OC Register紙「オータニは二刀流復活の準備はできたか?」

エンゼルスの開幕のプレーボールまであと4時間あまりと迫った。昨年はずっと無観客だったので、ファンがスタジアムで試合を見られるのは1年半ぶりのことだ。待ちきれないとはこのことだ。多少のロースターの変動もあったが、26人のメンバーも決まりいよいよホワイトソックス戦に挑む。

エンゼルスの鍵を握るのはやはり大谷選手以外にない。特に投打の二刀流でどのくらいのインパクトを与えられるのか、エンゼルスがポストシーズン進出できるかとうかの運命は大谷にかかっていると言っても過言ではない。

地元紙OC Register紙が大谷選手の二刀流復活についての記事を載せた。日本語訳を紹介したい。

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PS
昨日オレンジ郡オレンジ市において銃撃事件が発生し9歳の子供を含む、4人の方が亡くなられた。現場はエンゼルスタジアムの北東、車なら10-15分のところだ。現場から500メートルくらいのところに私の友人の自宅があり、私もその辺りは何度も行ったことがある。平素は静かな住宅地が広がる街なので驚いている。

今のところ事件はアジア系住民へのヘイト・クライムの類いではなく、顔見知り同士の怨恨との見方が強まっている。亡くなられた方には心より哀悼の意を表します。同時にこのような銃撃事件が何度も繰り返されることに心を痛めている。


Is Angels’ Shohei Ohtani finally ready to be a two-way star again?

エンゼルスのショーヘイ・オータニは再び二刀流スターになる準備は最終的にできたのか?

オータニが打者としても投手としても同時に活躍していた時期からずいぶんたつが、楽観的になる理由がある。

ほぼ3年にわたって、ショーヘイ・オータニの二刀流は出所不明の伝説のようなものだった。

もちろんショーヘイ・オータニが二刀流でメジャーデビューした2018年の数字やハイライト映像を見れば口をあんぐりと開けるしかなかった。

しかし2018年6月のある日にUCLを痛めて以来、ピッチャーとしてもバッターとしてもその輝きを取り戻すことはなかった。

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それから34ヶ月、オータニのピークの記憶はまるで受信箱の奥深くに埋もれたEメールのように消え失せてしまった。

しかし過去34日間、二刀流スターのショーヘイ・オータニが帰ってくると信じるに足る驚くべき証拠がある。

ショーヘイ・オータニは通訳を通してキャンプの序盤にこう語った。

「ケガしてからこの2年間、多くの人を失望させてしまったことは間違いありません。今は自分ができることすべてを見せたいと思っています」

彼がピッチャーとバッターで成し遂げたことすべてを見れば、めちゃくちゃ楽観的なエンゼルスファン、オータニファンでなくても2021年の彼の復活は間違いないと自信を深めるだろう。

マドン監督でさえも、たとえ一時的であろうとも、投打どちらかをやめることについて懐疑的だった。

マドン
「オータニが投手か打者かのどちらかに専念する必要があったのかは私にはわかり得ない。二刀流をやることが彼にとってメンタルを安定させて、自信を取り戻す一番良い方法なのだろう」

日本のメディアとの昨年11月のインタビューで彼自身が「悲惨」と呼んだほどひどかった自分のパフォーマンスについてオータニが言い訳することはなかった。

彼がやったことは冬場の激しいトレーニング、そしてそのトレーニングの一つ一つを見直すことだった。

オータニの代理人ネズ・バレロ氏
「他とは違う自分だけのキャリアを持ちたい、自分だけのオフシーズンを過ごしたいとオータニは切に欲していて、実際我々はそれをやった」

バレロ氏によるとオータニはダイエットとトレーニングに再び挑んでいた。過去2シーズンは手術からのリハビリで以前と同じ強度ではできなかった。マット・ワイズ投手コーチはオータニは明らかに大きく、強くなったように見えると語った。

野球の練習においてはオータニはより実戦に近い練習をメニューに取り入れた。

バレロ
「オータニはチューンナップした。より強力になり、それこそ自身が望んでいたことだ」

オータニはこの冬、シアトルにある著名なハイテク・ベースボール・トレーニング施設であるDrivelineにも出かけていった。そこで彼はピッチングとバッティング両方のトレーニングを行った。

オータニがみんなをびっくりさせたキャンプのハイライトの前に、オータニの変化はマドンの目にもすぐに明らかになっていた。

マドン
「バッターボックスでのフィジカルな動き、マウンでの動き、いずれも去年は見られなかったものだ。それが今では、毎回同じ投球を目にすることができる。毎回同じスイングを見ることができる。それができるなら彼は素晴らしいシーズンを送るだろう」

オータニの肉体面、技術面の変化は新しい自由を背景に生まれたものだ。エンゼルスはオータニがメジャーに初めてやってきた時、マウンド上での負担を大きくすることには消極的だった。リハビリを始めてからのほとんどの期間もそうだった。今ではオータニは健康だし技術もある。なのでエンゼルスは彼を信用して今何をやれるのかは彼の判断に任せることにした。

マドンはオータニを最大限に使うことにオープンだと言った。それはオータニは休養が必要なら自分から言ってくるという信用があるからだ。

キャンプの最後の2週間、エンゼルスはオータニを同じ試合で投球と打撃をやらせることを2度行った。登板した次の日の試合に打たせることもした。そしてレギュラーシーズンの初登板は前回登板からちょうど中5日でスケジュールされた。

これまでオータニはそんな風に使われたことがない。

マドン
「ショーヘイは自分でやることを決められる自由を本当にエンジョイしている。すでに2度は自分から言ってくれた。『これはやりたい、それは今日はやりたくない』とショーヘイは言ってるよ。これこそまさに私が彼に問うていたことだ。『君がどのように感じているかを知る必要があるんだ。君の状態は我々にはわからないことが多すぎる。君からの情報が必要だ。君に命じることはしない。自分から言ってくれ』とね。そして今その通りになっている」

もしオータニが健康のままで増える負荷にも耐えられるなら、エンゼルスはおそらく25先発と450打席を彼に与えられるだろう。それに対してオータニが、チームが彼なら可能と信じているレベルで応えてくれるなら、それは歴史的なことになるだろうし、エンゼルスを根本から変えてくれることは間違いない。

マドン
「オータニは多くのイニングを投げて、先発ローテーションに大きな違いを生み出してくれるだろう。また現在のスイングをしていればオフェンスでも大きな違いを生み出してくれるだろう。

この春のオータニのパフォーマンスは、とりわけオータニのことを伝聞でしか知らない者や3年前のハイライト映像を見ただけの者には畏怖の念を起こさせている。

2018年にボルティモア・オリオールズにいたアレックス・カッブ投手
「本当に信じられないよ。こんなのは見たことがない」

パトリック・サンドバル投手は2018年はヒューストン・アストロズのプロスペクトだったので当時のことは知らなかったが

「この世のものとは思えない。彼は誰とも比べられないよ。これほどのレベルで二刀流だなんて誰にもマネできない。マウンドに登ると100マイルのタマでバッターをなで切りにしたかと思えば、バックスクリーンの先までボールをかっ飛ばすなんて、あっけにとられるよ。正気の沙汰じゃない」

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