エンゼルス選手紹介 2022年 (救援投手)

2022年のエンゼルスの救援投手陣を紹介する。

退団した主なリリーフ投手

  • アレックス・クラウディオ(左投げ)(メッツとFA契約)
  • フェリックス・ペーニャ(右投げ)(メッツとFA契約)
  • ジュニオール・グエラ(右投げ)(所属先決まらず)
  • アーロン・スレガース(右投げ)(レイズとFA契約)
  • スティーブ・シシェック(右投げ)(ナショナルズとFA契約)
  • トニー・ワトソン(左投げ)(ジャイアンツへトレード、オフにFAとなるも所属先決まらず)

新加入のリリーフ投手

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  • アーロン・ループ(左投げ)
  • ライアン・テペラ(右投げ)
  • アーチー・ブラッドリー(右投げ)
  • タイ・バトリー(右投げ)→2021年開幕直前に唐突に引退発表したが、今年になって引退撤回

ブルペンは2年連続で大幅入れ替え

昨年もブルペンは炎上を繰り返し、先発がある程度抑えても7回、8回に逆転されるという試合を何度も目にした。救援投手のチーム防御率は4.59でア・リーグでこれより悪いのは、ブルペン完全崩壊で再建中のオリオールズ(5.71)のみ。与えた四球も290個で下から3番目だ。

9回にはクローザー、イグレシアスがいるのにそこまで繋げない。先発が降板した後の6~8回をどう抑えるかはチーム最大の補強ポイントだった。

そこでエンゼルスは今年もオフに多くのリリーフ投手を入れ替えた。一昨年にいなくなった救援投手は9人いたが、今年も6人が退団した。いずれもピークを過ぎたベテランで、優勝を狙うようなチームは見向きもしないようなレベルの投手ばかりだ。よくまあこんな投手しか獲れなかったものだと選手を見る目のなさを嘆いたものだ。

強化に成功したブルペン

そして、オフのミナシアンGMの功績の一つがFAになったイグレシアスと再契約できたことだ。やはりクローザーが固定できないチームは弱い。4月で33歳になる投手と4年58Mはやや大盤振る舞いの気はあるが、優秀なリリーバーは30代後半までちゃんと働くことも多い。

さらにFAとなっていたアーロン・ループ、ライアン・テペラ、アーチー・ブラッドリーと契約し、ブルペンは厚みを増した。加えてウォーレン、キハダなど若手が伸びたことで今年のブルペンは昨年に比べるとだいぶ戦力がアップしたように思える。ここに引退撤回したタイ・バトリーが2019年前半のような力を発揮してくれれば悲願のプレーオフ進出に近づくだろう。

不安な点を上げると、ループ、テペラらは昨年がキャリアハイの成績だった。ドジャースやレイズのように不調だった選手を再生させるノウハウがないエンゼルスは、プーホルスを筆頭にキャリアハイの成績を上げた選手と高値で契約しては入団後は成績下降というケースが非常に多い。株でいえば高値づかみである。果たして今年の補強した選手達はどういう結果をもたらすだろうか。

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2022年エンゼルスの救援投手紹介


ライセル・イグレシアス(32歳、188cm、右投げ)(背番号32)

エンゼルスと4年契約!テンポ良くストライクで勝負する絶対的守護神!

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2021年の成績

試合数 勝利 敗戦 イニング 防御率 三振 四球 WHIP
65 7 5 70.0 2.57 103 12 0.929

2022年は10M、2023~2025年までは16Mの4年契約。オフにFAとなった時は獲得に20球団が手を上げたと言われている。エンゼルスと再契約できて本当に良かった。

キューバ出身。2013年、23歳の時に米国へ亡命してレッズと契約した。2015年にレッズでメジャーデビュー。2017年からクローザーに定着し、昨年までの5年間で134セーブは立派な数字。メジャー実働7年間で5度は防御率2点台、通算防御率も3.06である。SO9は通算で10.9、ここ3年は12を超えており三振を取れる投手だ。

とにかくテンポ良く短い間合いからポンポンとストライクを先行させていくピッチングスタイルで昨年は34セーブを上げた。スリークォーター気味のフォームから平均96マイルの速球とスライダー、チェンジアップで三振を奪っていく。2017年には100マイルを計測したこともある。そしてコントロールも非常に良く、70イニングでわずか12個しか四球を出していない。

あまりにセットアッパーが頼りなかったため、8回に登板してイニングまたぎで9回まで投げることもたびたびあったが、マドン監督は今年は回またぎの登板はさせないと明言している。


