LA Times紙:肩をすくめるしかない凡庸なシーズン

シーズンが終わり、今年もエンゼルスはプレーオフ進出は逃した。6年連続で勝ち越せない。これからシーズン総括や今後の補強についての考察記事が出てくるだろう。

地元紙LA Timesはさっそく今シーズンを振り返って、肩をすくめるしかない、またしても諦めのシーズンが続いたと掲載した。一方でドジャースは地区9連覇こそ逃したものの、106勝56敗、貯金50というとんでもないシーズンを送り彼我の差は開くばかりだ。このままマイク・トラウトと大谷翔平という稀代のプレーヤーの全盛期をムダにしてしまうのだろうか?

記事の中に出てくるが、2009年ALCSでブライアン・フェンテスがA-ロッドに痛恨の同点ホームランを食った試合はよく覚えている。なるほど、あの試合がスモールベースボールで2000年代を席巻したエンゼルスの頂点だったんだろうな。クローザーには相手を圧倒するような威圧感が必要だと思うが、フェンテスも今のブルペン陣と同様抑えてくれるって雰囲気はなかったな。その頃からチーム構成がなーんかおかしくなっていった気がする。

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Another mediocre Angels season is met mostly by shrugs. Why? Because it was expected

またしてもエンゼルスは肩をすくめるしかない凡庸なシーズン。なぜって?だってわかっていたことだから

アナハイムにある地上で最も幸せな場所(ディズニーランド)から通り一本、最も悲惨な場所に行き着いた。そこはエンゼルスタジアムの名で知られている。昔、昔、とても遠い昔、ここでは実際に強くて、メジャーリーグレベルの野球が行われていた。現在のチームは落ちる一方で、どうしようもない野球を続けている。先の土曜日、2021年エンゼルスのファン感謝デーが行われたが、チームはファンの忍耐と忠誠心に対して何を提供すると言うのだろう?つまり多くのロクでもない試合にお金を払って見てくれたファンに対してのチームの感謝を計る上で、公正な対価として何を差し出すべきだった?ベンツの新車?ハワイへの航空券?

実際、ファン感謝デーの夜、エンゼルスは良い試合をして、30221人の観衆の前でプレーオフがかかるシアトルに対して14対1の大勝を収めた。多くのファンは試合後の花火ショーを見るために来ていたのというのが真相かも知れないが。

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もしチームの本拠地がフィラデルフィアで、こんなシーズンの最後にファン感謝デーを行おうものなら、選手も管理者も警察犬や防弾チョッキが必要だったかもしれない。でもここはアナハイムのエンゼルスなんだ。チームが5割近くの勝率に近づくなど、そこそこ良い兆候を見せれば、多くの人は肩をすくめるだけか、もしかしたら励ましの言葉さえ投げかけてくれるかもしれない。凡庸なレベルからも何ゲームも下という最終的な成績に落ち着く前、この夏は何度も5割に近づくことがあった。

エンゼルスというチームは、天候はパーフェクトで、スタジアムは美しくそしてきれいにメンテナンスされ、球場のホットドッグも本当に美味しい。勝ち負けというのは大きな問題ではないようにも見える。その結果7年続けてプレーオフに出られず、チームへの期待はどんどん下がっていった。加えて、勝利至上主義でポストシーズンに行くことこそが大事と考えるガチガチの野球ファンはドジャースの試合を見れば良いだけだ。

ああ、南カリフォルニアは野球の豊かさに恵まれている。ドジャースタジアムでの一球一球にテンションを上げるのもいい。エンゼルスタジアムで陽気な午後に子連れでピザやホットドッグ、アイスクリームを食べながら、試合に大して集中することもなく過ごすのもよしだ。エンゼルスの試合は家から外出する格好の言い訳になるのかもしれない。

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ガチなエンゼルスファンにとっては現実はイライラするものとなっている。エンゼルスは「来年に期待」的なチームの典型である。

マイク・ソーシアが2002年にワールドシリーズタイトルを取って以降、エンゼルスがメジャーレベルだった最後の瞬間は、その7年後のことだった。ア・リーグのチャンピオンシップをかけてヤンキースタジアムで戦っていた。延長11回、エンゼルスは3対2とリードし、アレックス・ロドリゲスはエンゼルスの変則左腕のクローザー、ブライアン・フェンテスにツーナッシングと追い込まれた。次の投球はあまりにも真ん中過ぎた。A-ロッドの打球は右中間の低いフェンスを越えていった。結局ヤンキースは13回に4対3でサヨナラ勝ちし、シリーズを2勝0敗とした。それからもう追いつくことはできなかった。

それ以来、アナハイムの栄光は遠ざかっていった。

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今ではアナハイムの野球は毎年のようにお決まりのパターンをたどっている。チームとしての前評判はいつも高くない。スプリングトレーニングでは言うだけタダで、それが楽しみ。6月までには目標はワイルドカードへとあっさり軌道修正。オールスターの頃にはチャンスに打てずに残塁の山。調子の出ない先発投手に代って勝負にならないリリーフ投手が出てくると、最初のバッターをまず歩かせる。ラスベガスではエンゼルスのリリーフピッチャー用に賭けを作らねばならないだろう。掛け率は最初のバッターを歩かせる方に2対1。

