大谷がエンゼルスを出ることはないと信じる7つの理由

MVP確実と言われる爆発的な活躍を続ける大谷選手。選手としての価値も爆上がりで、あと2年少しでFAになることから早くも移籍が取り沙汰されるほどだ。ここ何年もエンゼルスの成績がパッとしないこともあって「ドジャースやヤンキースなど有力球団へ移籍した方がいい」という憶測記事も多い。

現在の大谷の年俸とチームだが

    • 2021年 300万ドル(エンゼルス)
    • 2022年 550万ドル(エンゼルス)
    • 2023年 調停権あり(エンゼルス)→シーズン後にFA
    • 2024年 FA(未定)

2023年の年俸はエンゼルスと交渉することになるが、トレードされない限りチームを変わることはない。2023年が終了すればFAになるので好きなチームへ移籍することができる。

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エンゼルスと大谷は2022年中に長期契約する

しかし私は「大谷はFA権を取得してもエンゼルスから出て行くことは100%ない」と確信している。私の予想では2022年中にエンゼルスと長期契約を結ぶだろう。大谷は28歳になっているが、契約期間は6-7年が妥当なところだろう。

2023年のオフまで交渉を先延ばしにすることは可能だが、そうなると2022年1-2月頃にその年の年俸交渉を行って、オフに契約延長交渉することになる。年俸調停になるとどちらかの言い分が100%通ることになるが、現在の大谷の実績を考えるともはやバーゲン価格での契約はありえない。それに何度も交渉を行うことは大谷への印象も悪い。なのでエンゼルスは年俸調停前に長期契約の交渉をしてしまうだろう。トラウトもそうだった。大谷にとってはそれまで大きなケガなく過ごすことが重要になる。健康であれば4000万ドルを超える史上最高の年俸となる可能性も十分だ。

私が大谷がエンゼルスに残ると確信する理由だが、球団サイド、大谷サイドそれぞれの視点で眺めてみたい。

エンゼルスの視点で見た大谷と契約延長する理由

1)大谷は投打で欠くことのできない戦力

メジャー屈指の長打力のある選手に成長
大谷の打者としての能力は今季十分に証明された。OPS 1.000を超え、ホームラン50本を狙える長打力はメジャーを代表するパワーヒッターである。打力だけでも2000万ドル以上の価値はある。

エンゼルスの渇望する計算の立つ先発投手
一方先発投手としても今季はエンゼルスでもっとも安定感があり、デ・グローム、シャーザーといった球界を代表する投手に比肩する能力があることを見せてくれた。勝ちを計算できる先発の不足するエンゼルスでは最も計算の立つ投手になった。二刀流遂行のためイニングイーターになれないことが唯一のマイナス要素だが、プレーオフのような重要な試合では大谷中心のローテーションになることは間違いない。投手としての価値も2000万ドルは下るまい。

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投手登録13人制限の例外
メジャーではベンチ入りできる26人中、投手は13人までと決められている(2021年はコロナのためこのルールは実施されていない)。しかし大谷は現実的に唯一のTwo-Way Playerとしてロースター登録されることになり、メジャーで大谷のいるエンゼルスだけが投手を実質14人登録できる(投手13人、Two-Way1人、野手12人)。これはエンゼルスにとって大きなメリットである。

2)大谷の生み出す莫大な営業収入

観客動員に大きく貢献
エンゼルスの試合では大谷が出る試合と出ない試合では明らかに観客の入りが違う。特に先発で投げる試合は観客が増える。また大谷がモチーフのギブアウェイがもらえる日は長蛇の列ができるほど観客が押し寄せる。現在はコロナ禍で日本からの集客は期待できないが、来年以降渡米のハードルが下がれば日本から大谷目当ての観光客が押し寄せるはずだ。またチームストアでも大谷関連グッズの売上は圧倒的な1位を誇っており、球団の収益に大きく貢献している。

エンゼルスは今年も9月以降は実質消化試合になりそうだが、大谷の活躍を目当てに来場するファンが相当数いるので、営業収入の落ち込みも大谷加入以前よりはだいぶ縮小されるだろう。

日本からの広告出稿が増大
エンゼルスタジアムの広告にも日本企業が増えた。従来からのトヨタ、ヤクルト、横浜タイヤ、ニットータイヤ、コニカミノルタなどに加えてゲーム会社や商社、JAL、焼肉「叙々苑」、布団の「西川」、くら鮨、サッポロ一番、ハイチュウの「森永製菓」など大企業から中小企業まで幅広い業種から広告が集まっている。これら大谷が球団にもたらす広告収入も莫大なものになる。

