今年はプチ再建?微妙に強化、微妙に再建

今年はプチ再建の年。本格的な補強は1年後までお預けか?

年も明け、キャンプまであと1ヶ月。エンゼルスの補強も終盤に入ってきた。今オフのここまでの補強状況をまとめてみたい。

今オフのエンゼルスの補強は小ぶりなものばかりだ。元オールスターと言えば聞こえはいいが、成績が低下して価値の下がったベテランを格安でかき集めた印象だ。

契約内容を見てみると、ほとんどが2019年の1年契約で、複数年契約が必要な大物FAには全く手を出していない。つまり今オフの補強は今年限りの戦力としてしか見ていないわけだ。とりあえずシーズンを戦えるだけの頭数を揃えることを主眼としているようだ。

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微妙に戦力強化、微妙に再建モード

結局、ベテラン(例えばシモンズ、カルフーンら)を一気に放出して若手起用に切り替える完全な再建策は採らないが、ペイロールを抑えながらベテラン、若手の併用とする、言ってみれば「プチ再建」と言えるだろう。

エンゼルスの最大の懸案事項は2年後に迫るトラウトとの再契約だ。少なくともトラウト最終年の2020年シーズンはプレーオフに進出しないことにはトラウトはチームを見限って出て行く可能性が高い。しかし現状では同地区のアストロズとの戦力差は大きく、それを埋めるためには大幅な戦力の底上げが必要だ。

今年1年は若手の成長を促すと共に、来オフに十分な資金枠を確保して、2020年に勝負をかける。それがトラウトを引き留める基本戦略と思える。

もしこの1年で若手の成長が進まず、来オフに有力な選手も補強できず、アストロズとの差が埋まらないようなら、2020年中にトラウトの放出もあり得る。FAで出て行かれたら何も残らないからだ。そういう意味で今年は重要な意味を持つシーズンになる。

新加入の選手

(現在40人ロースターに入っている選手。開幕までに25人に絞られる)

投手

Matt Harvey (マット・ハーヴィー) 29歳、先発・右投げ
故障に泣かされた落ち目の元エース
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1年、11+3Mで契約。元レッズ、FAで獲得

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かつてはメッツのエースだった。2013年にはオールスターにも出場し、26試合で9勝をあげ、防御率2.27、100マイルを超える球速も記録した。しかしその年の8月にヒジの故障が発覚してトミージョン手術を受け、2014年は全休となった。復活した2015年にはメッツの大黒柱としてワールドシリーズにも出場し、カムバック賞も受賞した。

ところが2016年は今度は肩の不調から成績を落とし、夏には手術でシーズン終了。結局17試合に先発登板し、防御率4.86・4勝10敗に終わった。2017年はさらに調子を落とし、19試合登板で5勝7敗、防御率6.70で終わった。2018年は開幕からブルペンに降格し4試合に投げたが防御率は10.50と散々な成績で、5月にはDFAされ、レッズに移籍した。レッズでは再び先発となり24試合に投げたが7勝7敗、防御率4.50と平凡な成績にとどまり、シーズン後にFAとなっていた。

結局、故障に泣かされた落ち目の元エースである。希望があるとすればメッツ時代の終わりには92.6マイルしか出なかった球速がレッズでは94.4マイルへと改善傾向が見られることだ。エンゼルスでは先発の一角を担うと思われるが、どの程度の成績を残してくれるか不透明である。

 

Trevor Cahill (トレヴァー・ケーヒル) 30歳、先発・右投げ
経験は十分な元アスレチックスのエースだが・・・
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1年、9+1.5Mで契約。元アスレチックス、FAで獲得

2009年にアスレチックスでメジャーデビューすると、2010年はチーム最多の18勝、防御率はリーグ5位の2.97と大ブレーク。オールスターにも初めて選ばれ、アスレチックスのエースに成長した。しかしその後は多くのケガもあって成績の変動が大きく、トレード、マイナー落ちやDFAも経験。さらに所属チームの事情で先発と救援を行ったり来たりと見るべき成績を残せていない。昨年はアスレチックスに復帰して20試合に先発し、7勝4敗、防御率3.76だった。

平均91マイルのツーシームを中心にナックルカーブやスライダーで打者をゴロに打ち取る技巧派ピッチャーである。エンゼルスでは先発を担うと思われるが、投手の頭数あわせ的な獲得で、強化とは言い難い。

 

Cody Allen (コディ・アレン) 30歳、救援・右投げ
実績は十分だが、昨年大きく成績を落としたインディアンスのクローザー
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1年、10.5M契約。元インディアンス、FAで獲得

今年のエンゼルスのクローザー候補だ。インディアンスでは過去5年、平均29セーブを上げている。2017年は防御率2.94で平均球速も94.3マイルだった。しかし2018年は93.5マイルに落ち、防御率も4.70と大幅に悪化、キャリアワーストの5度のセーブ失敗も記録している。

実績はあるが、昨年成績を大きく落とした落ち目のピッチャー。クローザーとしてどのくらい活躍してくれるのか不透明だ。序盤で何度もセーブ失敗があると早めに見限られるかもしれない。

 

Luis Garcia (ルイス・ガルシア) 31歳、救援・右投げ
フィリーズで昨年の防御率は6.07!不安がいっぱい
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1年、1.675Mで契約。 ホセ・アルバレスとのトレードでフィリーズより獲得

