LA Times紙:「今日はまあ、初日。次はバッティングショーだ」

現地2月24日、大谷選手がついにメジャーのマウンドでデビューした。結果は1回と1/3イニング投げただけで、球数は31球、失点2(自責点1)、被安打2(2塁打とホームラン)、四球1。直球を主体に投げたが、コントロールが安定せず明らかなボール球が多かった。気温13度とアリゾナにしては肌寒く、ベンチの中ではかなり寒かったようで、それも原因の1つのようだ。

次回はDHとして打者デビューが期待されている。

現地のメディアも多くの紙面を割いて大谷の投手デビューを報道しており、ちょっとしたフィーバーになっている。LA Timesのコラムの日本語訳を紹介したい。

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Well, it was a start

(まあ、今日は初日にすぎない)

Anticipation is high, but Ohtani’s fastball is flat in brief, uneven effort.

(期待は高いが、オータニの速球は、要するに単調でムラがある)

 

5球目をセンターフェンスへ打ち返された。ボールはコカコーラの看板を越え、ピクニックでくつろいでいる人々の中へ飛び込んだ。

29球目はレフトフェンスを超えてかっ飛ばされ、ローン会社の看板を越え、毛布や飲み物の広げられたところへ着弾した。

うーっ、オータニっ!

土曜日、テンピ・ディアブロ・スタジアムでの彼のデビュー戦は、この時期の試合を見に来る人にとっては最高のアトラクションだったが、お土産を買うには良かったものの、内容はお寒いものだった。

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ショーヘイ・オータニはブルワーズの7人のバッターと対戦し、その殆どで苦しんだ。彼の193センチの身体はマウンドでは堂々としていたが、速球は単調だった。フォームは滑らかだったが、内容は議論の余地なくドタバタだった。

1回と1/3イニングでツーベースと本塁打を許した。四球が1つ。ワイルドピッチもあり失点に繋がった。7人中5人は初球がボールになった。三振は2つ奪ったが、キリキリ舞いさせることはできなかった。31球のうち空振りはわずかに2つだった。結局、ベーブ・ルース以来の二刀流に挑戦する23歳のルーキーは見ている人に対して最大の疑問を残した。

OK、それで、いつ彼は打つの?

試合後のオータニ「結果は別にして、あそこで投げられて楽しかった。順調に来ていると思う」

楽しいどころではなく、ライトフェンス後方に設けられたテントでは100人近くものメディアによる試合後のニュース・カンファレンスは、世界の大きな注目だった。

野球の記者をやって35年になるが、スプリング・トレーニング2試合目で、デビューしたピッチャーに対してこれほどの大騒ぎになるのは記憶にない。

「将来に対して、何か希望を持てることはあったか?」

多くの日本のメディアの一人がオータニに聞いた最初の質問だが、こんなのは聞いたことが無い。

たった20分投げただけだよ。

オータニに関してすぐに判断を下すのはフェアじゃない。彼はまだ若く、マウンドに上がる1時間前にはチームメートと笑いながらドミノをやっていた。去年は独身寮に住んでいた。230万ドルの契約金に加えて、54万5000ドルのメジャーの最低保証年俸で働く。

しかし、二刀流の能力に恵まれていることは期待通りであることがわかった。野球界が注視する間は、彼のやることなすこと全てが解剖されるだろう。日本から来たファンは大声援を送り、全てに結論を求められる。エンゼルスではピッチャーとして優先的に起用すると言っていた通り、彼は土曜日のマウンドに上り、凍えるような気温だったが、送られる視線は熱かった。

これはエンゼルス史上、おそらく最大のスプリング・トレーニングでの試合だっただろう。アメリカと日本でテレビ中継され、あまりにも記者の数が多く、中庭のプレスボックスから溢れ出していた。プレーボールの直前までホームプレートの裏にいたカメラマンたちに対して、エンゼルスの係員が退場を求めた。

エンゼルスのキャスターを17年務めるホセ・モタ氏曰く「こんなのは見たことがない。エンゼルスのキャンプでこれほど多くの注目を集めたのはかつてないことだ」

一方で、エンゼルスのスプリング・トレーニングの歴史上、これほどまでにダッグアウトが混雑したのもかつてない。エンゼルスのレギュラー陣もオフタイムのゴルフに行こうとはせず、ユニフォームを着て試合を見ようとしたからだ。

