OC Register紙「エンゼルス Q&A:どうしてこんなことになってしまったのか」

残り試合が24試合の時点で12勝24敗と不振にあえぐエンゼルス。事実上今シーズンのプレーオフ争いからは脱落してしまった。あの強かったエンゼルスは一体どこへ行ってしまったのか?多くのファンが嘆いている。

地元紙OC Registerのエンゼルス番記者であるジェフ・フレッチャー氏がツイッターでエンゼルスの不振の理由について質問を募集したところ、多くの問いが寄せられた。本稿で散々指摘してきた通り、マイナーでの選手育成が最大の問題であることは明白だが、番記者としての回答は非常に興味深い記事である。日本語訳を紹介したい。

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Angels Q&A: How they got here and where they go next

エンゼルス Q&A: どうしてこんなことになってしまったのか、今後はどこへ行くのか

エンゼルスは12勝24敗とまたしても憂鬱なシーズンとなっているが、その理由どこに求めるべきか探ってみよう。

トレードデッドラインを過ぎ、プレーオフへは現実には絶望的だが、24試合残して現在12勝24敗のエンゼルスに「愚かなヤツともっと愚かなヤツ」的メモを残してみよう。

ツイッターで質問を募集したところ、エンゼルスはどうしてこんなふうになってしまったのか、どこへ行こうとしているのか、特にビリー・エプラーGMとアンドレルトン・シモンズをどうすべきかに多くの質問が集まった。

チームの深刻な状況を考えるに、ささいな質問に簡単な答えを羅列するのではなくて、もっとも重大な問いに対して掘り下げていこうと思う。まずは最も根本的な問題だ。

「どうしてこんなことになってしまったのか」

エチケットとして、読者が実際に使った言葉を適正な言葉に置き換えるのが私の仕事なのでそうしたが、質問の意味はおわかりのことと思う。先週、エンゼルスの現状がどうなっているのか詳しくまとめたが、その短縮版として三つあげよう。

1番最初に上げられること、そして最も重要な点はエンゼルスのファームシステムが壊滅的ということだ。Baseball America誌はエンゼルスのファームを2007年にはメジャーで第4位としていたが、2010年には26位になってしまった。2011~2013年は中位まで回復したものの(マイク・トラウトがいたのは2011年と2012年だ)、2014~2017年は最下位になること三度、あと27位が一度だった。

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2番目はマイク・トラウトの出現だ。それが天恵であるのは当然だが、トラウトの出現とファームの崩壊は完全に同時進行しエンゼルスは低迷期に入った。グチャグチャのファームにもかかわらず、2014年と2015年のチームはなんとか勝っていた。2016年エプラーがGMになった時、ファームは相変わらずの体たらくだったが、一方でトラウトは非常に良い選手から最高の選手へと駆け上がっていった。

つまりチームとしてはトラウトをトレードしての再構築も、トラウト以外の全員をトレードしての再構築も不可能になってしまった。なぜトラウト以外の全員をトレードするのが不可能かというと、そんなことをすればトラウトの全盛期の数年を故意に浪費させてしまうことに他ならないからだ。エプラーを辞めさせるチャンスもなかっただろう。

3番目は何年にもわたってアルバート・プーホルスとジョシュ・ハミルトンの契約に大金をつぎ込んできたことだ。2016年頃までには、エンゼルスが彼ら2人に期待した働きは無い物ねだりであることは明らかだった。

この失敗のためオーナーのアルトゥロ・モレノはよほどの事がない限りフリーエージェントで大物を取ろうとはしなくなり、実際そういう風にはなっていない。

これらをまとめると、エンゼルスは一軍を解体することも、マイナーを再建することもできなかった。トレードによって一軍を改善できるほどのファームシステムもなく、再建するためのフリーエージェントへの資金も出し渋った(どう転んでもそのやり方は上手く行かないのが常だが)。

それが現在のエンゼルスだ。

「エンゼルスは過去5年以上解体することなく再建を試みてきた。同じ期間にホワイトソックスがやってきたことを見ると、ホワイトソックスは全員を放出し、今ではメジャーで最もエキサイティングな若いチームとなっている。エンゼルスは今からでもそうすべきではないのか?」

トラウトも含めて全員を放出すべきと言うのなら、全く違う議論になっている。2~3年前なら考えられた話だが。

トラウトはすでにノー・トレード条項が入った今後10年で360ミリオンドルの契約を結んでいる。すなわちトラウトが移籍しても良いと思える球団を探し、しかもその球団はトラウトの年俸を払える資金力があり、なおかつ対価としてエンゼルスが満足できるだけの才能ある選手を出せる球団でなくてはならない。あまりにも制限が多すぎる。

もしエンゼルスがそのような方向を指向するとすれば、それはトラウトと新しく契約を結んだ2019年シーズン前にやるべきだった。仮にそうしたとしても、殿堂入り確実の選手のトレードに見合う対価を得られたかは定かではない。

