エンゼルスのここまでのオフの動き、まとめ

エンゼルスの2018年シーズンが終了して2ヶ月が過ぎた。エンゼルスのこれまでの動きをまとめてみた。現在のところ新戦力の獲得よりも、ロースターの整理を優先して行っているように見える。来週ラスベガスで行われるウインター・ミーティング後の動きが注目される。

退団()は年齢、数字は2018年の成績

(1)シーズン終了後にFAとなった主要な選手

  • Jim Johnson(35) 救援投手、右投げ(63.1イニング、防御率3.84)
    大谷獲得のための外国人獲得資金枠を作るためのトレードでついてきた選手。年俸5M。割とよく投げてくれたが安定感は全盛時には遠く及ばず。とにかく投手陣のコマが足りなかったので、1年間ブルペンに残っていたがシーズン中にリリースされても不思議ではなかった。年齢から言っても再契約はないだろう。
  • Garrett Richards(30) 先発投手、右投げ (16試合、5勝4敗、防御率3.66)-> サンディエゴ・パドレスへFAで移籍
    (後述)
  • Junichi Tazawa(32) 救援投手、右投げ(8イニング、防御率2.25)
    成績不振でマーリンズをDFAされたのを7月にエンゼルスが獲得。年俸7M。エンゼルスでは割とよく投げてくれたが完全復活できるだろうか。年俸次第だがエンゼルスとの再契約もあり得る。
  • Blake Wood(33) 救援投手、右投げ(11.2イニング、防御率2.31)
    開幕直後は調子が良かったのだが5月にトミー・ジョン手術を受け、来シーズンまで登板は絶望となった。年俸は1.4M。年齢から言っても再契約は難かしいだろう。
  • Chris Young(35) 外野手、右投げ右打ち(打数113、打率.168、HR6、OPS .615)
    メジャー2年目にダイヤモンドバックスで32本塁打放った実力者もかつての輝きを取り戻すことはなかった。このまま引退となるだろう。
  • Eric Young Jr. (33) 外野手、右投げ両打ち(打数109、打率.202、HR1、OPS .551)
    小柄ながら攻守にガッツあるプレーを見せてくれ、ところどころでいい働きをしていた。しかし年齢と低打率からして再契約は難しいだろう。

(2)チームが契約更新をしなかった主要な選手(ノンテンダー(脚注参照))

  • Blake Parker (33) 救援投手、右投げ (66.1イニング、防御率3.26)
    (後述)
  • Matt Shoemaker (32) 先発投手、右投げ (31イニング、防御率4.94)
    (後述)

(3)リリース(解雇)された選手(DFAを経ないで即解雇。いわゆる戦力外)

  • Luis Valbuena(33) 内野手、右投げ左打ち(打数266、打率.199、HR6、OPS .588)
    エンゼルスでは貴重な左の代打として、またプーホルスを休ませる時の一塁手として起用されていたが成績不振により8月に解雇された。OPSが.588では話にならない。
    しかし衝撃的だったのは12月に故郷のベネズエラで同じ野球選手2人とともに事故に遭い、死亡したことだ。当初は交通事故と報道されていたが、実は物取りによる殺人事件と判明。大谷選手ともじゃれ合った明るい性格のベネズエラ人だっただけにとても残念だ。
  • Jabari Blash(29) 外野手、右投げ右打ち(打数39、打率.103、HR0、OPS .328)
    マイナーではホームランを打ちまくった未完の大器だったが、とうとうメジャーでは芽が出なかった。極端に狭いスタンス、グリップを高く上げ、一本足打法のようにヒザを高く上げる独特のフォーム。大谷選手に匹敵する飛距離を持つのでもう少しエンゼルスで見てみたかった。
    しかし今のスイングでは自分のタイミングでボールが来た時にしかバットに当たらない。大谷選手がノーステップのすり足打法でメジャーの動くボールにアジャストしたように、フォームを変えれば結果は変わったのではないかと思う。
    幸い東北楽天に拾われ、来シーズンは日本でプレーすることになった。大谷に勝るとも劣らない長打力でNPBにインパクトを与えてくれたらと思う。
  • Jose Fernandez(29) 一塁手、右投げ左打ち(打数116、打率.267、HR2、OPS .697)
    苦労の末に今年メジャーデビューした亡命キューバ人。プーホルスのバックアップという位置づけで活躍の場が限られていたのは否めないが、エンゼルスでは数少ない左バッターだし、打率.267も1年目にしては悪くなかった。正直クビにしなくてもよかったと思う。

