェクトなど大リーグにもない空前絶後の大記録なのに、それでも降板させてよかったと思っている人が多いのは自分には意外だった。
パーフェクトゲームはファンの夢だ。夢を売る商売がプロの野球選手なんだから多少疲れていたとしてもガーンと気合いで行けよと私は思ってしまう(昭和的感想だが)。もしそんな夢を見せてくれたなら次の登板まで間隔をちょっと明けてやるとかいくらでもフォローはできるだろう。
もっとも、マドン監督の「球数にかかわらず投げさせた」発言は試合終了後の「後出しジャンケン的」発言なのは否めないけど。
本当に球数の多さで投手は壊れるのか?
酷使で壊れた投手として思い浮かぶのはヤクルトの野村監督に酷使された伊藤智仁や、メジャーではシカゴ・カブスのダスティ・ベイカー監督に酷使された天才マーク・プライアーが思い浮かぶ。1993年4月デビューの伊藤智仁の全盛はわずか2ヶ月半だった。プライア-は2002年にデビューしたが酷使がたたり全盛期は2003年までの2年間。ベーカー監督は1998年にももう一人の天才ケリー・ウッドを酷使し、彼の全盛は1シーズンにも満たないわずか5ヶ月しかなかった。3人ともその後は壮絶な故障と格闘の野球人生を送った。
二人の天才を使い潰したダスティ・ベイカー監督は「壊し屋」のレッテルを貼られながらも今だにアストロズの監督として監督業を続けているのは皮肉としか言い様がない。それは野村監督も同じだった。
打者としても汚名返上
大谷は打者としても初回に回って来た第2打席で事実上ダメ押しのレフトフェンス直撃の2点タイムリーツーベースを放ち、昨日スタメンで一人だけノーヒットだった屈辱を晴らした。反対方向へ打球が飛びつつあるのは良い傾向。そのうちバックスクリーンに打ち込み始めると思う。
トミー・ジョン手術からのリハビリが完全終了か
今日の投球はトミー・ジョン手術後で最高だった。キャリアとしても2018年4月のホーム初登板でアスレチックス相手に6回パーフェクトで7回を投げ抜いたピッチングに並ぶか、それ以上のベストピッチだった。球速も昨年よりも全ての球種で上がっていた。
トミー・ジョン手術から3年半。ついに大谷のリハビリは完全に終了した――そんな感想を抱いた。クローザーのイグレシアスから最後のアウトのボールをそっと受け取ったのは彼の中にも「ようやくリハビリが終わった」という安堵があったからではないだろうか。
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