マイク・マイヤーズ(30歳、右投げ、188cm) (背番号21)

剛球一直線の投球スタイル!調子の波の大きさをどう克服するかが課題

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2021年の成績

試合数 勝利 敗戦 イニング 防御率 三振 四球 WHIP
72 5 5 75.0 3.84 90 26 1.293

2022年は1年2.15Mドルで契約。

2013年のMLBドラフト3巡目(全体93位)でカージナルスから指名されプロ入りし、2016年メジャーデビュー。しかしその後の4年間で73試合に登板したが防御率7.03と鳴かず飛ばずで、2019年オフにカージナルスからDFAされた。そこをダメ元で拾ったのがエンゼルスだった。ところがこれが思わぬ拾いもので2020年に突然ブレークした。

2020年9月は月間最優秀リリーバーに!

シーズン3度目の登板となった7月31日のマリナーズ戦で4失点を喫したが、その後の26試合では防御率0.99をマーク。9月は14試合に登板して18回1/3を投げ、2勝0敗2セーブ、3ホールド、防御率0.98、25奪三振とほぼ完璧なピッチングを披露して、9月のア・リーグ月間最優秀リリーバーに選出された。結局2020年エンゼルスの投手の中で最も防御率がよかった。2点台だったのはマイヤーズだけだった。

調子の波が激しかった2021年

2021年はエンゼルスのブルペンでセットアッパーを担ったが、まさに剛球一直線の投球スタイル。力一杯投げ込む直球にキレがあれば抑えるが、調子が悪いとパカパカと狙い打ちされてしまう。この安定感のなさをどう克服するかが今年の課題である。


アーロン・ループ(34歳、180cm、左投げ)(背番号28)

ナ・リーグ最高の中継ぎ左腕を獲得。2021年は防御率0.95とキャリアハイの成績

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2021年の成績(ニューヨーク・メッツ)

試合数 勝利 敗戦 イニング 防御率 三振 四球 WHIP
65 6 0 56.2 0.95 57 16 0.935

2022~2024年まで毎年7.5Mの3年契約。2024年は球団オプション。

ルイジアナ州出身。2009年ドラフトでブルージェイズから9巡目(全体280位)で指名されプロ入り。2012年にメジャーデビューすると、その後フィリーズ、パドレス、レイズ、メッツと移籍。2020年は短縮シーズンながら防御率2.52、WHIP 0.840の好成績を上げると、2021年メッツでは56.2イニングでわずか9失点(自責点6)、防御率0.95とキャリア最高の成績を上げた。オフにエンゼルスと3年総額17Mで契約した。

左のサイドスローで、フォーシームは全く投げず、平均92マイルのシンカーが全投球の75%以上を占める。2021年のループのWARは2.8でリリーフ投手としてはブルワーズの守護神ヘイダーに次いでリーグで2番目に高く、中継ぎでは最高である。エンゼルスの守護神イグレシアスのWARも2.8なので、同等の貢献ができる選手だ。

またほとんど本塁打を打たれないことでも知られ、プロ入り後10年、407イニングで29本しか打たれていない。これは9イニング換算でわずか0.64本である。

とにかく中継ぎの補強が課題だったエンゼルスにとっては非常に有効な補強であるが、年齢が34歳なので年齢から来る衰えがどのくらいなのかがやや心配な点である。


アーチー・ブラッドリー(29歳、193cm、右投げ)(背番号23)

ダイヤモンド・バックスのかつてのクローザー。やや不調気味だが安定感を取り戻せるか

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2021年の成績(フィラデルフィア・フィリーズ)

試合数 勝利 敗戦 イニング 防御率 三振 四球 WHIP
53 7 3 51.0 3.71 40 22 1.431

2022年は1年3.75Mで契約。

オクラホマ州出身。2011年にアリゾナ・ダイヤモンドバックスから1巡目(全体7位)で指名されたエリートである。2014年にメジャーデビューし当初は先発で投げていたが結果が出ず、2017年からリリーフに転向。すると才能が開花し63試合で防御率1.73の好成績を上げ、ダイヤモンドバックスのプレーオフ進出に大きく貢献した。その後レッズ、フィリーズと移籍し、FAとなった昨年オフにエンゼルスと1年375万ドルで契約した。

