Seattle Times紙:逃した魚は大きすぎた!

現地5月7日、日曜日の大谷の好投を受け、米メディアは再び大谷を称賛する記事を掲載している。

大谷に封じられたマリナーズの地元紙Seattle Timesも「逃した魚は大きかった」と獲得に失敗した大谷にやられてしまったことを複雑な思いで記事にしている。マリナーズ・ファンにしてみれば、自分たちが大谷獲得のフロントランナーだと思い込んでいたために、エンゼルスに行ってしまった大谷に対して複雑な感情を抱いているようで、大谷にはブーイングを浴びせた。

しかし、大谷からすれば最後の7候補にマリナーズが残っていただけで、勝手に自分らが本命だと思い込んで、結果振られたからとブーイングを浴びせられては災難としか言いようがない。

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ただマリナーズの選手たちが、二刀流を高い次元で成功させている大谷に対して、口々に「すごい」「本物だ」と称賛しているのを耳にすることは実に爽快である。

日本語訳を紹介しよう。


Shohei Ohtani shows Mariners and their fans what they missed out on — and it’s quite a bit

(ショーヘイ・オータニはマリナーズとそのファンに逃した魚の大きさを見せつけた)

エンゼルスの二刀流スターはアーロン・ジャッジやブライス・ハーパーよりも長打率が高く、ノア・シンダーガートやダラス・カイケルよりもWHIP(脚注1)がいい。そんなことはメジャーリーグでは想像もできないことだった。

 

マリナーズとそのファンは週末のシアトルでショーヘイ・オータニが輝きを放つのを見せつけられ、それは悔恨と尊敬の情が奇妙に入り交じったものとなった。

金曜日、オータニはDHでシングル、ツーベース、四球と3度出塁し、エンゼルスが5-0で勝利するのを見せつけた。日曜日には先発のマウンドに久々に戻ってきて99.5マイルの球を投げ、エンゼルスの8-2の勝利を見せつけた。

オータニの二刀流の活躍についての記事を読んだり、テレビでそれをチラ見するのと、自分の目でナマで見るのとは全く別のことで、ナマで見ると彼がいかにケタ外れのアスリートで、バッターボックスにおいて恐るべき存在で、同時にマウンドでも支配的な力を持っていることが理解できる。

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オータニの打率は.339で、長打率は.627(これはアーロン・ジャッジやブライス・ハーパーを上回っている)である。日曜日に彼は6回0/3イニングを投げ、ヒット6本で2失点にマリナーズを抑えた。これで5試合投げて3勝1敗、防御率4.10、WHIPは1.18(これはノア・シンダーガートやダラス・カイケルよりもいい)である。

そんなことが起きようとは思いもしなかったが、オータニはそれをやってのけており、従来の考え方を押し退け、メジャーで野手と投手の二刀流にチャレンジすることへの見方を根本的に変えようとしている。

そしてもちろん、昨オフにマリナーズがフリーエージェントのオータニを獲得しようとどれほど一生懸命だったか、そして日本ハム・ファイターズからはシアトルへ来てくれる可能性が一番高いと頭から信じていたことを思い出すという悲哀が加わっている。

昨年12月、マリナーズはオータニが最終候補とした7チームに入っていた。彼らは最高のプレゼンテーションをしたと思っていたが、結局、同地区のライバルにかっさらわれるというボディブローを食わされて終わった。

オータニの素晴らしい所は、もちろん彼が新人サラリーで来てくれることもあるが、重要な二つの隙間を埋めて素晴らしい成績をあげてくれることだ。目を閉じてオータニが苦戦するシアトルのローテーションの真ん中で投げてくれると想像してみてくれ。そのまま目を閉じて、オータニがいなくてもダイナミックな打線ではあるが、そこへ彼が入ったらどんなことになるか考えてみてくれ。

しかしその代わりに今となっては、マリナーズはプレーオフ進出の激しい争いにおいて、エンゼルスのオータニと年に何度も戦わなくてはいけなくなった。

マリナーズが昨日マウンド上のオータニを初めて見て確かめたのはスカウティング・レポートがいつも告げているように、オータニは時速100マイルに到達する速球でゲームを支配するかと思えば、スプリット、スライダー、カーブといった変化球で幻惑するということだ。

ライアン・ヒーリー「衝撃的なボールを投げているよ」

カイル・シーガー「彼は本物だと思う」

実は彼ら2人はオータニを攻略できた数少ないマリナーズの選手で、ヒーリーは7回にツーランホームランを放ち、シーガーは2本ヒットを打っている。

オータニは足首の軽いケガのために4月24日から投げていなかったが、通常よりも抜いたボールを多投するゲームプラン通りにマリナーズを料理した。

エンゼルスのキャッチャー、レネ・リベラは「彼はファンタスティックだった。スプリッターだけでなくスライダーもえげつなくて、全てのボールが効果的だった。カーブも良かった。バッターのバランスを崩すためにオータニは全てのボールをミックスした。すごい仕事をやってくれたよ」と語った。

オータニは7回にはやや崩れたが、それまでの6イニングをゼロに抑え、前日土曜日の劇的な逆転勝ちの勢いを持ち込もうとしたシアトルの意気をくじいた。

試合前に、マリナーズのスコット・サーヴェイス監督は「昨日の勢いが続くといいんだけどねえ」と物欲しげに語っていた。「(試合が1週間に1度の)フットボールなら1週間はその余韻を味わえるんだけど、野球では12時間しかないからね」

オータニの爆発するような投球と、シアトルの先発フェリックス・ヘルナンデスが本来の出来とはほど遠い内容ながら懸命に試合を持ちこたえようとした投球では落差が大きかった。

ヘルナンデスは何とか凌いでいたが、イニング終了の三振になるはずが振り逃げでバッターを生かしてから勝利は逃げていってしまった。その後リリーフしたブラッドフォードからマイク・トラウトの3ランなどで4点を加えたエンゼルスは、6回には完全に試合をコントロールした。

ヘルナンデスも、59打席で8本の長打を放ち、26回1/3イニングで32個の三振を奪った太谷の二刀流に驚かされた1人だ。

ヘルナンデス「僕もリトルリーグ時代には二刀流だったさ。ウソだよ。オータニはスゴいよ」

シーガー「二刀流をやってしまうなんてあまりにも特別な人間だよ。そんなの見たこともないよ」

ヒーリー「もちろん本当に才能のあるプレーヤーは常に注目を集めるものさ。オータニはそうだと思う。間違いなくね。でも当たり前だけど敵チームにそんなプレーヤーがいるのは見たくないよ。でも彼は特別なプレーヤーで、スゴいと思う」

自分を獲得しようとしていたマリナーズの本拠地シアトルに初めて来たことに何か特別な意味があるかと聞かれたオータニは「自分を獲得しようとしてくれたことにはとても感謝しています。そんなことを聞いて恐縮しています。もちろんマリナーズだけでなく全ての対戦チームにいい投球をしたいと思っています。今日は自分の持っているものを見せたかったです」

今回、太谷はやりたいことを成し遂げた。全ての意味において。

WHIP(脚注1)
Walks plus Hits per Inning Pitchedの略で1イニングあたり何人の走者を出したかを表す数値。

与えた四球数と打たれた安打数を足した数値を投球イニングで割ることで求められる。デッドボールやエラーによる出塁は数えない。この数値が低いほど、滅多にランナーを出さない投手ということになり、安定感が高いことを示す。

一般に先発投手であれば1.00未満なら球界を代表するエースとされ、1.20未満ならエース級、逆に1.40を上回ると問題であると言われる。大谷は現在のところWHIPではエース級の数値を叩き出しているわけだ。

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