昨年はフィリーズで59試合に救援登板し、防御率6.07の成績に終わっている。46イニングで18与四球、51奪三振というのは悪い数字ではないが、正直、防御率2点台で29歳の左腕アルバレスと交換した理由がわからない。平均球速97-98マイルのハード・スローイング・ピッチャーというのが気に入ったのかもしれないが、球が速いだけでは通用しないのがメジャーの世界。不安は尽きない。

 

Dillon Peters(ディロン・ピーターズ) 26歳、先発/救援・左投げ
何のためにトレードしたのかよくわからない
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年俸調停権取得は2022年、1年 1.09Mで契約。若手右腕のTyler Stevensとトレードによりマーリンズから獲得

2017年にマーリンズでメジャーデビュー。過去2年間で13試合(うち11試合が先発)、59イニングを投げ、3勝4敗、防御率は6.10。上背が175センチしかなく、カーブとチェンジアップで組み立てる技巧派。ストレートの平均球速は91.5マイル程度。左腕という以外は特に見るべきものはなく、投手陣の底上げにはあまり役に立たないだろう。何のためにトレードしたのかよくわからない。

 

John Curtiss (ジョン・カーティス) 25歳、救援・右投げ
制球力のアップと緩急を使えるようになれば覚醒する可能性はある
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1年、0.54Mのルーキー契約。2022年調停権を得る。ツインズからDFAをトレードで獲得。交換選手はDaniel Ozoria内野手。

身長193センチの大型投手。ツインズでは2017年にメジャーデビューし、過去2年間全て救援で17試合、15イニングスを投げ、通算防御率は7.20と全く低調。長身から投げる平均球速95マイルの速球が投球の7割を占め、あとはスライダーで押す剛球派。しかしコントロールに難を抱え、ツインズではオフにDFAされていた。

平均球速95マイルの長身投手というのは魅力だ。課題のコントロールを改善し、スライダー以外にも変化球を覚えれば覚醒する可能性はあるだろう。まだマイナーオプションが残っているので、マイナーとメジャーを行ったり来たりする調整弁的な使われ方をされるかもしれない。

捕手

Jonathan Lucroy (ジョナサン・ルクロイ) 32歳、右投げ、右打ち
成績低下の元オールスターを廉価に契約
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1年、3.35+1.2Mで契約。元アスレチックス、FAで獲得

エンゼルスはマルドナド放出後、経験の浅い捕手しかおらず、捕手の補強はオフのテーマの1つだった。当初はドジャースのYasmani Grandalの獲得レースに参加するのではないかとも言われていたが、結局コストの安いルクロイに落ち着いた(Grandalはブルワーズと16Mで契約)。

2010年にブルワーズでメジャーデビュー。1年目の後半には早くもレギュラーに定着し、堅実な守備と勝負強いバッティングでナ・リーグでも最高の捕手の一人となった。2014年にはナ・リーグMVP投票で4位に入るほどで、オールスターにも2度選ばれている。2016年にレンジャースにトレードされたが、それまで毎年OPS .800前後の安定した打撃成績を残した。

その後ロッキーズ、アスレチックスと移籍したが、残念ながら2017年以降、成績は下降、2018年はキャリアワーストの打率.241、OPS .617、本塁打4本に終わっている。

ちなみに昨年、大谷とバッテリーを組んで、夏にアストロズに移籍したキャッチャーのマルドナドはブルワーズ時代の2012~2016年の5年間、ずっとルクロイの控えに甘んじていた。

 

Kevan Smith(ケヴァン・スミス) 30歳、右投げ、右打ち

シュアな打撃の捕手だが守備に難あり。ルクロイの控えをブリセニョと争う
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1年、0.54Mで契約。ホワイトソックスからDFAされていたのを獲得

2016年にホワイトソックスでメジャーデビュー。昨年までの3年間で打率.281、OPS. 694、本塁打7本の成績を残しているように捕手としてはなかなかの好打者である。しかし一方で守備面に難を抱えている。盗塁阻止率は14%に過ぎず、リーグ平均27%を大きく下回る。ちなみに昨年ゴールドグラブ賞を受賞したマルドナドは49%だった。

エンゼルスではルクロイの控えの座をブリセニョと争うものと思われる。

内野手

Justin Bour (ジャスティン・ボア) 30歳、右投げ左打ち、1塁手
長打力のある巨漢一塁手。プーホルスと交代で1塁を守るだろう
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1年、2.5Mで契約。フィリーズをノンテンダーFAとなっていたのをエンゼルスが獲得

193センチ、115kgの巨漢選手。昨年はマーリンズとフィリーズで141試合に出場し、打率.227、OPS .746、本塁打20本を記録したが、打率.227はキャリアワーストだった。

大谷がもし開幕にDHで間に合わないならばその期間はDHを、大谷復帰後はプーホルスと交代で1塁手を務めると思われる。リーグが変わるので不確定要素が多いが、ツボにはまれば爆発力はある。プーホルスより打ってくれれば御の字だ。

 

Tommy La Stella (トミー・ラ・ステラ) 29歳、右投げ左打ち、内野手
長打力がないので大きな戦力アップにはならない
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1年、1.35Mで契約。シカゴ・カブスからトレードで獲得。交換選手はマイナーの左腕救援 Conor Lillis-White

カブスの控え内野手だった。左打者が少ないエンゼルスなので獲得したのだろう。打率.266、OPS .711はまあまあだが、やや線が細く、5シーズン(947打席)でホームラン10本と長打力がない。長打力のない選手は相手から見て怖くない。よほど打率や出塁率が高いとか、盗塁をたくさん出来るなどの特徴がないと生き残るのは難しいだろう。

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