大谷のデビューが6月22日となる可能性

いよいよスプリング・トレーニングも目前に迫り、大谷選手がメジャーでどんな活躍をするのか注目が集まっている。一方で、メジャーの契約の事情から大谷のデビューが遅れる可能性も取り沙汰されている。

54万5千ドル(約6000万円)で3年間
メジャーでは入団してから3年間は、たとえどんなに活躍しても球団の言う年俸(最低年俸)で働かなくてはならない。これは2018年では54万5千ドル(約6000万円)である。しかし、3年働くと(具体的には25人のアクティブ・ロースターに登録され、ベンチ入りすると)、年俸調停(*)の権利を得ることが出来、球団と選手側とで年俸の交渉が可能になる。
さらにデビューから6年間働くとフリー・エージェント(FA)になり、どの球団とでも年俸交渉が可能になる。

権利を得るための具体的な日数
メジャーでは3月末から9月末くらいまでの約半年間がレギュラーシーズンである。2018年の例だと3月29日から9月30日までの186日間である。開幕から閉幕までずっとベンチに入ると186日間出場したということになる。たとえDLに入ったり、問題行動を起こして出場禁止になった場合でも、ベンチ入りしたとみなされる。この実際のベンチ入りした日数を選手のサービスタイムと呼ぶ。

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一方、年俸調停権やFAを得るに必要な日数計算は、1シーズンを172日として計算する。つまり年俸調停権を得る3年とは172×3=516日のことで、選手のサービスタイムが516日に達するとこの権利を得るのだ。

仮に2019年以降も今年と同じくレギュラーシーズンが186日間だと仮定すれば、年俸調停権を得るには、2シーズンと144日稼働すればいい(186×2+144=516)。3年目のシーズン終了時にこのサービスタイムに達していれば、4年目の年俸は調停によって交渉できるわけだ。ただし1日でも足りないと4年目も最低年俸で働かなくてはならない。

故意にベンチ入り時期を遅らせて4年目も最低年俸で契約
そのため、メジャーでは往々にして、有望な新人をベンチ入りさせる時期を故意に遅らせ、3年目終了時にサービスタイムが516日にわずかに足りないようにするという裏技が使われる。今シーズンの場合、ベンチ入りが5月11日になると3シーズン終了時にサービスタイムが1日足りなくて年俸調停権を得ることが出来ず、4年目も最低年俸での契約となる。

FA権を得るには
同様にFAになるには6年、つまり172×6=1032日のサービスタイムが必要だが、これは5シーズンと102日となる。仮に今年のベンチ入りを6月22日まで遅らせると、6シーズン終了時のサービスタイムは1031日となり、1日足りなくなる。

実際、最近の例では、シカゴ・カブスにドラフト1位で指名されたクリス・ブライアント選手が、2015年のスプリング・トレーニングで圧倒的な成績を残したにも関わらず、FA権取得を1年遅らせるためにメジャーのベンチ入りしたのは開幕から12日たってからだった。

大谷選手の場合はどうか
大谷選手の場合も、経営的な観点から5月11日までアクティブ・ロースター入りさせないということは十分ありうる。1ヶ月少々我慢すれば、何億もの金をセーブできるからだ。もしスプリング・トレーニングの終盤にケガをしたり、全く調子が上がってこなければ、6月22日まで登録しないということも十分考えられる。

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一方で、エンゼルスは先発投手が圧倒的に不足しており、大谷ほどの実力のある選手のデビューを故意に遅らせるということは現場としては到底容認できないだろう。経営陣と現場との衝突があるかもしれない。

年俸調停(*)
球団側と選手側で希望額を出し合い、公聴会でどちらの希望額を採用するか決定する。折衷案はない。年俸調停は大幅に年俸を下げることはできないため、基本的に年俸が下がることはなく、ほとんどの場合上昇する。ただし、年俸調停自体は2月にならないと行われないため、スプリング・トレーニングへの影響も考え、調停の申請はしたものの、球団と選手が歩み寄って実際に公聴会が開かれるには至らないことが多い。

多くの選手は年俸調停権を得てからFAになるまでの間に大きく年俸が上がっていく。有力選手の場合、FAでの選手の流出を避けるために、球団側も大幅に譲歩して、高額な長期契約を結ぶことも多い。チームの主力の場合、あと1,2年でFAという時に7-8年の長期契約を結ぶことも当然のように行われる。

逆に言えば、選手の年俸調停権の獲得を引き伸ばせれば、球団はより長期間、最低年俸で契約を結ぶことが可能になる。

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