デトロイト紙:もしオータニがダル以上だったら、別の星から来たに違いない

久々に大谷選手が先発する日がやってきた。ここまで4勝1敗だが、リリーフに勝ちを飛ばされたのが2試合もあるので、実質6勝していると言ってもいい。今回もスカッとした快投を見せて欲しい。

一方で、先週までは投手大谷を見られるとは思っていなかったタイガースとデトロイトのファンは突如実現した投手大谷対タイガース打線の試合に心を躍らせているようだ。大谷の先発が発表になるや、インターネットのチケットサイトでは水曜日の試合はメジャーの試合で最も多く検索されたチケットになった。またタイガースの営業サイドも大谷効果で開幕戦以来の満員御礼を狙っているようだ。

ちなみにStubhub.comで見てみると、タイガースのホームComerica Parkで、今日の試合はネット裏の一番良い席でも50ドル以下で売られている。どう考えてもエンゼルスタジアムの半分以下だ。うらやましい。

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現地のメディアはタイガースの選手に大谷についての感想をインタビューしており、もしダルビッシュ以上の投球をするようなら「彼は別の星から来ているに違いない」とのコメントも紹介されている。

現地の興奮の様子をデトロイトの地元紙「The Detroit News」が伝えている。日本語訳を紹介しよう。


Tigers, fans will get look at Angels’ 2-way sensation Shohei Ohtani
(タイガースもファンもエンゼルスの二刀流旋風、ショーヘイ・オータニを見られる)

火曜日の5時過ぎ、それは公式なものとなった。ついにエンゼルスはショーヘイ・オータニが水曜日の夜の先発投手だと発表した。やったぜ!

シャンパンを抜く音が聞こえたら、それはタイガースのチケットオフィスからのものに違いない。

メジャーでの最新のセンセーション、それはあのふとっちょベーブ・ルース以来の初の二刀流選手オータニだ。ルースがタイガース相手に投げたのは99年前のことだ。おかげでタイガースは開幕戦以来となる今期2番目の大入りを期待している。

タイガースの来場者は開幕以来28,000人を超えたことがないが、いわゆる「Sho-Time」と呼ばれるセンセーションで多くの観客が来ることを期待している。火曜日のエンゼルスの発表から30分もたたないうちに、チケット販売サイトStubHubでは明日のエンゼルス対タイガースの試合は最も多くの人が検索したメジャーリーグのチケットとなり、その後何時間もその状態が続いた。タイガースのコミュニケーション担当副社長はあまりツイートはしないし、したとしてもタイガースの話題だけだったが、今回はエンゼルスの先発投手発表についてツイートして、もちろんチケットへのリンクを貼り付けた。

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なぜかと言うとオータニが先発した7試合のうち5試合は大観衆が押し寄せたからだ。一番すごかったのは4月17日のホームゲームで、エンゼルスタジアムは44,822人の観衆で埋まり、比較のために言うと翌日は34,508人にすぎなかった。

4月24日のヒューストンでは36,457枚のチケットが売れたが、その前日は29,606枚、翌日は29,777枚しか売れなかった。

オータニは1976年のマーク・フィドリッチ(タイガースの伝説的ルーキー)ほどの人気はまだないが、投手としての数字、そして打者としての成績を見ると、もし今ア・リーグの新人王投票があれば、ブッちぎりの当選だろう。このままオータニの活躍が続いたら必見である。

ミシガン州中部を本拠とするチケットブローカー「The Ticket Machine」のブライアン・ポージー社長は「まだ多くの人は彼のことを知らないが、今の成績を続ければ、間違いなく客を呼べるスターになる」と語った。

午後8時の時点では、オータニ効果で明日の試合のチケットがどのくらい売れたかタイガースからのコメントはない。

二刀流

草野球のレベルではピッチャーとバッターの二つをこなすというのは当たり前のことだ。リトルリーグになると多くのチームで最高の選手はエースであり、同時にショートのレギュラーでもある。高校でも同様だ。大学野球においても最高の投手は毎試合打線にも組み込まれて好打者であることがある。メジャーのドラフトにかかる選手でも両方をやりたがる選手はおり、チームも最初のうちは両方をやらせるが、そのうちどちらかに絞るように上から言われてしまう。

シンシナチ・レッズから2017年に2位指名されたハンター・グリーンを見てみると、去年は両方やっていたが、今年は投手に専念している。

メジャーリーグにおいて1年を通して二刀流をやるということは、ユニコーンを見つけるくらい難しいことだ。

もちろん、打者の中には選手生命を伸ばそうと投手に転向する例はある(アンソニー・ゴースみたいに)。もしくはその逆のことも(リック・アンキールがそう)。まれではあるがナ・リーグのピッチャーには打撃が良く、時としてピンチヒッターになる投手がいる(マジソン・バムガーナーなど)。野手が投手を務めることもたまにあるが、ほとんどはボロ負けの試合でのことだ(ドン・ケリーが投げるのを見たろ!)。