(4)その他、DFAを経ての退団や移籍など

  • Rene Rivera(35) 捕手、右投げ左打ち(打数82、打率.244、HR2、OPS .726) -> アトランタ・ブレーブスへDFAで移籍
    7月にアストロズへ移籍したマルドナードのバックアップだったベテラン捕手。年齢が年齢だけに仕方がないか。それにしても今年エンゼルスはアリシア、リベラ、マルドナードと3人の捕手のクビを切った。来年の正捕手はブリセニョなのか?もう一人くらい残しておくべきだったと言われないようにしてほしい。
  • Parker Bridwell(27) 先発投手、右投げ(6.2イニング、防御率17.55) -> ニューヨーク・ヤンキースへDFAで移籍
    2017年は20試合で先発して10勝3敗、防御率3.64という将来を期待させる成績だった。しかし今年はヒジの故障に苦しんで何度もDLも入りし、ほとんど活躍の場はなく、マイナーでも炎上することが多かった。放出はやむを得ないところだが、ヒジの具合が良くなればヤンキースで復活するかもしない。
  • Jose Alvarez(29) 救援投手、左投げ(63イニング、防御率2.71) -> フィラデルフィア・フィリーズへトレードで移籍
    (後述)
  • Francisco Arcia (29) 捕手、右投げ左打ち(打数104、打率.206、HR6、OPS .654)
    今年メジャーデビューした遅咲きのキャッチャー。デビュー戦で3ランホームランを放つなど印象的な活躍をした。まだ29歳だし、ルーキー契約で年俸も安いし、ブリセニョと共にこれからのエンゼルスの捕手陣を引っ張って行くと思っていたのでリリースは意外だ。何か問題でもあったのだろうか?
  • Jefry Marte(27) 内野手、右投げ右打ち(打数194、打率.216、HR7、OPS .644)
    左腕が先発してきた時によく使われていたが、やはり打率、OPSが低すぎる。スピードもない。
  • Eduardo Paredes(23) 救援投手、右投げ (18.1イニング、防御率6.38)
    マイナーから上がってきては登板のたびに炎上してマイナーに戻るの繰り返しだった。シーズン途中にリリースされなかったのが不思議なくらい。

(5)トレードによる獲得

  • Tommy La Stella(29) 内野手、右投げ左打ち(打数169、打率.266、HR1、OPS .672)<-シカゴ・カブスからトレードで獲得。交換選手は後日発表
    カブスの控え内野手。打率.266はまあまあだが、5シーズンでホームラン10本と長打力はない。交換選手も後日発表と言うことなのでそれほどエンゼルスのデプス・チャート(選手層)にインパクトを与える選手ではないだろう。左打者が少ないエンゼルスなので獲得したのだろう。

注目される動き

1.ギャレット・リチャーズ(30)がFAでサンディエゴ・パドレスへ移籍

エンゼルスからFAとなっていたリチャーズがパドレスに移籍した。2年契約で17Mと報じられている。今年7月にトミー・ジョン手術を受けたリチャーズは2019年は登板できないので、実質1年17ミリオンの契約のわけだが、もし健康を回復し全盛期のピッチングができるようなら、決して高い年俸というわけではない。

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リチャーズとしては今オフにFA権を取得するのはわかっていたので、2018年に活躍して高額契約をゲットしたかったところだが、それがトミー・ジョンとは最悪の展開になってしまった。30歳で2年契約というのは彼の実力からすれば最悪に近いがやむを得ないだろう。新天地で頑張って欲しいところだ。

