LA Times紙:負け犬の遠吠えか?カーショウらが語った大谷争奪戦

現地3月8日、地元紙LA Timesは朝刊1面トップ(スポーツ面トップではなく)でドジャースが大谷獲得に失敗した時のことを振り返り、12月にLAで行われた大谷との個人面談に駆けつけたエースのカーショウら3選手とロバーツ監督のインタビューを取り上げた。

いずれも「大谷と面談した時にはすでに彼の腹はDHのあるア・リーグで固まっていたように思え、自分たちの労力は全くムダだった」と語った。

LA Times紙は昔からエンゼルスに比べてドジャースに肩入れしている。例えばスポーツ面のトップを飾る記事はエンゼルスよりもドジャースの方が圧倒的に多い。エンゼルスの記事は常にドジャースよりも控えめの扱いだ。カーショウが昨日の試合で大谷から三振を奪ったことで溜飲を下げ、獲得に失敗したドジャースの負け犬の遠吠えに新聞も加担しているように見える。

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もっとも、管理人は大谷のエンゼルス入団の確率は高いと以前から予想していたが、その理由の1つはやはりDH制の存在である。大谷は最初はナ・リーグ入りも考えていたとは思うが、各チームのプレゼンを重ねるうちにDHのあるア・リーグの方が二刀流追求には現実的だと思った、もしくはエンゼルスからDHと先発という提案を受けた後では、代打で出場とか守りながらリリーフで登板というナ・リーグからの提案は魅力に乏しかったというところが真相ではないだろうか。

参考投稿:MLB情報:エンゼルスの大谷移籍のコスト (2017年12月10日)

日本語訳を紹介したい。


Dodgers believe pitch to Ohtani was waste high

(ドジャースはオータニに傾倒したのはムダだったと信じている)

12月初旬、永年にわたって獲得しようとしていたある野球の天才がその結論を出しつつある時、ドジャースの3人がセンチュリー・シティにあるクリエーティブ・アーティスト・エージェンシーのオフィスに近づいていた。

クレイトン・カーショウは結婚記念日のその日、ダラスから飛んできた。ジャスティン・ターナーは自分の結婚式の準備を抜け出してきた。クリス・テイラーはバージニア・ビーチから早朝のジェット機でやってきた。彼らはたった一つの目的のためにフロントオフィスのメンバーと合流した。それはショーヘイ・オータニをドジャースに入団させるよう説得することだ。

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ドジャースはオータニが日本の北部の田舎の県の高校1年の時からスカウト活動を続けてきた。オータニはこの冬、23歳の天才としてロサンゼルスに現れた。彼はベーブ・ルース以来誰もやっていない芸当をやろうとしている。最高の野球レベルにおいても二刀流を計画しているのだ。それにふさわしいチームを選ぶべく7球団に個人面談を求めた。

その会議に同席した人によれば、ドジャースの代表者たちは3時間にわたってオータニを説得しようと試みた。彼らはドジャースの過去と未来について熱く語った。ロサンゼルスがいかに快適か太鼓判を押した。オータニが何を考えているのかそのヒントを探そうとしたが、その答えはわからずじまいだった。オータニはすでに考えを固めていたようにも見えた。

ターナー「時間のムダだと思った」

数日後、オータニは決断した。南カリフォルニアに行こうと。それはエンゼルスだった。

カーショウ「全く壮大なムダだった」

オータニの発表はカーショウを驚かせることはなかった。オータニは2014年以来レギュラー野手としてはプレーしていなかった。エンゼルスはオータニにDHとして打たせるチャンスを訴え、それはドジャースのようなナショナル・リーグのチームには不可能なことだった。オータニはテンピ・ディアブロ・スタジアムで行われた水曜日のスプリング・トレーニングでの試合にDHとして出場し、12月以来初めてカーショウと相まみえた。カーショウはオータニに対しては恨みは持っておらず「とても尊敬に値する男」と述べた。一方で、オータニの代理人ネズ・バレロに対してはその秘密主義的なプロセスに不快感を露わにした。

バレロは、ドジャースとの会談前にすでにオータニの気持ちは決まっていたのではないかという指摘に対しては「あり得ないこと」と断じた。

カーショウはマウンドでオータニに対しては完璧な投球を披露した。3回、カーショウは2ストライクから素晴らしいカーブを投じた。オータニはそれを見逃し、ボールはキャッチャーミットに吸い込まれた。審判は拳を突き上げ、オータニはダッグアウトに戻る時に恐れ入ったと白い歯を見せるだけだった。

球場の2階にあるスイートルームで、ドジャースの編成部長アンドリュー・フリードマンはその打席を見ていた。彼はかつてオータニを熱く追いかけていたことを思い出すつもりもなかった。獲得の失敗については外交的な姿勢に終始した。

フリードマン「ナショナル・リーグを売り出すことは我々には難しかった。非常に困難な仕事だったが、努力する価値はあったと思う」

オータニのこの春の学習曲線は急勾配である。打者としては11打数1安打。ピッチャーとして初めて投げた試合ではホームランを喫し、2回を投げきることができなかった。彼の能力は依然としてものすごいものがあるが、メジャーリーグレベルではまだ証明できていない。

