USA Today紙「我々は大航海時代にいる」(その3)

USA Today紙の敏腕記者ボブ・ナイチンゲール氏の記事。プーホルス、マグワイア、レジー・ジャクソンなど数々の球界レジェンド達の大谷選手に対する声をちりばめた出色の記事の日本語訳の最終回。

マグワイアが言うように、大谷が二刀流という可能性の扉を開けた今はメジャーの大航海時代なのだ。二刀流という目の前に広がる新大陸。その先駆者である大谷は3年後FAとなる。果たして先駆者としてどれほどの報酬を得ることになるのかについても触れている。

しかし最後にマドン監督が言っているように、我々は過去や未来のことを考えるよりも、現在の大谷選手のプレーに集中し、楽しむべきだと思う。目の前でかつてないほどの壮大なショーが起きているのだから。

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原文
https://sports.yahoo.com/were-uncharted-waters-historic-first-171612942.html


‘We’re in uncharted waters’:
After historic first half, Shohei Ohtani has MLB legends wondering what’s next

「我々は大航海時代にいる」
歴史的な前半戦を終え、ショーヘイ・オータニを見たMLBのレジェンドたちは次に何が起こるのか驚きを隠せない

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(その2の続き)

マグワイアと他のプレーヤーもオータニの成功は多くの二刀流選手のドアを開けたと信じている。なぜできないと決めつける?オータニは二刀流が可能なことを全てのアスリートに示している。

シンシナチ・レッズのマイケル・ロレンセンは外野をやることもあるリリーフ投手だ。タンパベイ・レイズのブランダン・マッケイも二刀流だ。

グリフィー
「過去に二刀流をやろうと思った選手も多くいただろう。しかしそれは許されないことだった。[カブスのショートだった]シャウォン・ダンストン、[ドジャースの右翼手だった]ラウル・モンデシー、彼らはものすごい強肩を持っていた。彼らはピッチャーもやればよかったのにと思うが、今さらの話だよ。でも今はやろうと思えばできる」

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もちろん、ピッチングのストレス、遙かに増大する故障のリスクを考えると、偉大な選手の中には、もしオータニが打者専任だったらどれだけのことを成し遂げられるかを見てみたいという者もいる。

ジム・トーミ[ストライキのため8月でシーズン終了となった1994年に32本のホームランを打った]
「ホームランを50本打ち、130打点を上げられそうな年になぜ故障の危険を冒す。エンゼルスが投手を必要としていることは知っているが、でもね・・・投手はどこからか探して来いよ。オータニにはとにかく打たせろ。オータニはあの強肩、俊足、そして本能、最高の右翼手だろう」

プーホルス
「いつの日かオータニは選択を迫られると思うよ。それは大いなる損耗だ。もし彼がヒッティングに専任すれば、シーズン60本かそれ以上打てると思う。本当にそう思っている。打撃に専念させた方がエンゼルスは得るものが多いだろう。しかしオータニが二刀流を希望し、健康である限り、それをオータニから取り上げる必要はないだろう?」

レジー・ジャクソンは練習で打撃投手を務めたことが原因で肩の手術が必要になったことを覚えていて、オータニが二刀流をやりつづけられると信じるのは難しいと語る。

レジー・ジャクソン
「投球と打撃が彼にとってどのような影響を及ぼしているのかは私にはわからない。実に驚くべきことなんだ。私にはそれがどれだけハードなことなのかもわからない。私は打撃投手として15分投げただけで、痛みと疲れを感じた。オータニは98マイルを投げるんだろう。アメージングだ。でもどのくらいの期間彼はこれをやると言うのだ?」

マグワイアはオータニは大学野球のプレーブックを手本にしたらいいかもしれないと言う。毎日右翼手で8イニングプレーし、50-60本のホームランを打つ。そして9回にはマリアーノ・リベラ[ヤンキースでプレーした史上最高のクローザー]になり試合をクローズする。

マグワイア
「オータニならやりかねないよ。どうしてできない?9回に登場する前のイニングの合間に、オータニのウォーミングアップのために外野でトラウトをキャッチャー役として座らせる。すごいことじゃないか」

過去40ホームラン、40盗塁を達成したのは4人いるが、50-50は誰もやったことがない。オータニのパワーとスピードがあれば、彼が50-50ができないと誰が言えようか?

そんな数字を思い浮かべるだけで、人々は幸せになるじゃないか。

オータニが今の調子を続けていれば、2023年シーズン後にFAとしてどういうことになるか想像できるかい?年俸調停で記録更新する?彼の年俸は今年は3ミリオン、来年が5.5ミリオン、そして2023年は年俸調停権が残る年で、その後フリーエージェントになれる。

400ミリオンなんて忘れてくれよ。史上初の500ミリオンプレーヤーになるかもしれない。

マグワイア
「先日彼の契約のことを知り、今後のことを想像してしまったよ。FAでどのくらいの契約をゲットするだろうね。彼のやっていることは前例がない。それをどう評価すればいい?青天井だろうね。
彼が日本から来たときのことを覚えているよ。2年待てばFA扱いで入札合戦にすることもできた。そしたら一度もメジャーでプレーすることなく200-300ミリオンを得られただろう。でも彼はメジャーリーガーになること選び、驚かされたよ。彼は自分に自信があったんだろう。日本を早く出てきたんだ。まあ、今の彼を見ろよ。
エンゼルスが彼とどのような交渉をするかはわからない。その資金力はあるのかね?300ミリオンプレーヤーですらやっていないことをオータニはやっているからね。
我々は大航海時代にいるんだな。彼がちゃんと酬いられることを願っているよ」

でも今の時点で、どうして将来のことを心配する必要があろうか?今を味わおう。なぜだって?今ほどすごい時代はかつてなかったんだから。

ジョー・マドン監督
「人間は常に過去を美化してしまう。そして時として目の前で起こっていることを見逃してしまうものなんだ」

(終わり)

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