LA Times紙:マドンは単純に「野球をやらせる」アプローチで二刀流を育てる

昨日の大谷選手の衝撃のリアル二刀流を受け、米国のメディアも大騒ぎになっている。二刀流に対する懐疑的な意見は声を潜め、今後はエンゼルスがどう二刀流を使いこなしていくかに焦点が移った感じだ。

多くのコラムの中から地元紙LA Timesの記事の日本語訳を紹介したい。


Joe Maddon nurturing Shohei Ohtani’s two-way promise with ‘play baseball’ approach

ジョー・マドンはショーヘイ・オータニの二刀流の将来を「野球をやらせる」というアプローチで育てていく

ジョー・マドンは言った「ショーヘイ・オータニにプレーさせる。そして彼はその通りのことをした」

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エンゼルスの監督はオータニが先発した試合で、単に2番を打たせただけではなかった。昨晩のホワイトソックスとの試合(7対4で勝利)で、オータニがピンチを脱出するあらゆる可能性を彼から得ようとしていた。

手短に言えば、そのやり方は期待とは逆に働き、5回にオータニは3点リードを守れず、ホームベースをカバーしたときにスライディングしてきたホセ・アブレイユから吹っ飛ばされた。

しかしそれは問題ではない。

マドンは自分の選手に正しいことを行ったのだ。

もしオータニの二刀流挑戦が究極的に成功するとしたら、5回に起きたことがその回答になるだろう。

オータニのトラブルの最初の兆候が出てもマドンはオータニを引っ込めず、2番目、3番目の兆候でも動かなかった。

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5回表にエンゼルスは3点リードを保っており、オータニがアダム・イートンを歩かせて2死1、3塁にしても、まだアブレイユと勝負させた。

オータニがアブレイユを歩かせて満塁になっても次のモンカダとも勝負させた。

その理由は明らかだ。オータニは初回にホームランを打ち、ホワイトソックスを4イニング零点に抑えた。マドンはオータニに勝利を付けたかったのだ。

オータニ
「ありがたいと思っていました。状況を考えると、交代させられても不思議ではない状態でしたが監督は投げさせてくれました」

投手の「勝ち星」の価値は最近の研究ではどんどん下がっているが、オータニは最後の勝ち星から3年も遠ざかっており、勝ち投手になるというのはオータニにとって特別な意味があった。

モンカダへの2つのワイルドピッチによって3点のリードは消え、オータニは静かにフィールドを去っていった。

特にオータニにとっては、このケースでは結果よりも何が起きたかの方が遙かに重要だ。オータニはアブレイユとの交錯でケガはなかったと語った。

マドン監督
「オータニのボールを見たか?思い通りに投げられていた。成長の証だ」

昨日の試合で試されたメジャー初のリアル二刀流がシーズンを通して行えるかどうかの判断は、オータニがマドンをどれくらい信用しているかにかかっている。オータニは自分がどのように感じているかをマドンに包み隠さず伝える必要があるだろう。

それは見た目ほど単純なことではない。オータニとマドンは立ち位置も考え方も違う。

言葉や文化の違いは日本人選手とチームの間にしばしば相互不理解を呼ぶ。マドンは野球の監督としてどちらかと言えば相手の心理を読むのに長けた監督だが、それでもオータニの考えをすべてわかるわけではない。

試合前にマドンが大谷に尋ねると「投げる日にも打ちたい」と言ったことを思い出して欲しい。マドンは大谷はいいピッチングをすることが打席での自信にもつながると考えた。

それはオータニ個人の理由ではない。オータニは何でも自分の責任と考える日本社会から来ている。チームメートが得点を取ってくれた時は投球が慎重になってしまう。なぜならその点を失ってもいいリードとは考えられないからだ。自分で打って取った点ならばそういう風には考えない。

オータニ
「自分で取った点ならば、自分の仕事の結果だと自信を持って考えられる。そしてマウンドでさらに攻撃的に行ける」

このような考え方の相違に害はない。しかしすべての相違に害がない訳ではない。

マドンがオータニに今年言い聞かせていることは単純なことであるが、その重要性を示している。

マドンはオータニに単純にプレーしろと言っている。

マドンのメッセージの明快さが二人の間のバリアを乗り越えた。

マドンから自由を与えられたことについて聞かれたオータニは「自由どうこうよりも、いいプレーをしようとかあまりに神経質にならなくてすみ、ゲームと自分のパフォーマンスを単純に楽しむマインドセットを持てることがありがたいと思います」

5シーズンに渡り、オータニは日本の日本ハムファイターズでプレーし、リアル二刀流を17回経験した。その時の彼の成績は10勝2敗、防御率1.37。打率は .314だ。

それを思い出して、オータニが何か基本的なことを再発見したとマドンは考えた。故障にまみれたフラストレーションだらけのエンゼルスでの3年を経て、かつての自分のゲームを思い出す必要があった。

マドンは同一試合でピッチングとバッティングをやることが何らかの助けになると結論づけた。マウンド上と打席でともに責任を負うことで、大谷は考えすぎることがなくなった。

マドン
「ただ投げ、ただ打ち、ただ野球をプレーすることが必要だったんだ」

オータニはそのようにプレーし、まるでリトルリーグに戻ったように見えた。オータニはホワイトソックスを100.9マイルに達する速球で手玉に取った。初回の打席でディラン・シースの97マイルの速球をぶっ叩いてライトスタンドの中段まで運んだ。

ゲームがタイスコアに戻ったとき、マドンはオータニに言い聞かせていたことを実行した。つまりオータニにプレーを続けさせたのだ。

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