2. マット・シューメーカー(32)、ブレーク・パーカー(33)と契約を更新せず(ノンテンダー)

シューメーカーは永らくエンゼルスの先発の一角を担ってきたが、ここ2年は右腕の故障を繰り返し、満足に登板できていない。2018年の年俸は約4Mだったが、回復の度合いが不明なことと、年俸の高騰を嫌い放出したのだろう。やや意外な決断である。年俸を下げての再契約はあるかもしれない。

一方、パーカーは崩壊気味の2018年ブルペンを支えてきた功労者の1人だが、四球も多く、WHIPも1.236と今ひとつでクローザーを任せるにはもの足りなかった。それに2017年に比べると2018年は明らかに成績が下降した。年俸は1.8Mと決して高くはないが、成績の下降と33歳という年齢を考えてノンテンダーにしたのだろう。とにかくピッチャーが足りないエンゼルスなのであと1年くらいは様子を見てもよかったのではないかという気もする。

彼らの放出の決断が凶と出るか吉と出るかは今後の補強にかかっている。もし満足な補強ができなかったら来年の投手陣はいったいどうなるのか想像するのが恐ろしくなる。

3. 疑問符の付くアルバレスのトレード。フィリーズからの見返りは救援右腕のガルシア

アルバレスをフィリーズに放出し、代わりに同じく救援右腕のガルシアを獲得した。しかしこれは極めて意外なトレードだ。アルバレスは今シーズンチーム最多の71試合に登板し、防御率2.71を記録した。シーズンを通して不安定だったブルペンで唯一安定したパフォーマンスを見せていた。しかも唯一人の頼りになる救援左腕だった。登板過多によるケガやパフォーマンスの低下を見越したのだろうか?そうでなければ29歳の左腕アルバレスと31歳でたいした成績も残していないガルシア(防御率6.17)を交換する理由が見つからない。

理由があるとすればガルシアは平均球速97-98マイルのハード・スローイング・ピッチャーで、ゴロでアウトを取るタイプだと言うこと。一方、アルバレスは平均球速91-93マイルの技巧派でフライボール・ピッチャーだ。技巧派よりも剛球派の投手でブルペンを構成したかったのかもしれない。しかし左腕アルバレスがいなくなったので左腕の救援投手は今後是が非でも獲得する必要がある。

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ノンテンダー(Non-tender)
チームが保有権を持ち、メジャー登録枠(ロースター)の40名に入っている選手で、メジャー在籍3年以上、6年未満の選手(つまり年俸調停権を持つ選手)に対して、来季の契約の更新を行わないこと。毎年、12月に行われるウインターミーティングの1週間ほど前の日がノンテンダー期限となり(2018年の場合は11月30日)、球団はその日までに通告しなくてはならない。
契約を更新する選手(テンダー)はそのまま40人枠に残して来季年俸を提示し、契約しないとされた選手(ノンテンダー)はFAとなり、来季の所属先を自由に探すことができる。メジャー在籍6年を超えると自動的にFA選手となるのでノンテンダーFAはそれと区別して使われる。

20代の若い選手であればともかく、30歳を超えてくると成績の伸び代が見えてくる。そうなると例えメジャー枠に入っていたとしても、中途半端な成績しか上げられなければノンテンダーになるリスクが高まる。球団としては、年俸調停権を行使されると年俸が上がりそうな割にあまり活躍が期待できないとなれば、ノンテンダーにしてロースター枠を空け、ペイロール(総年俸)を抑えようとする。

混同されがちだが、DFAは単に40人枠から外すための措置で、引き取り手が現れなければそのままチームに残れる(ただしマイナー契約を甘受する必要がある)のに対して、ノンテンダーは完全に契約しない点が異なる。ただしFAになるので所属チームとも再交渉することはできる。

シーズン中に選手を戦力外にする場合はノンテンダーではなく、Release(解雇)と呼ぶ。

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