大谷選手が痛めていたUCLの再検査を受け、PRP注射と幹細胞治療の効果が認められたとエンゼルスが発表した。大谷選手は待ってましたとばかりに、その日のうちにそれまで禁止されていたキャッチボールなど投球を再開した。
エンゼルスにとってもファンにとっても素晴らしいニュースだ。もしかしたらあと1年半は彼の投球は見られないのかと思っていたが、順調にいけば9月初旬の試合では先発することが出来そうだ。
しかし私は、今シーズンオフに大谷選手がトミー・ジョンを受けるかもしれないという疑念を捨てられないでいる。一度損傷した靱帯は、PRPや幹細胞治療を行っても元通りにはならないと言われているからだ。シーズン終了直後に再検査して、その時点でトミー・ジョンを勧められる可能性はまだ残っている。
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大谷選手はここまで4勝1敗だが、1敗は指にマメができて途中降板したボストンとの試合。9試合に先発して実質的にはノックアウトされたことは一度もない。それくらい圧倒的だった。
ただここまで、足首の捻挫、指のマメが2回、そしてUCL損傷とメジャー1年目は故障に悩まされているイメージがついて回る。バーランダー、シャーザーなど一流投手の仲間入りをするには、頑丈で故障しない肉体が不可欠ということがわかっただろう。
それにしても、エンゼルスは球場にMRI設備くらい導入出来ないのだろうか?痛くなってから病院へ駆け込むのではなく、ヒジくらい登板ごとに検査できないものかか?MRI機材の価格をちょっと調べたところ、せいぜい数億~10億円くらいのようだ。メジャーリーガーの給料を考えたら、そのくらいの投資で選手の故障を早い段階で察知出来るのなら安すぎる。
ちなみに地元紙OC Registerが早速大谷投球再開の記事を掲載していたので、日本語訳を紹介しよう。
Angels’ Shohei Ohtani cleared to resume throwing after tests show continued healing of his elbow
(エンゼルスのショーヘイ・オータニは検査で右ヒジの回復が確認され、投球再開が許可された)
ショーヘイ・オータニがUCLのグレード2の損傷との診断を受けて、もしかしたら2020年まで投球ができなくなる可能性すらあったが、その後6週間経過し、木曜日に投球プログラムを始めて良いとの許可が出た。
エンゼルスは、先月PRP注射と幹細胞セラピーの治療を受けた彼のヒジは、検査の結果、回復し続けていることが確認できたと発表した。ケガに悩まされてきたチームにとって驚くほど良いニュースとなった。
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オータニが休んでいた期間とリハビリのタイプから考えて、オータニにとって最高のシナリオは9月初旬までに試合で投球出来るようになることだ。
ビリー・エプラーGM 「検査の結果を極めて喜んでいる。彼が投げられるようになるまでの経過が楽しみだし、最終的にどこまでチームが上昇出来るか期待している。」
オータニは早速投球を開始し、木曜日の午後には最終的には18メートルの距離でキャッチボールをした。
再び登板する前に、依然としてオータニはいくつかの重要なテストをクリアしなくてはならない。手術の必要がないレベルまでオータニの靱帯は十分な強度を回復したとエンゼルスが確信するには、ゆっくりと試合のレベルまで投球の強度を上げていくことが必要だろう。
もし24歳のオータニがやはりトミー・ジョン手術が必要だとなれば、エンゼルスとしては10月半ばまでには決断したいだろう。そうすれば2020年シーズンには間に合うだろうから。
オータニは3週間前に打撃練習を再開し、2週間前にはエンゼルスのスタメンに名を連ねた。復帰してからは24打数6安打で、通算では打率.283、OPS.887をマークしている。
マウンド上では9回先発して防御率3.10である。最後に投げたのは6月6日で翌日にUCL損傷が見つかった。
今のところ、オータニの回復具合は2016年にギャレット・リチャーズがPRP治療を受けた時よりも良好だ。その年の5月初旬にUCLの断裂が見つかったリチャーズだったが、当初はトミー・ジョン手術を予定していた。しかしその後PRP治療に切り替えたのだが、結局8月までは投球出来なかった。
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