大谷選手の年俸調停について

大谷選手とエンゼルスの年俸交渉が決裂し、年俸調停に行くようだ。大谷選手側は330万ドル、球団側は250万ドルを主張していると言われている。この報道を受けてエンゼルスと大谷の信頼感が低下しているとか、大谷選手は条件闘争するような選手だったのかとか、ネガティブな声が聞こえてくる。

ちなみにこの年俸調停はどこか落としどころを探る場ではない。双方の主張のどちらかが認められる、二者択一の場なのだ。選手にはまだ移籍の自由はないのだから、条件で納得できなければ年俸調停に訴えるしかない。そこでふさわしいと思われる方の金額が通るというのはアメリカらしい極めて合理的なシステムである。

調停というと双方が主張をぶつからせて、まるで子供の親権を取り合う離婚した夫婦のような関係を想像するかもしれないが、実際は単にビジネスの話をしているだけだ。アメ横で新巻鮭を「1000円だよ」「800円に負けてよ」と交渉しているのと大差はない。そこに「チームが自分を評価していない」とか「選手がゴネている」とかの感情の入る余地はまずないし、どちらの主張が通ろうと結果についてはドライに受け止めるだけのものだ。

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私が想像するに今回の件は代理人主導で運ばれたものだろう。代理人にしてみれば少しでも多くの金額で契約を勝ち取らないと自分の手取りも減るし、そもそも球団の言い値で契約したのでは今後の自分の評価が下がりかねない。大谷選手としては球団提示で何の不満もなかったと思われるが、代理人の立場まで考えて調停に行くことに合意したのではないかと思う。

ただし、私は2月の調停前に大谷とエンゼルスは3ミリオンくらいで合意して調停までは行かないと思う。このコロナの時期にわざわざ調停の場に出ていくのもウザいし、そもそも差額の80万ドルなんて大谷選手の価値観からは眼中にもないほどの微差だろう。

もちろんトラウトのように球団側が三顧の礼で高額、長期の契約を提示してくれるなら1番良い。しかしヒジにメスを入れてからの大谷選手の成績では残念ながらトラウトの待遇と比べるのは無理だろう。

大谷選手は今年は何としても二刀流で八面六臂の活躍をして、来年以降球団側から長期、高額の契約を持ちかけられるように結果を出すだけのことだ。一流になっていく選手はFAになる前の調停権のある間に球団側から高額の条件を持ちかけられるのが普通だ。彼が健康で実力を発揮すれば、8年250ミリオンくらいの契約は十分勝ち取れると思っている。

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3件のコメント

  1. 気になることがあるのですが、年俸調停を起こしたことによって
    もし今シーズンの成績が球団が求めているよりとどかなった場合に、
    球団がトレードによる放出に利用される口実にならないでしょうか?

    あと、エンゼルスでの3年間の成績を評価した場合に
    仮にエンゼルス以外だったらどれだけの年俸の価値があるでしょうか?

    1. 残念ながら、ご質問の件についてはどういう取り扱いになるのか全く予想が付かないですね。
      私自身は調停に行く前に和解すると思っていたので、本当に調停に行くと知りちょっと意外でした。
      ただ今年はコロナ禍で調停がオンラインで開かれるということなので、調停の会場までわざわざ出かけていく必要がなく、選手にとって例年よりは調停に突入することに心理的抵抗が少ないのかもしれません。
      とりあえずはどうなるか結果を見てみましょう。

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