ザック・コザート3塁手「誰もが関心を持っていた。誰もが彼を見たかった。彼が投げるのを見てみたかった。二刀流なんて誰も見たことがないからね。素晴らしいよ。みんな興味津々だ」

期待とは逆に、オータニは先頭のジョナサン・ヴィラーにツーベースを許し、四球を挟んで、暴投とマーチン・マルドナド捕手の悪送球もあって先制点を与えた。

ヴィラー「ハードに投げるピッチャーだ。でも直球の球筋はストレートだね」

オータニはブレット・フィリップ外野手を三振に討ち取ってイニングを切り抜けたが、フィリップに機能しない直球をファウルされ、速球勝負を捨てた直後、フラストレーションのあまり大声を上げた。

フィリップ「オータニの『オオオッ!』と叫ぶのを聞いたよ。何てことだ、彼は抜いたボールで勝負に来たんだ。速球にはもう少しコントロールが必要だったかもしれない。何しろ今日はボールが動いてなかったからね」

オータニがベンチに戻ってきた時は自信があるように見えた。しかし、その裏のエンゼルスの攻撃に時間がかかり、ベンチに座っている間は寒かったそうだ。日本ではダッグアウトの前でキャッチボールをしてもよかったらしいが、メジャーではそれは禁止されている。

オータニ「体が冷えてしまい、2回は投球を始めるのが難しくなってしまいました。自分にとっては良い経験になりました」

確かに彼は苦労していた。ケオン・ブロクストンへの3球目は本塁打を打たれた。ニック・フランクリンへの初球はボールだったが、レフトへ打ち上げ、ここでマイク・ソーシア監督がマウンドに来て交代を告げた。

オータニ「とにかく今日は初日でしたから。これからも自分の仕事ができるように調整していきたいです」

ソーシアが「ちゃんと投げられたね」と言ったように、エンゼルスは対外的にはオータニのパフォーマンスを喜んでいるようにみえる。しかし、もし今後も同じような調子が続くようなら疑問視されるのは間違いない。

エンゼルスと契約する前に見つかったヒジのトラブルの影響を受けているのか?エンゼルスはその点は承知しており、彼くらいの年齢の多くの投手ではよく見られることで、心配はないとしている。

昨年、日ハムでオータニは脚のケガの影響で、 長い期間投げておらず、結局5試合に投げただけで、イニング数は25回と1/3にすぎない。そのためエンゼルスもオータニのスロースタートを覚悟すべきなのか?

何が起きようとも、エンゼルスが最大限に我慢して彼を起用する限り、母国のメディアは彼の全試合をまるでワールドシリーズのように記録し続けるだろう。試合後、日本のテレビ局が、メディアメンバーに対して、彼の出来を100点満点で採点してくれと言ってきた。

私の点数は40点くらいだが、繰り返すが、まだ彼は2イニングも投げていないのだ。

オータニ「まだシーズンの初めにすぎないですから。もちろん自分の状態は100%ではないです」

Hitting is the next show
(次はバッティングのショーが控えている)

バッティング練習で能力を見せつけたように、打者として試合に出る時は、ピッチングに比べればもっと調整は進んでいるだろう。

ザック・コザート「彼が打つ時、いつも450フィート(138メートル)は飛ばすんだよ」

エンゼルスではオータニは登板日の前日と翌日にはバッティングさせないと決めており、今週後半まではDHとしての出番はないだろう。

彼が最初にDHで出る試合はエンゼルス史上最大のオープン戦となるだろう。しかし彼がまた次に先発すれば、その試合が最大の試合になり、そしてまた次のDHの試合が来れば、それが最大の試合になる。行ったり来たりしながらスケジュールは進むだろうが、昨日の土曜日の試合はエンゼルスの歴史的な日の最初の一日に過ぎない。

昨日の全ての騒動や心配は、オータニならやってのけるであろうという強く眩しい期待感から来るもので、オータニにはその期待を持つ価値があるということである。

キャスターのホセ・モタ氏「二刀流が上手く行けば、どんなに凄いことかわかっているし、それを見るのはものすごい楽しみだ」

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