エンゼルスはオータニを使いこなすために多くのアジャストメントを取り入れた。登板間に多めの休養を与えるために、6人制ローテーションを実験しようとしている。38歳のベテラン、アルバート・プホルスはDH専門だったが、エンゼルスは彼に2015年以来となるレギュラー1塁手としての出場を打診している。オータニが投げる日はマイク・ソーシア監督がベンチから使えるプレーヤーは少なくなる。

これらの妥協策はドジャースの統治原理としてはとても受け入れられないものだ。カーショウを別にすれば、ドジャースがチームとして個人のために特別なことをすることはまずない。カーショウだけは自分を独りにしてくれとチームによく要求している。デーブ・ロバーツ監督は日替わりでバッティングオーダーをやり繰りし、先発投手の投球回数を少なくし、ブルペン投手には具体的な役割を与えずに使っている。ドジャースは全てにおいて集団主義を説いている。しかし、チーム関係者はエンゼルスのアジャストメントはオータニに利するだろうと感じている。

ロバーツ監督「一人の特別な選手のために多くのやるべきことが出来、同時に他の選手には多くの犠牲を強いるだろう。誰にでもしてあげられることではなく、特別な才能の人にだけ許されることだろう。オータニは特別なタイプの選手なんだろう」

オータニの価値はその能力だけではない。メジャーでの挑戦を切望し、オータニは25歳になる前に日ハムを出ることを選んだ。メジャーリーグのルールではオータニはごくわずかの契約金とルーキーレベルでの契約しか結ぶことが出来ない。経済的なリスクは極めて小さい。一方でその見返りは膨大になる可能性がある。

Dodgers felt they never had a decent chance

(ドジャースはまともなチャンスはなかったと感じている)

フリードマンはオータニをどのように使うべきか何年も考えてきた。そして昨年8月にスカウトチームと一緒に日本を訪れた。フロントではオータニを獲得する方法と彼をロースターとクラブハウスに溶け込ませながら育てるプランを見つけようと何百時間も費やしてきた。スタッフはオータニの嗜好や習慣まで調べ上げた。オータニは巨額契約などなくてもいいと思っているようだった。もしお金の問題でないとしたら、どうすれば彼に気に入ってもらえるのか?

12月1日、オータニは契約可能になった。旋風が巻き起こり、各球団は先を争って彼の獲得に動いた。オータニは候補を7チームに絞った。ドジャース、エンゼルス、カブス、ジャイアンツ、パドレス、レンジャース、マリナーズだ。カブスを除けば全て西海岸のチームで、アメリカン・リーグのチームは3つだけだった。

短い期間の中でオータニへの個人的なプレゼンを考えたドジャースはカーショウ、ターナー、テイラーを呼び出した。フリードマンは否定しているが、テイラーを呼んだ理由は彼はマリナーズからトレードされて来たため、有力候補のマリナーズを批判的に語れるからという噂もある。

三人の選手は、フリードマン、ロバーツ監督、ザイディGM、カステン社長、コンディショニングコーチのマクダニエルらのグループに加わった。それぞれが異なる観点を担った。ターナーはチームのカルチャーについて熱く語ったが、オータニと繋がりを作れたとは思えなかった。

ターナーは強めの罵り言葉を交えながら「彼はまるでそこにいないかのようだった。我々は窓に向かって話しているようだったよ」と語った。

ひとつ、ターナーは思い出した。「オータニは打つとの投げるのと本当はどっちが好きなんだ?と聞かれて、『どっちでも監督の言うようにやる』と言ったんだ。カモーン!」

カーショウも同じような断絶を感じた。明らかにオータニは10代の頃にプレーしていた外野手に戻ることには全く興味を持っていないと思った。カーショウは代理人のバレロはその点をハッキリさせるべきだったと非難した。

カーショウ「オータニがDHを望んでいることは最初から決まっていたように思えた。代理人のせいで自分らの努力と時間がムダになったことには本当に頭にきたよ。ナ・リーグの15チームは最初から相手にするべきじゃなかったんだ。ナ・リーグの誰もがこの点についてきっとフラストレーションがたまったと思うよ。多くの人間が多くの時間を費やし、何がオータニの望みなのか知ろうとし、彼を獲得しようとここにやってきたんだ」

オータニはドジャースのプレゼンについてどう感じたかを明かすことは拒んでいる。通訳のイッペイ・ミズハラによると決定のプロセスについてオータニが話すことはできないという。バレロは我々に送ってきた電子メールの中で自分のクライアントを守ることを述べている。

バレロ「最初からショーヘイと公平なプロセスを踏むことで完全に合意していた。彼は自分を望むチームに嘘偽りのない情報を求め、自分も正直な態度で臨んだ。オータニはプレーする気もないチームにも面会を求めたなどという噂は全く根拠がないし、彼の倫理観に対する侮辱だ。実際、個人面談に呼ばれたチームはナショナル・リーグのチームの方が多いじゃないか」

ロバーツ監督は面談が終わった時、選手たちとは違った印象を持っていた。
ロバーツ監督「プレゼンの時、彼は戦闘状態に入っているかのようだった」
しかし結局は選手たちと同じような結論に至った。「すでに決めていたんだと思うよ。アメリカン・リーグに行きたかったのさ」と言って肩をすくめた。オータニにしてみれば、ドジャースができることは限られていると感じていたのだろう。

ロバーツ監督「それでもドジャースは球界で最高のチームだと思っている。彼の決断だ。彼がよくやってくれることを望むよ。彼についてはもう済んだことだ」

 

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