エンゼルスの新監督、ブラッド・オースマスが本日会見を行った。それを受け現地メディアも一斉報じている。
OC Register紙はオースマスがデータの分析を得意とし、そこに18年間の捕手としての経験、4年間のタイガースの監督としての経験をミックスして、エンゼルスを変貌させようとしているようだと報じた。
本日の会見でエプラーGMは監督を選考する面接の中では、特定の選手に関しての質問は含まれていないと語った。それはおそらく、トラウトの契約延長問題、プーホルスの処遇、大谷の二刀流挑戦についての話題を意味していると思われるが、本当にそういうことについて一切聞かなかったのだろうか?額面通りには受け取れない。
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実際会見では来年のプーホルスの処遇について突っ込まれたが、明瞭な回答は得られなかった。
OC Registerの記事の日本語訳を紹介しよう。
New Angels manager Brad Ausmus believes he can blend baseball and analytics
(エンゼルスの新監督ブラッド・オースマスは野球と分析学を統合できると信じている)
ブラッド・オースマス 「以前にデトロイト・タイガースの監督になった時、球団から見て自分の魅力的な点の一つは、プレーヤーを辞めてからあまり日が経っていないことだったと信じている」
そして時代は流れ、オースマスは依然としてそういう適性を失うことなく、重要な要素も付加された。
彼は過去から学んでいる。
オースマスはエンゼルスの第17代監督として紹介された時に「以前の私は経験はないが選手の立場に立てるニューウェーブの監督だった。しかし大事なことは、『いつ何時でも経験は自分の助けになる』ということだ。これまで通り選手の立場に立てて、監督としての経験もあるということが自分の強みにならないはずがない」と語った。
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エンゼルスのビリー・エプラーGMは、球団が求めるありとあらゆる適性を49歳のオースマスはパーフェクトに備えていると考えて、エンゼルスの監督を任せることにした。要約すると、球団が探していた人物は、選手とコミュニケーションを取ることが出来ると同時に、現代の野球の持つ分析的動向を理解できる人材だった。
本質的には、クラブハウスの選手の世界と、分析室で計算を行うアナリスト達の世界の両方がわかる人間を欲したのだ。
ダートマス大学を卒業したオースマスによると、18年間のメジャーでの捕手生活の間、まだ分析手法というものすらない時代から彼は分析的な手法を駆使しており、それは正しい方法だったとは信じている。
オースマス 「私は数字を求め、そこに自分の選手としての経験をミックスして頭の中で考えをまとめる。そして(競馬の予想のように)『これをダートで当てはめるには?芝の上では?』と自分に問いかける。それはユニークなやり方だ。数字を求め、その意味を理解する、それは最近の監督なら必須のことだ。アルゴリズムまで書く必要はないが、理解してフィールド上のプレーヤーに落とし込むことは必須だ」
オースマスがタイガースの監督になった時、強豪チームを受け継いだ彼は最初のシーズンに地区優勝をした。その後、経営陣はチームが老いていくのに任せ、オースマスは314勝332敗という成績に甘んじなければならなかった。
タイガース時代の彼は負け越しの成績しか残せなかったが、今回はその経験が役立つと感じている。
オースマス 「クラブハウス内での経験、もしくはフィールド上での戦略的な経験を積むことは、それは頭の中で後から振り返るよりも、はるかに反射的な性質になるものだ。即座に反応できるのだ。速やかに適切なアクションを取らなければどんな結果になるかわかるようになるのだ」
デトロイトでの監督生活に加えて、この1年エプラーGMのスペシャル・アシスタントをこなしてきたことで、オースマスは野球に対しての新しい考え方も得てきた。
オースマスはスプリングトレーニングの時にはフィールドにいたし、シーズン中は選手の育成部門、スカウティング部門、分析部門まで、球団経営にかかわるありとあらゆる場所に足を踏み入れた。
エプラー 「彼は全ての球団経営について一段高いところから見ることが出来るようになった」
今シーズンはエプラーとオースマスは常に帯同して、野球に関わることから個人的なことまで大いに理解を深めてきた。二人ともサンディエゴにルーツがある。エプラーはサンディエゴで育ち、オースマスはサンディエゴに25年住んでいた。二人ともサーファーで、「もしかしたらどこかのビーチで会っているかもしれないな」とエプラーは言った。
オースマスは今年、エプラーと多くの時間を一緒に過ごしたにもかかわらず、マイク・ソーシア監督の後釜を決めるためのインタビューを開くとエンゼルスが公式に発表したことで、彼もそこに参加しなければならなかった。
エンゼルスは2時間の筆記を含む計9時間にも及ぶインタビューを行い、オースマスはそこで10人の監督候補の一人だった。
「実はまだ選考中なんだ。あと4週間から6週間はかかりそうだ。候補者はその後に手紙で結果を受け取ることになるだろう」とエプラーはジョークを飛ばした。
エプラー 「筆記テストの目的は候補者が状況をどのように分析して答えを導き出してくるかを知ることだった。我々は彼らの思考過程ほどには、その答え自体にはあまり関心はなかった。また特定のエンゼルスの選手や現在のベンチ入りメンバーの状況についての質問は行わなかった。これらの事については今後調べる時間はたっぷりある。我々に必要なのは、各候補がどのように思考し、どのように問題解決を図っていくかを知ることだった」
しかし月曜日、オースマスはカギとなる選手についての質問に直面した。ヒザの手術からカムバックを図り、まだ3年の契約が残るものの明らかに力の衰えているアルバート・プーホルスをどのように処遇するかだ。
オースマス 「手術後のアルバートの状況については情報がない。だからスプリングトレーニングで彼の状態を見てみてから決断をすることになるだろう」
近日中にオースマスとエプラーはコーチングスタッフの陣容を固めなければならないが、2~3週間はかかるだろう。
ソーシア時代と比べてフィールド上ではどのような違いを出すのかオースマスは多くは語らなかった。先発を短いイニングで引っ込めること、送りバントはあまりしないこと、相手との相性などの点については現代風の分析的思考から答えを出すつもりのように見えた。
しかしオースマスのゴールはソーシアとも他の監督とも違いはない。
オースマス 「私は18年間を選手として、4年間を監督として過ごしたがワールドシリーズのリングは持っていない。私はワールドシリーズのリングが欲しい。それが私のゴールだ。評論家がなんと言おうが気にしない」
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