ドジャースファンであふれたドジャース2連戦
オールスター前の最後のホームゲームがドジャースとの2連戦。毎年フリーウェイシリーズと名打たれる名物シリーズだ。
テレビでご覧いただけばわかるように毎年エンゼルスタジアムで開かれるドジャースとの試合はエンゼルスのホームゲームにもかかわらず、スタンドはドジャースファンが圧倒的に多く、青いドジャースのユニフォームで染まる。
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実際ドジャースファンはエンゼルスの本拠地であるアナハイムを含むオレンジ・カウンティ(オレンジ郡)にも多数いるのだが、それにしてもなぜエンゼルスのホームがこれほどドジャースファンばかりになるのか疑問が沸くだろう。その理由を説明しよう。
1. 実は遠いドジャースタジアム
ドジャースはエンゼルスと同じくロサンゼルスとその周辺をテリトリーとしている。ドジャースタジアムとエンゼルスタジアムはフリーウェイ1本で行くことができ、車で1時間ほどと説明される。その説明自体は間違っていない。エンゼルスタジアムのすぐ近くを通るフリーウェイ5番に乗って北上するとそのまま5番でドジャースタジアムの最寄りランプに着く。距離的には31マイル(50km)ほどだ。物理的には30-40分もあれば着く距離だ。
問題は渋滞だ。このロサンゼルスのフリーウェイ5番はアメリカでも最も渋滞が酷い道にランキングされるほど激しく渋滞することで悪名が高い。平日の朝や夕方などは片道4-5車線の道が車であふれる。
ドジャースタジアムの平日のナイトゲームはまさに渋滞にドハマりする時間帯で、31マイルの距離が下手をすれば2時間半くらいかかってしまう。試合開始(午後7時10分)に間に合うにはオレンジカウンティを3時半くらいには出発しなくてはならず、普通の勤め人が仕事が終わってから行ける時間ではない。100%渋滞にハマることはわかっているのでそのフラストレーションは球場に行こうという気持ちを大いに削いでしまう。
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余談だが、ヘリコプターで事故死したNBA・LAレイカーズのスター、コービー・ブライアントが住んでいたのはオレンジ・カウンティだった。自宅からLAのダウンタウンにある本拠地ステープルズセンターへの通勤にヘリコプターを使っていたのはこの激しい渋滞を避けるためであった。足や腰がボロボロだった彼は車のシートに長時間腰掛けられなかったという。
そういうわけでオレンジ・カウンティのドジャースファンは週末でもなければ出かけて行こうという気分にはならずドジャースタジアムへの足が遠のいてしまう。
そんなファンにとって年に1回のエンゼルスタジアムでの試合はまさに千載一遇の観戦チャンスと映る。ここぞとばかりにスタジアムへ向かうのだ。
2. 高いチケット価格がエンゼルスファンを遠ざける
MLBのチケットはダイナミック・プライシング制で、対戦カードや曜日などによって同じ席でも価格が大きく変動する。エンゼルスの場合4段階に分かれていて、最高ランクの人気カードと最低ランクのカードでは同じ席でも3-4倍も売り出し価格が違ってくる。ドジャース戦はヤンキース戦と並ぶ最高ランクの位置づけで元々非常に高い価格設定になっている。
滅多にオレンジ・カウンティで試合を見ることができないドジャースやヤンキースのファンにとってはチケット価格は大きな問題ではない。多少高くてもチケットを買って見に行こうとする。
一方で私のような純粋なエンゼルスファンにしてみれば相手がヤンキースだとかドジャースだとかはあまり意味を持たないので、割高なチケットを買ってまで見たいとは思わない。ドジャース戦だと内野の最高の席ならば500ドルはするだろうが、仮に同じ価格を払うならば大谷が先発する他の試合を3回見た方が良い。どうしてもドジャース戦に行くとすれば価格の安い5階席の端の方で見るくらいだろう。
そういうわけで高いチケット価格設定が一般のエンゼルスファンの出足を鈍らせる。
3. ドジャース戦は絶好のチケット転売チャンス
年間予約席を持つファンにとってヤンキース戦よりも需要(買い手)が多いドジャース戦は最も高値で転売できるチャンスだ。場合によっては仕入れ値の10倍で売れるかもしれない。もちろんそういう高値でチケットを買ってくれるのはドジャースファンだ。
特にテレビに映るような内野の前方の席はほとんどが年間契約となっているため転売されることが多く、良い席ほどドジャースファンで埋まってしまうという現象が起きてしまう。
(参考)2019年管理人自らチケット転売が儲かるかを検証した投稿
4. 戦力差のあるドジャース戦は見たくない
ドジャースとエンゼルスでは実力差が歴然だ。2013年以降地区8連覇し、毎年ワールドシリーズ進出が期待されているドジャースと2014年を最後にポストシーズンから遠ざかっているエンゼルスとでは実力が違いすぎる。エンゼルスの近年の迷走ぶりとドジャースの金満ぶりもあってその差は開く一方で、ほとんどマイナー対メジャーくらいの実力差がついてしまっている。今年の2試合も1対9、1対7と全く歯が立たず、試合の中盤で席を立ちたくなるような大敗だった。しかもドジャースが点を入れると場内が盛り上がるのでフラストレーションも倍増だ。そんな試合を高いお金を払ってまで見に行くエンゼルスファンは多くないだろう。
5. ギブアウェイもなし
エンゼルスタジアムでは観客動員を狙って選手のボブルヘッドや帽子、バッグなど多くのギブアウェイが配られ、配布スケジュールはシーズン前に発表される。しかしもともと客の入りが良いドジャース戦はギブアウェイが配られることはまずない。なのでギブアウェイ目当ての観客もいない。
それでいいのか、モレノよ
そんなわけでエンゼルスタジアムでのドジャース戦はドジャースファンで埋まってしまい、トラウトや大谷にブーイングが沸き起こることさえある。モレノオーナーはこんな状態を見て何とも思わないのか?ドジャース人気でチケットが高く売れればそれで良いのか?
もし私がオーナーならばドジャース戦こそスタジアムをエンゼルスファンで埋めて、ドジャースにここはアウェイなのだと思い知らせてやりたいと思う。そのためにドジャース戦にエンゼルスファンを呼び込むためのいろいろな優遇策を考えるだろう。
モレノは頼むから球団を売ってくれ。私の敬愛するNBAクリッパーズのオーナーのスティーブ・バルマー氏は新しいオーナーになってくれないかな?世界屈指の彼の財力ならば球界最高額のドジャースの総年俸(274ミリオンドル)を3世紀以上に渡って払い続けることができる(計算したら318年間だった)。総年俸額がNBAトップのクリッパーズとセットで払っても184年間払えるんだがな~
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