「GMはどうなると思いますか?辞任するのか、別の方針で進むのか?」

すでにエンゼルスがエプラーとの契約延長を結び、それが表に出ていないだけ(十分あり得ることだが)ということでなければ、彼の契約は今シーズンで終了する。もし契約が延長されるならば、問題になるのはエプラーの仕事ぶりではクビになっても仕方がなかったのではないかという議論。逆に契約満了ならば、契約延長にふさわしい仕事ぶりではなかったかという議論になる。延長か、満了かによって基準は異なる。

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エプラーが残るか去るかはモレノの胸の内一つであるが、スプリング・トレーニング時に「エプラーが契約延長されるとすれば何が必要か」と問われて、モレノはきっぱりと「全ての人にとって、エンゼルスが勝つことが必要だ。組織として勝利が必要だ。きっと自分自身のクビでも切るさ」と答えた。

「アンドレルトン・シモンズはトレードされなかったが、彼に対してクオリファイイング・オファーか契約延長をすると思うか?」

エンゼルスはトミー・ラ・ステラとジェイソン・カストロをそこそこの見返りで放出したが、それはもし彼らがフリーエージェントで去れば何の見返りも得られないからという理由があるだろう。シモンズの今年の年俸は15ミリオンだが、クオリファイイング・オファーの金額はちょうど18ミリオン弱になるだろう。

シモンズはもうすぐ31歳だが、この金額で1年契約ならば最悪ということにはならないだろう。もしかしたら払いすぎかもしれないが、たった1年の契約だ。もしシモンズがその金額を拒否して他チームとサインしたらエンゼルスは補償としてドラフト指名権を得ることができる。FA選手を取るのにドラフト指名権を付ける必要があるとしたらシモンズに興味を持つ球団は減るだろう。すなわちオフシーズンの後半でエンゼルスがシモンズとさらに安い金額で再契約できる可能性もある。

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だから私はエンゼルスはシモンズにクオリファイイング・オファーを出すと思う。シモンズと契約延長するとは思えない。なぜならもうすぐフリーエージェントになる選手は、マーケットで自分にどのくらいの値段が付くか見るチャンスを逃しはしないからだ。

「来年の現実的な先発投手陣は?」

今年の冬のフリーエージェント市場で先発投手はとても品薄だ。トレバー・バウアーが間違いなく最高の投手で、その次のレベルがマーカス・ストーンマン、ジェームス・パクストン、ジェーク・オドリッジ、ロビン・レイだが、うち3人は今年故障している。ホセ・キンタナ、クリス・アーチャー、マイク・マイナー、リック・ポーセロら、次点レベルの投手は多いが、彼らは良いピッチングをする時もあれば、全くダメな時もある。

トレード市場に目を向けると、エンゼルスはアレックス・コッブ、ダニー・ダフィー、マシュー・ボイド、ユーセイ・キクチらに興味を示すかもしれない。繰り返すと、確かなことは何もわからない。

「エンゼルスの投手育成プログラムに問題があるとは思えませんか?」

前の問いの答えからわかると思うが、エンゼルスの投手問題はオフに誰かを獲得して解決できるものではない。投手を育成することこそ最大の解決方法だが、育成は近年全く上手く行っていない。

2012年以降、エンゼルスが育成した投手で150イニング以上投げ、防御率が4.00以下だったのはジェレッド・ウィーバー(3度)、ギャレット・リチャーズ(2度)、マット・シューメーカー(1度)しかいない。

2016年以降は育成にも、それ以外にもいない。

スカウティング、ドラフト、育成、このチェーンのどこかに問題がある。それは多数の小さな問題の積み重なりのように見える。もちろんケガによる不運もある。

エンゼルスが再び強さを取り戻す時は、バウアーや他のフリーエージェントとサインした時ではない。ショーヘイ・オータニ、グリフィン・キャニング、パトリック・サンドバル、レイド・デトマースのような選手から最大限の力を引き出すにはどうしたらいいかをチームとして理解した時になるだろう。

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5件のコメント

  1. エンゼルス今季初の5連勝おめでとうございます。
    ポストシーズンの成績に届かなくても(失礼)今シーズンこそは勝ち越して終わらせるように
    願いたいものです。

  2. 昨日はまたレンジャースに大敗してしまいました。5連勝中も4試合で5失点以上していました。とにかく序盤の失点が多すぎます。毎試合のように4回までに3-4点失点してハンディを強いられる戦いでは勝負になりません。やはり投手力を整備して相手を3点以下に抑える試合をもっと作らないと。オフには根本から変えて常勝チームへの第一歩を踏み出して欲しいです。

  3. 大谷の打撃が上向きませんね。凡打のパターン(内角で足元を動かされ、外角を空振りか力のない打球)が改善しません。このオフは落合あたりにつきっきりで指導してもらいたい。

  4. 落合はそんなに名コーチなんですか?落合の教え子のスラッガーにはどなたがいますか?
    でも大谷選手にはオフにブラッシュアップして良い時の打撃を取り戻してほしいものです。

    1. 監督時代のスラッガー養成実績はないが、最近は西武の山川らがオフに教えを乞うているみたい。

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