3) チームの資金力は十分

エンゼルス最大の収益源はFox Sports(現Bally Sport)と2011年に結んだ20年間のテレビ中継契約だ。エンゼルスは2031年まで毎年150ミリオンの収入が保証されている。

そこにチケット売上、広告収入、グッズ売上などが加算される。現在はコロナ禍でやや収入は落ちているものの、通常の年ならエンゼルスの総収入は370-380ミリオンと見積もられている。

現在エンゼルスの抱える長期契約はトラウトが年俸3700万ドル(2030年まで)、レンドーンが2800万ドル(2026年まで)、アップトンが2300万ドル(2022年まで)、DFAしたプーホルスの3000万ドル(2021年まで)があるが、プーホルスは今年で、アップトンも来年には終了する。そうなれば大谷との長期契約に使える金額の自由度はかなり上がる。エンゼルスにとって大谷との契約をケチる理由はないのだ。

ただし、もし大谷と長期契約を結んだら、レンドーンとの契約が終了する2026年までは他のFA選手との長期契約は難しくなるだろう。トップ3人だけでチーム総年俸の50%というのはあまりにもバランスが悪く、それ以上の悪化は避けたい。

以上からエンゼルスが大谷を失うことのデメリットは計り知れない。球団としては何が何でも契約延長したいだろう。

大谷の視点で見たエンゼルスと契約延長する理由

4) 二刀流を続けるにはDHのあるア・リーグ一択

大谷の最近のインタビューや発言を聞いていると、二刀流を心からエンジョイしているのがわかる。本人も以前は「そのうち投手に専念する時が来るんだろうな」と感じていたらしいが、自分の想像以上に打撃が良くなったため、二刀流の遂行は本人にとっても最大の目標となっているようだ。コンスタントに打者として出場しながら投手としても登板する。具体的には打撃3冠のタイトルを狙いながら、サイ・ヤング賞も狙えるような投手成績を上げることを目指しているだろう。

そうなるとDHのあるアメリカン・リーグのチームしか考えられない。現在でもインターリーグでナ・リーグ球場の試合では代打でしか登場しない。今年のようにごくたまにやるならともかく、常時外野や1塁を守るとなればさらに負担は増す。守備練習の時間も必要になる。さすがにこれ以上の練習を大谷に課すのは酷というものだろう。

そういえば2017年オフに大谷の争奪戦が起きた時、ドジャースのプレゼンの席に呼ばれたカーショウやターナーはその時のことを振り返って「大谷は心ここにあらずで、ナ・リーグのチームには端から興味はなさそうに見えた。我々の出席は壮大なムダだった」と語っていた。

参考:LA Times紙:負け犬の遠吠えか?カーショウらが語った大谷争奪戦(2018年3月9日)

二刀流をあきらめたのならともかく、投打でメジャーでも一級品という能力を証明し、二刀流での出場が前提となった現在では、ドジャースやメッツ、カブス、ジャイアンツ、パドレスのような資金力があるビッグマーケットの球団でも、DHがないナ・リーグでは大谷を入団させるのはまず不可能だろう。

5) 二刀流に対する首脳陣やチームメートの理解

現在の大谷の投打の存在感を考えると、エンゼルスで大谷に物申すチームメートや首脳陣は誰もいないだろう。誰もが大谷を認め二刀流の調整方法に理解を示す。仮にある選手が大谷の特別待遇に不満を持ったとしても、大谷やチームに不満をぶつけるのではなく、自分がチームを去るという選択をするだろう。それくらい大谷はエンゼルスで絶対的な選手になりつつある。

しかしこれが他チームへの移籍となると話が変わってくる。そこにはすでにチームの顔となる選手がおり、大谷は新参者にすぎないので、またイチから実績作りをしなくてはならない。特に中5日のローテーションを絶対に崩したくないというような大物投手がいれば、大谷にとって二刀流としての調整/出場はやりにくいものとなるだろう。大谷から見てエンゼルスに解消し難い不満があるならともかく、自分のやり方を100%認めてくれる今のチームを出て、新しい環境へ飛び込むメリットがあるとは思えない。

6) ロサンゼルスのマイルドで安定した気候(特に夏場)

高温多湿の東海岸や内陸部の試合はタフ
マドン監督から練習のしすぎを指摘された大谷は、今年は練習量をセーブしゲームと練習を合わせたトータルで運動量を決めているという。二刀流を続けるにはシーズン通して戦い抜く体力を計算しなくてはならない。

先日ボルチモアで行われたオリオールズとの試合に先発した大谷は大汗をかいて、見るからに体力を消耗していた。結局キャリア最多の3本のホームランを打たれ、5回4失点で降板した。大谷にとって最大の敵は疲労とケガだ。高温で湿度の高い東海岸や内陸部の夏は日本の夏に似ていて、そこでの連戦は厳しいものとなる。

