エンゼルス選手紹介:ジム・ジョンソン(34歳) 投手(右投げ)

大谷獲得のためにオマケで付いてきたかつての守護神。エンゼルスではいきなり崖っぷちの開幕

2017年の成績

試合数 勝利 敗戦 セーブ イニング 防御率 三振 四球 WHIP
61 6 3 22 56.2 5.56 61 25 1.48

2018年は1年500万ドル。

2012年、2013年とオリオールズで連続50セーブの守護神
ニューヨーク州出身。2001年のMLBドラフトでオリオールズが5巡目(全体143位)で指名。6年間のマイナー生活の末、2006年に先発投手としてメジャーデビュー。しかし結果を残せず、マイナー降格、ブルペン投手に転向を強いられる。2008年からようやく安定した数字を残し始め、クローザーになった2012年は最終的には51セーブでセーブ王となり、オールスターにも出場。キャリア最高の成績となった。翌2013年も連続して50セーブを上げ、2年連続のセーブ王になったが、救援失敗数は前年の3回から9回へと増え、やや安定感を欠いた。

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2014年以降は成績が下降し、移籍を繰り返す
2013年オフ、年俸の高騰を嫌ったオリオールズはジョンソンをトレードでアスレチックスへ放出した。2014年ジョンソンは安定感を欠き、7月には自由契約になってしまう。その後、タイガース、ブレーブス、ドジャース、ブレーブスと短い期間で移籍を繰り返すが、成績は安定しなかった。しかし、2016年は防御率3.06とやや持ち直し、オフにブレーブスと2年契約を結ぶが、2017年は防御率5.56と再び成績を落とした。

大谷用のボーナス資金枠確保のためにエンゼルスがトレードで獲得
2017年11月にブレーブスからエンゼルスへトレードされた。ブレーブスにとってはジョンソンの2018年の年俸500万ドルの支出を避けるのが狙いだったが、同時にこのトレードには外国人選手獲得のためのボーナスプール(インターナショナルボーナス・プール:脚注参照) 121万ドルが付属していており、エンゼルスは大谷獲得のための資金枠作りのためにジョンソンの契約を引き取ったという側面が強い。

このトレード前、エンゼルスには大谷にオファーできる枠(契約金)がわずか10万ドルしか残されていなかった。いくら大谷が金銭面にはこだわらないと言っても、さすがに10万ドルしか出せないというのでは誠意を疑われても仕方がない。エンゼルスはこのトレードのおかげで131万ドルまでボーナス枠を増額できた(最終的には231万ドルを確保)。

2018年は開幕から崖っぷちのポジション
2012年、2013年の成績は際立っているが、それ以降の4年は期待はずれの年が多く、エンゼルスでも500万ドルの年俸を払うのだからとりあえず投げさせてみようというポジションの選手である。もしシーズン序盤に炎上を繰り返すようなら、年齢から言ってもさっさとDFA(クビ)されてしまうだろう。

平均球速93.5マイル(約150キロ)のツーシームを主体に、カーブ、チェンジアップ、フォーシームの4球種を持ち球とする。ゴロを打たせる投球スタイルで、いわゆるグラウンドボーラーだが、2016年以降は奪三振率9.00以上と例年よりも大幅増となっている。エンゼルスではとりあえず中継ぎで投げるものと思われるが、果たして復活できるのか。

インターナショナル・ボーナス・プール
25歳以下のアマチュア外国人選手と契約する際の1年間の契約金総額の上限。ここでいうアマチュアにはアメリカ以外の国のプロリーグの選手も含まれる。各球団はこういった外国人選手との契約金の総額をこの金額内に抑えなければならない。2016年以降は最大で年間575万ドルまでとなっている。

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枠が余っていれば、トレード等により他球団に譲渡することもできる。昨年ブレーブスは枠内で獲得したように報告していながら、実は裏で選手に金額を支払っていたことが発覚しペナルティを受けた。

大谷選手もこの25歳以下アマチュア外国人として扱われることになっていたが、エンゼルスは2017年11月の時点でわずか10万ドルしかこの枠が残っていなかった。そのためオリオールズから不良債権に近かったジム・ジョンソン投手を引き取ることと引き換えに、ボーナス・プール121万ドルを譲渡され、大谷獲得に備えた。

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