1年を通して、そしてハイレベルで二刀流を行うことはあり得なかった。実際、思い浮かぶのはベーブとオータニだけだ(オータニにはピンとくるニックネームがまだない)。

だからこそ全米のファンが一体どんな騒ぎなのかと見たがるのだ。今週のタイガースの放映をするFox Sports Detroitはある若いタイガースファンにインタビューをした。彼はエンゼルスの帽子をかぶり、好きな選手の一人にオータニをあげていた。

まだニュースがある。選手たちも興味津々なのだ。

火曜日の午後のタイガースのクラブハウスで、タイガースのジャコビー・ジョーンズ外野手は大きな笑みを浮かべて「オータニと対戦してみたいよ。オータニみたいな選手は是非見てみたい」と語った。それは本当に笑顔だった。水曜の試合後にも笑えるかはわからないが。

「彼はマウンドでは100マイルの球を投げて、ホームランもかっ飛ばすんだろ」

「メジャーにもそんなやつはいないよ」

23歳のオータニは昨オフ、もっとも引っ張りだこのフリーエージェントだった。それは実力があるからというよりも、二刀流の宣伝効果が球団の売り上げに貢献すると思われたからだった(チケットセールスやユニフォームの売り上げを考えればわかる)。

右投げ左打ちのオータニは日本で4年間プレーした後、12月にエンゼルスと契約し、プレスカンファレンスを開いたが、そこで彼の南カリフォルニアでの存在感を垣間見ることが出来た。プレスカンファレンスにものすごい数のファンが集まったのだ。普通ファンはプレスカンファレンスになんかやって来ない。

オータニのメジャーでのスタートは不振で、キャンプでは投打ともに精彩を欠き、疑問を投げかける人が数多く現れた。

しかし公式戦が始まると3試合目にホームランを打った。そして4試合目と5試合目にも。

投球では、最初の先発で勝ちを収めた。そして2試合目、7回を1安打に抑え、みんな仰天した。

今シーズン30試合で、オータニの打撃成績はホームラン6本、20打点、OPS .929、投げては7試合先発して4勝1敗、防御率3.35、WHIP 1.066である。数字を見る限り、タイガースの一員ならば、最高のバッターで、最高のピッチャーだったし、他のチームでも同様だ。

これは冗談ではなく、今週初めに、タイガースのロン・ガーデンハイアー監督は、エンゼルスのマイク・ソーシアがオータニの扱いに頭を痛めているのではと聞かれて「そんな問題にオレも頭を痛めてみたいよ」と答えた。

エンゼルスはオータニの負荷に目を光らせており、通常中5日のところを中6日で毎週日曜日に登板させていた。水曜日の先発は中10日となる。登板日の前日と翌日はバッティングオーダーには載らず、ピンチヒッターとして時々出る。(月曜日の試合ではオータニはバットを手にとってピンチヒッターの準備をした時もあったが、結局打たなかった)

誰にも正しい起用法はわからない。ベーブ・ルースの最後の監督だったボストンのエド・バローは65年前に亡くなっているから、電話して聞くこともできないよ。

もっとも、ほとんどの試合でルースがバッターボックスに立つのは自分が投げる時だけだった。

「彼のプレーを見たい」

タイガースでは2年目のジョーンズよりもずっとキャリアの長いレオニス・マーティン外野手はここまで558人ものピッチャーとメジャーで対戦してきた。だから彼はジョーンズよりはオータニと対戦することに冷静だった。

マーティン「彼はメジャーでも別種の人間だよ」

すぐ近くのロッカーでずる賢く盗み聞きしていたミゲル・カブレラは「オータニはデトロイト・タイガースと対戦したら興奮するに違いない」とジョークを飛ばした。

しかし、マーティンの「別種の人間」というコメントには不敬の感じはなかった。そう言ったのも水曜日の試合後には意見が変わるかもしれないということをわかっているからかもしれない。

マーティン「彼のプレーを見てみたいね。もしクリス・セールやユー・ダルビッシュよりも良い投手だったら、他の星から来たに違いない」

タイガースの選手はオータニの才能に驚愕するだけでなく、そのためにはどれほど準備をしなくてはならないかにも驚いている。打者は相手投手を分析するためだけに何時間もビデオを見る。このカウントではどんな球を放るのか、別のカウントでは、またランナー1、3塁のときはなどなど。ピッチャーは毎日の詳細を記したスカウティング・レポートを何時間もかけて読み込む。

さらに、オータニはリーグのすべてのバッターとピッチャーについて知る必要があるのだ。

ジョーンズ「それは恐ろしく大変な仕事に違いない」

マーティン「そんな状況は想像したくもないよ」

試合に出たら毎日のようにオータニに課される日本語と英語による記者会見が大変なのは言うまでもない。オータニ以上に記者会見をするのは1日2回やる監督くらいのものだ。

カブレラは大げさに感動したわけではないようだ。

「彼には通訳もいる!」とカブレラは再び礼儀正しく語り、優しく笑った。

一方で、タイガースはオータニがどのくらいチケットセールスに貢献してくれるのか知りたがっている。

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