ロサンゼルスの夏は暑いイメージがあるが、実際は湿度の低い砂漠型の気候なので日陰に入れば真夏でもほとんど不快さを感じない。また沖合を寒流が流れるロサンゼルスの海からの風は冷たく、海風が吹き込むエリアにはエアコンのない家も多い。ちなみにオレンジ・カウンティにある私の自宅にもエアコンはないが、エアコンが欲しくなる日は年に10日もない。それくらい夏の気候は快適だ(もっとも、海から10kmも離れるとエアコン必須になるのだが)。

もしヤンキースなどの東地区の球団に所属すると、一年のほとんどが東地区、中地区での試合となる。2021年の場合、ヤンキースは全162試合のうち西海岸で戦うのはわずか10試合に過ぎない。暑さの厳しい7、8月に限れば53試合中44試合が東地区か中地区での試合だ。一方エンゼルスは7、8月の52試合中34試合は西海岸でプレーする。エンゼルスタジアムのあるアナハイムは真夏でもナイトゲームは極めて快適であまり汗もかかない。この東西の気候の違いは選手の消耗度に大きく影響する。

西海岸は天候が安定しており、中止や中断がない
シーズン中のロサンゼルスはほとんど雨が降らないので試合の中止や降雨中断はまず考えられない。中止はまだいいが、試合前や試合中に雨がやむのを何時間も待つことは選手にとって大変だ。二刀流で他の投手よりも繊細な調整が必要とされる大谷にとって、雨天の中止、中断がしばしばあることは好ましくないことだろう。

夏でも湿度が低く快適、雨がほとんど降らずスケジュール変更がない、そんな西海岸の気候は大谷にとって重要な要素だろう。となるとヤンキース、レッドソックスのような有力チームでも東海岸のチームに行くメリットはないだろう。

大きな日本人コミュニティがあり、日本食もふんだんにある
大谷はあまり日本人コミュニティの存在は気にしないだろうが、それでも多くの日本食スーパーやレストランがあるロサンゼルスは生活する上でのアドバンテージだろう。マエケンやかつての黒田のように家族だけ西海岸に置いて自分は単身赴任という選手も多いのはそういう理由もある。

7) 何よりも大谷にとってお金は二の次

結局の所、大谷は契約の金銭面にはこだわりをみせないはずだ。大谷の価値は年俸4000万ドルとも5000万ドルとも言われるが、2500でも3000でも大谷は不満はないと思う。契約期間は気になるだろうが。
しかし大谷の代理人ネズ・バレロ氏にとってはそうは行かない。大谷の契約は全米が注目している。もし「格安」と言われるような契約を結んでしまったら彼の代理人としての評価はガタ落ちだ。今後大物選手は誰も彼と代理人契約してくれないかもしれない。自分のメンツを賭けてエンゼルスとギリギリの攻防を繰り広げるに違いない。

そうだとしても最終的に決断するのは大谷だ。大谷が「それでいいよ」と言えばエンゼルス残留が決まるのだ!それは来年なのか、再来年なのか?

 

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4件のコメント

  1. はじめてコメントさせていただきます。
    今年、大谷選手のファンになったMLB初心者です。
    DH制が来年ナ・リーグのほうにも採用されたら、大谷さんが、ドジャースやパドレスに行く可能性も出てくると思いますがいかがでしょうか。
    エンゼルスにすっかり馴染んでいるように見える大谷さんですが、個人的にはワールドシリーズを狙えるチームで活躍してほしいという気持ちもあります。

    とりあえず、何より大谷さんがこのまま健康でシリーズを終えてしまうことを願うのみです。

    1. 確かにDHがナ・リーグでも採用されれば話は変わってきますね。しかしそれでも可能性ゼロだったのが、可能性としてはある、というレベルに変わる程度ではないかと思います。DH以外にももし移籍を考えるとすると移籍先での二刀流に対する方針など不透明な部分は多いので、可能性は非常に低いと思います。

  2. トラウトの足の状態次第ではDH枠をトラウトにも回さなければならない状態になり、大谷がチームを去る可能性が出てくるのではと懸念します。トラウトはセンターを希望しているようですが、30歳を過ぎると身体のどこかに故障が出てきそうで心配です。

    1. 仮にトラウトがDHを希望しても、専任になるのは5年くらい先の話でしょうから大谷との契約は問題ない。DHしかできない大谷はどこのチームへ行っても同じような問題は出てくるでしょうから、本人も織り込み済みでしょう。ただしトラウトのレフトへのコンバートは十分可能性ありますね。早ければ来シーズンからでも。

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