LA Times紙:ソーシア監督インタビュー

現地2月14日のLA Timesはスポーツ面トップで、注目を浴びるエンゼルスのマイク・ソーシア監督のインタビュー記事を載せた。大谷を獲得できたことで、エンゼルスはオフの勝ち組と目されているが、10年契約の最終年を迎えるソーシアにとっても今年は勝負の年になる。注目のインタビュー記事の日本語訳を紹介したい。


Scioscia Displays Lasting Power

(ソーシアは継続する力を見せている)

インタビューは、彼のポケットのスマホがまるで1964年のキッチンに置かれた電話のような音を立てたとき、中断された。マイク・ソーシアはニッコリ笑って「最初からこの音なんだよ。代えてないんだ」と言った。

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ソーシアが借りている机の上の普通の電話機が鳴って、インタビューはまたもや中断した。ソーシアは電話に出た。「ティム・ミードのオフィスです」と言われ、メッセージを聞くか問われた。ソーシアはメッセージを聞いた。メモと鉛筆を手にとって。

ソーシア「OK、ところでどこまで話したっけ?」

我々はタイムマシーンに乗せられたかのように、エンゼルスの監督として19年目のシーズンに突入する、素晴らしいオールドスクール派の「ソシュ」と、スプリング・トレーニングの最初の日にテンピ・ディアブロ・スタジアムで向かい合った。

彼はMLBで最も長く監督を務めており、米4大プロスポーツでも、NBAサンアントニオ・スパーズのグレッグ・ポポビッチに次いで2番目の長さだ。ソーシアは長期政権ならではのマイルストーンとなる記録に手をかけている。

今年の夏前にはソーシアはトミー・ラソーダの通算勝利記録を抜くだろう。ラソーダは「そんなの俺は信じねーよ!」と前日の月曜日に言っていた。

ラソーダよ、信じるしかないのさ。エンゼルスが30勝すれば、ソーシアにとって1600勝目となり、師であるあなたを抜いてしまい、しかもあなたより1シーズン早く達成してしまうのだ。

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なんと皮肉なことだ。そう言ったのはソーシアだ。ドジャースが管理能力不足を理由にラソーダを解雇して20年近くがたち、ソーシアはゆっくりと殿堂入り監督であるラソーダと同じ域に静かに入ろうとしている。たとえラソーダが過剰に賞賛したとしても。

ラソーダ「誰かが私の記録を破るとしたら、ソーシアであって欲しいね」

ソーシアが記念碑的なシーズンに入ろうとするもう一つの理由がある。今年は彼にとって最後のシーズンになる可能性があるのだ。ソーシアの10年契約は今度のオフシーズンに切れ、典型的なオールドスクールの哲学を持つソーシアは、契約延長についてオーナーのアルトゥロ・モレノとも全く話していないのだ。

ソーシア「そんな先のことは考えないさ。今は関係ない。普通の人が得られないほどの絶対的な信頼をアルトゥロから得ていたことを誇りに思うし、私は2018年シーズンのことしか考えていない」

実際は昨シーズンの終わりに二人は話し合っていたし、会話の内容はソーシアらしく完全秘密だ。

ビリー・エプラーGM「ソーシアは私を見て言ったよ。『来年も俺に返ってきて欲しいかい?』ってね。もちろんさって答えたら、彼も『OK、オレも帰ってくるよ、でも何よりも、2018年に勝つことに集中しよう。どうなるかは自然と明らかになるさ』と言ったよ」

ソーシアは自分が話題に上がることを好まない。実際、そんなことは一度もなかった。これは彼が長く監督を続けられている理由の一つだ。彼は選手を信用する。選手のことを第一に考える。選手からスポットライトを奪ったりしない。決して出しゃばらない。

ソーシア「試合とはプレーするもので、管理するものじゃない。試合は選手のものだ。我々だってそういう時はあった。結局のところ、チームは選手のものなんだ。それを認識しなくちゃいけない。」

彼はいつも選手に敬意を払っている。彼いわく、自分のハイライトは監督としてじゃない。1988年にドジャースが最後にワールドシリーズに勝った時のキャッチャーとしてだ。そのシーズン、ソーシアはナショナルリーグのリーグ優勝決定シリーズで、ニューヨーク・メッツのドワイト・グッデンから起死回生の一発を放った。

エンゼルスの選手でそのホームランのことを知っている人は少ない。中にはソーシアがプレーヤーだったことさえ知らない者もいる。ソーシアは笑った。彼はわかっている。自分は選手ではなく、監督としてのキャリアしか知られていないこと、また永年のドジャースファンですらそんなことを信じられないかもしれないことを。

