GQ Sports「オータニはいかにして野球の楽しさを復活させたのか」(その6)

GQがウェブ上で公開した大谷選手へのインタビューの日本語訳、パート6である。

日本での大谷人気のすごさを水原通訳が語り、テニスの大坂なおみ、錦織圭も大谷について語った。


この冬、ショーヘイはいつものオフシーズンと同様に日本に帰省した。日本ではベースである東京、実家の奥州市で過ごし、日本のマスコミのフラッシュを逃れて新年を迎えるために岩手の温泉へ家族で出かけた。

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日ハムの外国人選手のための通訳を始めて以来、ショーヘイ・サーカスの最前列で何年も過ごしているイッペイが語った。

イッペイ
「ただでさえショーヘイは日本人にしては背が高いので、どこにいても目立つんです。ファイターズの新人の時からどこでも自由に行けるというわけではありませんでした」

押し寄せるファン、あらゆる所に現れるメディア、札幌ドームでのストーカー・・・イッペイは思い出していた。今では熱狂はさらにエスカレートして、日本で公の場所に現れることはほとんど不可能になった。そういう時は自宅と車と時々訪れるレストランの間を車で用心して移動せざるを得なかった。レストランではイッペイが事前に電話して、裏口から入れるように手配する必要があった。

日本でのショーヘイの知名度は他のアスリート、映画スター、ミュージシャン、政治家などと比べてどうかと訪ねると

イッペイ
「今では、ショーヘイは別格です。昨シーズンの後、ショーヘイの人気にかなう人間は誰一人いないと心から実感します。多くの人から東京オリンピック全体よりも彼一人の存在の方が大きかったと言われました。パンデミックの最中でしたが、多くの人がショーヘイを見るために朝から起きる。ショーヘイがホームランを打つと日本全体が明るくなる。まさに日本人の一日はショーヘイで始まり、みんなが朝気分良く仕事に出かけられるようになったと」

ショーヘイがアメリカでプレーするようになったからと言って、彼の追っかけが減ったというわけではない。むしろ激しくなった。日本への報道のためにショーヘイをフルタイムで追いかけるジャーナリストは20人に上る。彼らはメジャーリーグを報道するためでも、エンゼルスを報道するためでもなく、ただショーヘイ・オータニを報じるためにいるのだ。

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スポーツの世界でトップに上り詰めた日本人アスリートが経験するメディアの追いかけは今に始まったことではない。それでもショーヘイへの熱狂を理解するのは難しい。

テニスのナオミ・オーサカにショーヘイについて聞いたことがある。

ナオミ
「アメリカには多彩なスポーツ分野で多くのスター選手がいるので、多少なりとも注目は分散します。日本では日本人の世界的スターは少なく、より大きな注目を浴びるのです。私は自分のキャリア前半ではむしろ日本の方で知られており、多少なりともスポットライトが当たっていました。おかげで世界的な成功を収めた後もその経験が役に立ちました。なぜならすでにある程度は慣れていたからです。ショーヘイも同じような感じだと思います」

別の機会に、アメリカで活躍するテニス界の日本人スター、ケイ・ニシコリにも話しを聞いたことがある。

ケイ
「自分にとってフロリダの小さな町はとても住みやすいし、トレーニングもしやすい。誰も自分のことを知らないので、買い物に行くのも、レストランに行くのも、映画を見に行くのもとても気軽に出来る。日本にいると少々クレージーだね。日常生活でちょっと町に出るのもハードルが高い。キャリアを通じて、フロリダに住むことは気に入っている。素晴らしいトレーニングができることはもちろん、平穏な環境がありがたい」

有名なところではオーサカとニシコリ、加えてマスターズを勝ったヒデキ・マツヤマ、そしてショーヘイ、さらに付随する他のスポーツの日本人スター達、彼らは日本を代表するスポーツ界の超新星である。私はショーヘイに尋ねた「これまでの世代と何か違いがあると感じるか?もしあるならば成功の理由は何なのか?」

ショーヘイ
「貴方の言うとおり、何かが違うと思います。私が思うに昔に比べて今は世界に出やすくなったのが原因ではないかと。野球で言えば、野茂さん、イチローさんのようなパイオニアが私のような後に続く者へ扉を開いたのです。他のスポーツでもきっと同じです。最初の一歩を踏み出すのはとてつもなく難しいと思います。でもその後は現在のように、より簡単に世界にチャレンジできるようになったのです」

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