LA Times紙:オータニ・フィーバーは熱くなる一方!

現地4月5日、地元紙LA Timesは、シーズンに入ると一転して桁違いの盛り上がりを見せるオータニ・フィーバーをスポーツ面トップで報じた。日本語訳を紹介したい。


Ohtani fever is heating up
(オータニ・フィーバーはヒートアップしっぱなし)

ダンカン・ハリントン君はエンゼルスのチームストアの床に座り込んで、オモチャの赤いバットをクルクル回していた。その時、彼の父親はショーヘイ・オータニのTシャツを買っていた。

ダンカン君は6歳だ。水曜日まで彼はオータニを見たことがなかったが、オータニがスーパーヒーローだということは知っていた。

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ダンカン君
「オータニは1試合で25本ホームランを打ったよ」

我々が理解できることではない、少なくともまだ理解できない。

しかしメジャー最初のスイングでヒットを打つ、デビューのマウンドでチームの勝利を呼ぶ、次の試合でメジャー第1号を打つ、そしてその次にはサイ・ヤング賞投手からかっ飛ばす、そんな現実の世界はまるでテレビゲームのようだ。

彼にはメジャーの第2週目すらまだ始まっていない。

アルバート・プホルスは殿堂入りを約束されているのだろう。アンドレルトン・シモンズは世代最高の守備の名手かもしれない。マイク・トラウトは現在の最高のプレーヤーかもしれない。

少なくとも、もうしばらくの間はそれらは確実でないかもしれない。これらのすごい男たちが南カリフォルニアのオータニ・マニアというショーの脇役である。

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イチロー、ヒデキ・マツイ、ユー・ダルビッシュ・・・エンゼルスの監督、マイク・ソーシアは過去の偉大な日本人プレーヤー達が巻き起こした騒動を思い出していた。

ソーシアにはもっと巨大な比較対象が必要だった。オータニがどこまで行くのかその予想は桁違いに大きくなるばかりだ。

ソーシア
「ここまで期待が大きくなると、ケン・グリフィーJr.かマイク・トラウトを比較対象にするしかないな。ショーヘイにはもう一つ評価すべき面がある。つまり二刀流選手だということだ。二刀流への人々の関心は高い。彼がどこまでやれるのか見たいのだ」

彼が打つ!彼が投げる!オー・マイ・ゴッド!

キャンプでオータニは32打席立った。ヒットは4本でホームランどころか2塁打さえもなかった。

そして、本当の「ショー・タイム」が始まった。最初の14打席でオータニは6本のヒットを打ち、それには2本のホームランが含まれる。そのうちの1本はクリーブランド・インディアンスのエース、コリー・クルバーから打ったもので、クルバーは過去4年で2回のア・リーグのサイ・ヤング賞を受賞しており、過去4年全て投票のトップ10に入っている。

水曜日のエンゼルスの得点は3点。センターの深いところを襲ったオータニの1発でそのうち2点を稼ぎ出した。

まだ時期尚早で、サンプルも少ないが、水曜の夜の時点で、ア・リーグでオータニより打席数が多く、高いOPSをマークしているのはわずか5人しかいない。

キャンプ時点で、オータニについては2つの考え方を持つグループがあった、もしくはそのように見えた。オータニがメジャーの投手の球を打つにはアジャストするためにそれなりの時間がかかると言う人たち、もう一方は全く打つことは出来ないだろうと言う人たちだ。

水曜日はこれらの批評家への反撃だったのか?

オータニ
「批判する人たちに何かを言うつもりはありません」

彼は肩をすくめた。してやったりという表情も見せない。気にしていないように見えた。オータニはキャンプで結果が良くなかった。だからそれについて何か書かなければいけない人たちがいたと彼は言った。

チームメートのザック・コザート
「興奮してるよ。だって彼はキャンプの時にメチャクチャ叩かれていたから。まだスプリング・トレーニング中に過ぎないのにさ。それを考えるととても感動的だよ。彼にはすごいプレッシャーがあった。彼はそれを弾き飛ばしたんだよ」

水曜日、エンゼルスタジアムの至る所で『オータニ』を目にした。

ホームプレートのすぐ裏の席で日本の旗を振っているファンがいた。巻き寿司とトンカツを売る売店があった。チームストアでは男性用Tシャツが34.99ドル、女性用が39.99ドル、そして赤/グレーのツートンカラーのTシャツは49.99ドルで売られていた。

ライトの巨大な電光掲示板にはJALの広告が5回も流れ、「世界で一番時間に正確な航空会社です」との宣伝文句を流していた。

テレビでオータニ・ショーは見逃せない。南カリフォルニアのほとんどの家のテレビで(ドジャースの)クレイトン・カーショウが見られなくなって5年もたつのだからなおさらだ(脚注1)。

新しいニュースを聞けるかもしれない。例えば、「オータニはピッチャーの時とバッターの時では登場時の音楽を別の曲にしました」

彼は打席に入る時はイギリスのシンガー・ソングライターOlly Mursがフィーチャーしたアメリカ人ラッパーTravie McCoyの曲『Wrapped Up』が流れる。

投げる時はオランダ人プロデューサーAfrojackがリミックスしたロサンゼルスのバンド Thirty Seconds to Mars の曲『Do or Die』がかかる。

これは事実だが、オータニは『エンジェル』という語が入った曲を選曲したのだ。

♪In the middle of the night
when the angels scream
I don’t want to live a lie that I believe♪

こんな歌詞でスタートし

♪Time to do or die.
I will never forget the moment♪

日曜日、彼の初めてのホームでの先発、この曲が聞こえるだろう。彼も決してその瞬間を忘れまい。

(脚注1) ドジャースの試合をテレビで見ることが出来ない
2013年、ドジャースはケーブルテレビ番組の配信会社Time Warner Cable(TWC)社と主催ゲームのテレビ中継について、25年、83.5億ドル(9000億円)という超高額の放送契約を結んだ。TWCではこの金額を回収するために、2014年のシーズン前、他のケーブルテレビ局に対して「1世帯あたり月額4ドル(推定)」という配信料を提示した。ところがTWC以外のケーブル局は「あまりに高すぎる」と猛反発してドジャースの試合の配信を拒否してしまった。
その後、この交渉は完全に暗礁に乗り上げ、それ以来TWC以外のケーブルテレビに加入している世帯(ロサンゼルスの70%の世帯と言われている)ではドジャースのホームゲームは見ることができなくなってしまった(各世帯で別途追加料金を払えば視聴可能)。
ちなみに、ロサンゼルスでは地上波はほとんど普及していないので、テレビを見るならケーブルテレビ局と契約する必要があるが、好きなケーブル会社を選べるわけではない。各ケーブル会社は地域独占に近いテリトリーを持っていて、住んでいる場所によって選択できるケーブル会社は限られているからだ。TWCのテリトリー外であれば、TWC以外のケーブル会社と契約するしかなく、ドジャースの試合を見るには、基本料金とは別にプレミアムが必要なのだ。なおプレーオフやドジャースのアウェイでの試合は基本料金だけで見ることができる。
一方、エンゼルスの試合はホーム/アウェイとも基本料金で視聴可能。ありがたいことだ。というかドジャース・ファンが気の毒だ。

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