ソーシア「ベースボールは多くのことを私に与えてくれた。どれほどの人が自分のことを覚えていてくれるか定かじゃないね。この場所にいられることの幸運に感謝している」

ソーシアは、たとえ最高に難度の高い分析方法を気に入ったとしても、ベースボールの美しさはプレーの単純さの中に存在していることを疑わない。

ソーシア「コーチのアルフレッド・グリフィンだったか、もし人間に3本めの腕や足が生えてきたとしても、今後200年間は今と同じ方法でゴロを処理するだろうってさ。それがベースボールだ。カットオフも中継も同じさ。それを誰が上手くやるかってことが問題で、誰がよりよい方法を考えるかってことじゃない。ゲームはやってみなくちゃわからない。新しいことをずっと見ていよう。」

多くの選手は、球界最高のプレーヤーのマイク・トラウトを含めて、ソーシアのブレない手腕の下で開花した。

「永きに渡って、ソーシアがここで成し遂げたことは、全く信じられない。選手に話しかけ、コミュニーケーションを取る。冗談を言ったり、リラックスさせたりするタイミングを心得ているんだ。彼はそういう事も管理できるんだ」とピッチャーのマット・シューメーカーは語った。

1999年の秋を振り返ってみると、ドジャースからソーシアは、マイナーのチームですら監督の器じゃないとみなされた。ドジャースのキャッチャーを13年間、インストラクターやコーチを6年間務めたにもかかわらず、トリプルAアルバカーキの監督をたった1年やっただけで、ドジャースGMのケビン・マローンによって組織を追われた。

マローンのクレージーなカルチャーから見ると、ソーシアはあまりにオールド・スクール過ぎたのだ。後に、マローンはそれは大間違いだったと認めた。マイク・ピアザとペドロ・マルチネスのトレードと同じように、それはドジャースの歴史でも最大級の人事ミスだった。

ドジャースを去ってすぐに、ソーシアはエンゼルスのビル・ストーンマンに拾われ、それはチームのカルチャーを全て変えるほどの素晴らしい人事だった。

ソーシアは3年目のシーズンにワールドシリーズを勝った。2004年以降、6シーズン中5シーズンでア・リーグ西地区で優勝した。最初の8シーズン中6シーズンでチームはプレーオフに進出した。ソーシアはア・リーグの最優秀監督に2度選ばれている。

貧弱なファームシステムと、劣悪なフリーエージェント契約に悩まされ、エンゼルスは過去8年間で1度しかプレーオフに出ていないし、最後にプレーオフで勝ち星を上げてからほぼ10年近くがたち、ソーシアは初めて2年連続で負け越して、2018年が始まる。

59歳のソーシアにとって重大なシーズンだ。この6ヶ月は契約の延長手形となるのか、それともサヨナラツアーとなるのか。

二刀流の日本の天才ショーヘイ・オータニと契約できたことで、エンゼルスはオフシーズンの勝ち組になったように見える。ジャスティン・アップトン外野手、ザック・コザート内野手、イアン・キンズラー2塁手らとも契約している。

期待はとてつもなく大きい。ソーシアはいつものように、その期待を受け止めている。

ソーシア「これまで得られたチャンスを当然のことだと思ったことは一度もない。特別なことだったんだ。シーズンに突入することは、監督1年目の時と同じように感じる。とっても興奮するんだ。チームは正しい方向へ行っていると思う」

ラソーダを超える?ソーシアは自分の監督だった男に親しみを感じている。3週間前にすれ違った時に、通り過ぎようとするラソーダに対して得意げな顔をしなかった。フィリーズから来た17歳の少年だった自分を期待してくれたことをラソーダに感謝している。競争心と積極性を植え付けてくれたラソーダに敬意を払っている。通算勝利数で上回ることなど気にかけてもいない。

ソーシア「ここに座って勝利を指折り数えることも、比較することもしない。最終的には、もっとマシなコメントを出せると思うが、現在は勝利数のことなど全く考えていないんだ」

インタビューが終ると、エンゼルスのコミュニーケーション担当副社長のミードがオフィスに戻ってきて、ソーシアはメモに書いた名前を指差した。

ソーシア「オイ、こりゃ重要だぞ。誰か電話してきたぞ」19年目の最初の瞬間から管理モードだ。

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2件のコメント

  1. この様な記事を翻訳して頂き、感謝しかありません
    とてもとても読みやすい…様々な表現に思わずニヤけてしまいます…

    最後に、LAA Watcher様の
    『エンゼルスの勝利の延長線上に大谷選手』という姿勢に
    1番感銘を受けました

    1. エスさん
      メッセージありがとうございます。開幕前の投稿ですが、退任した今となってはなつかしい記事です。この記事を書いた記者は結構、難しい表現を使うので訳しにくかったのを覚えています。
      また、大谷選手も自分が打つこと以上にチームの勝ちを優先していると思います。そういう自己献身の姿勢も彼のいいところですね。

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