GQ Sports「オータニはいかにして野球の楽しさを復活させたのか」(その4)

GQがウェブ上で公開した大谷選手へのインタビューの日本語訳、パート4である。本稿の主題の一つでもある凋落している野球人気を取り戻す救世主に大谷がなれるのかと話を振ってくる。


我々アメリカ人にベースボール最高の時代を思い出させてくれるのはいつも日本のプレーヤーなのだろう。熱狂する試合の雰囲気、ちりばめられたスーパースター達、日本の野球にはアメリカのベースボールが25年前、50年前、75年前に、それぞれ持っていた魅力があふれている。その時代はベースボールこそがアメリカであり、プレーヤーは単に有名なアスリートではなく、最高のセレブだった。

新顔の野球選手でも名前が知られるようになって久しい。しかし昨年は、ある男が野球の可能性を再構築し、新しい時代の到来を告げ、個人のプレーヤーが試合でできる事の可能性を我々は目にすることになった。

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突き進むことに畏敬の念を覚えた。しかしご都合主義も同様だ。野球の救世主が待ち望まれていた。他のスポーツや、他のスター、秒単位で測定される他のエンターテイメントへ国民の関心が向かうことで脅かされていた野球への関心を呼び戻すのだ。それは熱い延長戦の戦いでも果てしなく繰り広げられる優勝争いでも実現できない。

これは完全に合理的な変化だった。野球は後回しにされて地位を落としてきた。しかしもし2021年は予告編だったとしたら、避けられないと思われていた運命が本当にひっくり返るだろうか?

ESPNの解説者ステファン・A・スミスは7月のFirst Takeの番組内でこう言った。

「あの男はスペシャルだ。それは間違いない。しかし英語をしゃべらない外国人のプレーヤー、通訳を必要とする男は、まさかと思うかもしれないが、試合のウケを考えれば、何らかの悪影響を与えると思う。必要なのはブライス・ハーパー、マイク・トラウトのような男達だ。
世界中からプレーヤーが集まってくると言う意味では野球はインターナショナルなスポーツということは理解している。しかしテレビや球場に人を惹きつける、そして実際に観戦するという点では、ナンバーワン・プレーヤーが人々に言いたいことを伝えるために通訳が必要な男だなんて何の助けにもならない」

スミスは最終的にはこのコメントについて謝罪する羽目になったが、アメリカのスポーツリーグのスターは英語を話すべき、そしていずれにしても誰か別の人間が必要という両方の主張で打ちのめされた。

ショーヘイにスミスのコメントをどう思うかと聞くと、彼は(皮肉なことに)私の質問を英語のまま理解し、かすかに笑い、日本語で答えた。

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「もし英語が話せるのなら、英語を話します。
もちろん英語を話したいとは思います。英語が話せるに越したことはありません。英語が話せれば有利な点はあると思います。でも私はここに野球をしに来たのです。最終的には、私のフィールドでのプレーぶりこそが人々やファンとのコミュニケーションになると思います。最終的にはそれが全てです。
日本では中学校、高校の6年間は英語が必修です。私がアメリカに来る前はその時間が英語に接する全てでした」

まるでたった今何かを思い出したかのように彼は笑いながらこう続けた。

「高校の英語の先生は、野球のコーチでもあったんです。今考えると、彼はあまり英語を話せなかったんだと思います。でも私は彼から英語を習い、テストも通してくれた。ちゃんと教えてくれたとは思いませんけどね・・・」
(ESPNのSportsCenterでしゃべれるようには教えてくれなかったのか。アメリカの隠れた野球ファンの元気を取り戻させるカリスマになるようには教えてくれなかったのか)

「日本の英語教育システム全体に文句を言うつもりはありませんよ・・・」

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