2017年は素晴らしかったが、2018年以降は防御率は3点台となりやや不調に陥っている。武器であるフォーシームの平均球速も96マイルから94マイルへと低下しているのは気がかり。まだ老け込む年ではないので、エンゼルスで以前のような輝きを取り戻せるか注目したい。


ライアン・テペラ(34歳、185cm、右投げ)(背番号52)

奪三振率が高く実績あるセットアッパー

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2021年の成績(シカゴ・カブス&シカゴ・ホワイトソックス)

試合数 勝利 敗戦 イニング 防御率 三振 四球 WHIP
65 0 2 61.1 2.79 74 19 0.880

2022年から2年14Mで契約。2022年は7Mのサラリー。

テキサス州出身。2009年ブルージェイズから16巡目、全体496位で指名されてプロ入り。メジャーデビューは2015年。以降リリーフ専門である。ヒジの故障もあって2019年オフにDFAされたが、カブスに拾われそこで開花した。

2020年以降は奪三振率(SO9)が8.5から11.9へと大幅アップ。スライダーとカットボールで三振が取れるようになった。昨年は防御率2.79とキャリアハイの成績であったが、それに近いの働きをしてくれればエンゼルスにとって最高のアップグレードになるだろう。


ハイミ・バリア(25歳、185cm、右投げ)(背番号51)

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現在の構想では先発からブルペンへ

2021年の成績

試合数 勝利 敗戦 イニング 防御率 三振 四球 WHIP
13 2 4 56.2 4.61 35 19 1.571

2022年はメジャー最低保証年俸(70万ドル)。

2021年は先発では11試合に投げたものの期待されたような成績は残せなかった。デビューした2018年の10勝9敗、防御率3.41がキャリアハイで、それ以降は低迷していると言わざるを得ない。そろそろ一本立ちしないとメジャーの椅子も危なくなってくるだろう。

16歳でパナマからエンゼルスへ

パナマ出身。16歳でエンゼルスと海外フリーエージェント選手として契約。契約金は600万円ほどだった。4年間でルーキーリーグ、ルーキー・アドバンスド・リーグ、1Aと3階層6チームを昇格していき、2017年には大きくステップアップした。その年、1Aでスタートしたが、6月には2A、シーズン終盤には3Aと異例のスピードで昇格し、年間で7勝9敗、防御率2.80、7月にはマイナーリーグのオールスターにも選出された。

ジャイアンツ戦で1人の打者にメジャー記録となる21球を投げた
2018年は開幕はマイナースタートだったが、先発投手の相次ぐ故障でついにメジャー昇格。いきなりレンジャーズ戦に先発して勝利を上げた。そして2回目の先発となったジャイアンツ戦ではジャイアンツのベルト選手に対して、1打席でのメジャー記録となる21球を費やして、最後はライトフライに討ち取った。3-2になってからファウルで粘るベルトに対して、歩かせもせず12球連続でストライクを投げ続けた。

故意にメジャー昇格とマイナー落ちを繰り返された2018年
2018年、エンゼルスは投手に故障者が相次ぎ、加えてリリーフ投手を早めにつぎ込むのを好むソーシア監督の投手起用法もあって、投手の絶対数が足りなくなってしまった。苦肉の策として先発したバリアをマイナー落ちさせ(1度マイナー落ちさせると10日間はメジャーに上げられないルールがあるため)、代わりの投手を10日間登録するという方法で投手を確保した。このためバリアは10日に1度メジャーに上がって先発しては、マイナーに落ちるというサイクルを8月いっぱいまで繰り返すことになった。MLBで「オプション」と呼ばれる1シーズンに何度でもマイナーに落とせる契約条項が残っている先発投手がバリアだけだったためこのような起用法になった。

過酷な移動、精神的な負担も大きかっただろうが、結果としてはエンゼルスの先発投手の中では唯一の二桁勝利(10勝)を上げ、最も優れた防御率(3.41)を残した。

期待を裏切った2019年
2019年開幕当初は5番手スターターのポジションだったが、開幕直前にジャイアンツからクリス・ストラットンを駆け込みで獲得した関係でバリアはマイナーに落とされて大きくモチベーションを落としてしまった。結局ストラットンは0勝2敗、防御率8.59と全く使い物にならなかった一方で、バリアをマイナーで腐らせるというまさに最悪のトレードだった(ストラットンは5月にパイレーツへ放出された)。バリアはその後メジャーに上がったが、このシーズンは4勝10敗、防御率は3.41から6.42へと3点以上も悪化し大きく期待を裏切った。ルーキーイヤーに比べ見るからに体重も増加しコンディション調整にも失敗したように見える。


オースティン・ウォーレン(26歳、183cm、右投げ)(背番号61)

期待の若手!小柄だがキレの良いフォーシームと抜群の制球力!

