USA Today紙「我々は大航海時代にいる」(その2)

USA Today紙の敏腕記者ボブ・ナイチンゲール氏の記事。プーホルス、マグワイア、レジー・ジャクソンなど数々の球界レジェンド達の大谷選手に対する声をちりばめた出色の記事の日本語訳の第2回目。

今回はオールスター前に年間60本ペースでホームランを打っても後半は相手投手の攻め方が変わり、具体的にはなかなかストライクを投げてこなくなって、思うような打撃が出来なくなることを懸念している。

原文
https://sports.yahoo.com/were-uncharted-waters-historic-first-171612942.html

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‘We’re in uncharted waters’:
After historic first half, Shohei Ohtani has MLB legends wondering what’s next

「我々は大航海時代にいる」
歴史的な前半戦を終え、ショーヘイ・オータニを見たMLBのレジェンドたちは次に何が起こるのか驚きを隠せない

(その1からの続き)

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メジャーの歴史で1シーズンでホームランを60本打ったのは5人しかいない。

バリー・ボンズ、マグワイア、ソーサ、ロジャー・マリス、ベーブ・ルースだ

そしてマリスとルースだけがステロイドの使用を認めたり、疑われたりすることなくこの偉業を達成している。

もしオータニが62本打てば、クリーンなホームラン・キングという称号を手にするのだろうか?

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レジー・ジャクソン
「私にはわからない。オータニがやっていることは信じられないし、特にピッチャーをやりながら打ってるというのはね。でもボンズが2001年にやったことはステロイドだろうがそうでなかろうが、やっぱり最高かもしれない。私が言いたいことは、彼は177回も歩かされて、なお73本のホームランを打ったということだ。投手がまともに勝負していたら何本打っていたか想像できるかい?今後もあれほどの猛打は二度とお目にかかれないと思う」

話を戻そう。オータニのような選手は二度と現れないかもしれない。もしオータニが60本クラブのメンバーになったら、今シーズンは銀河系の外まで大騒ぎになるだろう。オールスター前に年間60本ペースで打った選手は大勢いたが、実際に成し遂げたのは2001年のボンズとソーサが最後だ。

ジム・トーミ
「オールスターブレークまでに打ちまくった選手は大勢いたが、後半になるとピッチャーもマジになるからね。投手は打者の夢を打ちくだくのさ。オータニは50本か60本かよくわからないがそのくらいは打つと思う。でも投手の攻めは全く違うものになるはずだ」

これから酷暑がやってきて、突然大谷に疲労が襲いかかるときがあるかもしれない。60本クラブのメンバーにその年に1球でも投球した選手は誰もいない。言うまでもなく大谷は6日おきに投げるのだ。パンデミックのおかげで記者がクラブハウスの中に立ち入ることは禁止されているが、メディアが押し寄せるのは避けようがない。

レジー・ジャクソン[1969年のオールスター前にジャクソンは23歳で37本のホームランを打ったが、後半は10本に終わった]
「自分が23歳の時のことを思い出すよ。プレッシャーに抗する術を全く持っていなかったんだ。人々はベーブ・ルースの記録を破るかどうかという話題に集中した。自分はまだ幼すぎた。その時自分が28-29歳だったならプレッシャーとうまく向き合えただろうし60本打てたかもしれないが、私には早すぎたんだよ。オータニはプレッシャーには強いかもしれないがね」

ケン・グリフィーJr.はオールスター前に30本のホームランを3度も打っている唯一のプレーヤーで、ア・リーグの本塁打王を4回取っているが、最高は56本だ。

グリフィーの主張ではホームラン数が増えなかったのは精神的な問題でも、肉体的な問題でもなかったが、後半になると投手は異なる攻め方をしてきたという。

グリフィー
「疲れは全く関係ない。打てる球がどんどん減っていくんだ。4月にオレが何本ホームランを打とうが気にするヤツはいない。でもシーズンのホームランの記録の上位にいる選手達を追い抜き出すと、投手は注意を払い始めるものなんだ。彼らの集中力が上がってくる」

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ジム・トーミ[2006年オールスター前に30本塁打を打ったが、最終的には42本で終わった]
「 対戦チームはバッターを檻に閉じ込めておこうとし始める。みんなオータニが打ちまくってると知ってるからね。今後も今までのような投球をしてもらえるかな?」

もちろん、オータニはオールスター前30ホーマークラブの人間が誰も知らない負担にも直面している。

彼はピッチャーなんだ。

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確かに彼のDHの仕事は野手よりも楽かもしれないが、それでも彼はブルペンで投げなくてはならないし、バッティング練習もして、ビデオを見て、対戦相手のピッチャーとバッターの両方のチャート分析もしなくてはならない。

マイク・トラウト
「その通りだ。DHは楽さ。でもメンタル的にはキツいよ。僕は投手陣と話すし、先発した後で彼らがどのようになるか見ているけれど、疲れ果てているよ。乾き切って消耗しているんだ。オータニは先発してなお、ホームランを2本打つんだよ」

誰にもわからないことだが、おそらく二刀流の選手だけがオータニに寄り添えるのかもしれない。スラッガーの中には、オータニが打席またはマウンドで苦しんだときにストレスから解放してやることを示唆する者もいる。

ジム・トーミ
「投打それぞれに必要な自分のルーティンによって彼は調子を整えている。そのために彼は余計なことを考えなくても済むのではないだろうか。その場合オータニ自身に影響するものが何なのかは私にはわからないがね」

確かに、トミージョン手術と前腕部の故障の後、2019年と2020年にオータニはわずか2回しか先発しなかった。彼は実質バッター専任だった。その2年間(537打数)で打率は .259、本塁打25本、OPSは .793だった。

ジム・トーミ
「8月の猛暑に入ったときにオータニがどうなるかについては疑問が残る。暑い時期に入れば誰もがうずきや痛みを身体に感じるようになるのだから。それでも私は彼を見るのが大好きだ。なぜなら彼は野球に対して強い敬意を払い、野球を愛している。そして子供達に自分も二刀流がやれるかもしれないという夢を見るチャンスを与えているのだから」

(その3に続く)

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