奇妙なことだが、フリーウェイでわずかのところにあるドジャースの存在がエンゼルスから熱を奪っているかもしれない。サンディ・コーファックス、ドン・ドライスデール、カーク・ギブソン、トミー・ラソーダ、ヴィン・スカリーらのレジェンドと対抗するふりすらできないだろう?メディアの取り上げ方が少ないことに愚痴をこぼすか、肩をすくめて南カリフォルニアの野球の話題に何とか乗り遅れない方法を見つけるしかない。そういう目的のためにはエンゼルスは良くやってきた。

ここ数年はファンは球界のベストプレーヤーが大ホームランを打ったり、センター付近でサーカスのようなキャッチをするのを見て何とかお茶を濁してきた。マイク・トラウトは常に入場料に見合う価値があった。今年彼が故障したのは高くついたが、ここ何年も健康だったし、長きにわたりMVPレベルのプレーを続けて、かろうじてポストシーズンの希望を持つことができた。

そして今、エンゼルスは別の話題に恵まれた。他の惑星から来た男ショーヘイ・オータニを加えたのだ。日本出身のこの男は投げるのも打つのもスーパースターレベルでこなし、全てのスポーツライターやスポーツキャスターにオータニの2021年シーズンは個人のシーズンとしては野球史でも最高と言わしめた。そう、それは正しい。

気づいてない人のために言うと、エンゼルスがオータニのプロモーションを行った回数はチームの延長戦での勝利数よりも多い。オータニ・Tシャツナイト、オータニ・パジャマナイト、オータニ・マニキュアナイト。試合に負けてもプロモーションでは勝つ。

つまりエンゼルスのプロモーション部隊はトラウトに続いてオータニでまたも優勝。素晴らしいことだよ。二人の偉大なプレーヤーを利用する最高の仕事さ。でもいつになったらそれが勝利やポストシーズン進出に結びつくんだ?いつになったら多くの時間をディズニーランドから道一本の所で費やしてきたファンはジェットコースターのようなプレーオフのスリルを味わえるんだ?

ジョー・マドンはベテラン監督で、間違いなく監督としてふさわしい男で、木を見て森を見ずということはないようだ。先週彼はデヴィッド・フレッチャーのゴールドグラブ賞とオータニのMVPを後押しするために試合前のメディア取材を利用することをやめた。曰く、基本的には選手をくるくる交代させることに疲れたらしい。

マドン監督
「うちのチームはこんなもんじゃない」

彼はマドン流の静かなやり方で、誰かの胸ぐらをつかんだ。それが誰かは明らかになっていないが、マドンは間違いなく情勢をよく把握していた。

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彼がそう言った晩にもかかわらず、こともあろうか野球界の嫌われ者のインチキチーム、ヒューストン・アストロズにまたしても大敗を喫した。

まばらな、14863人のガチなファンの前で、7回に5点取って5対3とリードした。トイレに行って戻ってくる間にアストロズは同点にしたが、延長でエンゼルスはノーアウト満塁のチャンスをムダにし、12回にアストロズが4点取って店じまいとなった。

エンゼルスファンにとってそれはいつものことだった。2021年シーズンもまたディズニーランドチームはデコボコ道となり、毎年のことだがエンゼルスタジアムはホーンテッドマンションになってしまった。

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5件のコメント

  1. 「ホーンテッドマンション」笑わずにいられない。
    メッツがGMにしようとしていたエプスタインを諦めたみたい。
    ミナシアンの首を切って、エプスタインにしたいなぁ。

    1. オーナーのGMの選定基準の一つが自分のコントロールが効くことだと思うので、エプスタインを採っても変わらないと思いますね。まあ、フリーハンドのないGMオファーなんかをエプスタインが受けるとはとても思えないですけど。
      身売りはあり得るかもしれませんが、相続にしろ引退にしろ、オーナーが代替わりして息子にやらせるのが1番ありそうなシナリオかもしれません。

  2. 去年のオフの状況は特殊だったので、
    ミナシアンGMの評価は今オフ以降の働きによって下されるべきと思います
    マドンとの関係、大谷やプロスペクトの起用法、ドラフト。シーズン中のGMの働きは必ずしもベストとは言えないかも知れませんが、上手くやれている方だと思います

    今GMを変えたらまた振り出しですよ。

    1. おっしゃる通りミナシアンを評価するのは今オフからでしょう。レンドーンの評価も来期ですね。さすがにプーホルスやハミルトンほど一気に劣化するとは思えませんが、彼もお金はともかく、野球人生のかかった大事なシーズンになりますね。

  3. 今シーズンはPS進出よりも勝ち越ししてシーズンを終えてもらいたかったです。
    これからのオフにFA選手の獲得の際に、選ぶ側がPSに行ける実力のある球団と難しい球団では
    PSまでは届かなくても勝ち越しで成績を収めていれば優位に働くからです。
    (当時アストロズのゲーリットコール選手もエンゼルスよりヤンキースを選んだ遠因にPSに行ける実力が高い球団からと聞いてます)

    7月まではそれでも勝率5割を行ったり来たりの成績とはいえ、
    あの時点で投打共に補強をするべきであったと思いますし、
    大谷が抜きん出た成績と同様に本来の強みであった打撃陣の故障が目立ったために
    大谷の攻撃を避けたら後の打席は大したことはないと見透かされ敬遠四球で勝負を避けられたのが
    9月の試合で思ったことです。

    (パドレスのように)補強したからといって来年確実にPSに行けるとは限らないですが、
    せめて大谷選手がエンゼルスから移籍したいと言われないよう
    来年はワイルドカードに出場できる成績を収めるられるように期待はしています。

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