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2021年の成績

試合数 勝利 敗戦 イニング 防御率 三振 四球 WHIP
16 3 0 20.1 1.77 20 5 1.03

2022年はメジャー最低保証年俸(70万ドル)。

ノース・カロライナ州出身。2018年、エンゼルスから6巡目、全体181位で指名されてプロ入り。

メジャーデビューは2021年7月。メジャーの投手としてはやや小柄ながら、キレの良いフォーシームとコントロールの良さがあり、奪三振率も高い。昨年ア・リーグでリリーフとして20イニング以上投げた167人のうち、防御率は1.77で10位、被OPSは .544で10位と素晴らしい成績だった。エンゼルスのボロボロの中継ぎでは最も安定していたと言えるだろう。2022年はセットアッパーの一人として大きく期待されている。


ジミー・ハーゲット(28歳、190cm、右投げ)(背番号46)

超変則のサイドスロー。タイミングをずらす投球に活路。

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2021年の成績

試合数 勝利 敗戦 イニング 防御率 三振 四球 WHIP
14 2 2 14.2 4.30 18 4 1.295

2022年はメジャー最低保証年俸(70万ドル)。

フロリダ州出身。2012年にブレーブスから40巡目指名を受けたが入団せず南フロリダ大学へ進学、2015年レッズから6巡目で再度指名されてプロ入りした。2019年にメジャー昇格したものの、オフにはDFAされ、そこをレンジャースが獲得した。2021年夏にはレンジャースから解雇されたがすかさずエンゼルスが拾った。

右サイドスローのクイック投法で、極めて変則的なフォームから投げる技巧派右腕。平均球速91マイルのフォーシームにスライダー、カーブ、チェンジアップが持ち球。2022年はさらにステップアップしてメジャーの座を確保したいところだ。


ホセ・キハダ(26歳、180cm、左投げ)(背番号65)

ストレートで押す豪腕タイプ。三振も多いが四球も多い

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2021年の成績

試合数 勝利 敗戦 イニング 防御率 三振 四球 WHIP
26 0 2 25.2 4.56 38 15 1.364

2022年はメジャー最低保証年俸(70万ドル)。

ベネズエラ出身。2013年、アマチュア・フリーエージェントでマーリンズと契約。メジャーデビューは2019年。34試合に登板したものの防御率5.76とふるわずオフにはDFAされたが。エンゼルスに拾われた。

エンゼルスではこの2年間に34試合に登板し、防御率は4.91。投球の7割を占める最速97マイルのフォーシームで押しまくる投球スタイル。それ以外にはチェンジアップとスライダーを投げる。SO9が13.3と高い奪三振率を誇る一方で、BB9が5.2とフォアボールも多く制球力に課題がある。コントロール、球種の増加など全体的な底上げが必要だ。


クリス・ロドリゲス(23歳、188cm、右投げ)(背番号73)

期待の豪腕投手だが、肩の手術でリハビリ中。シーズン後半に復活できれば。

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2021年の成績

試合数 勝利 敗戦 イニング 防御率 三振 四球 WHIP
15 2 1 29.2 3.64 29 15 1.449

2022年はメジャー最低保障年俸(70万ドル)。2021年にメジャー初昇格。

フロリダ州出身。プロ入りは2016年エンゼルスが4巡目、全体126位で指名。2020年までメジャーでプレーした経験はなく、しかも2020年はマイナーの試合が全て中止となったため公式登板もなかった。しかし2021年のキャンプで頭角を現すとそのまま開幕メジャーの座を勝ち取った。

エンゼルス内のプロスペクト・ランキングでは第4位にランクされていたものの、メジャーでは100位にも入っていなかった。2018年と2019年は背中の故障に苦しみ、わずか9.1イニングしか投げられなかった。しかし手術を受けて回復すると90マイル台後半のボールをコンスタントに投げられるようになった。フォーシームの他にツーシーム・シンカー、スライダー、チェンジアップ、カーブなどの変化球で空振りとゴロアウトを取れる。

2021年は最初の2回の登板で4.2イニングを1失点と印象的な働きを見せたが、8月に右の広背筋痛を患い故障者リスト入りしてしまった。オフに故障の原因となった右肩関節包の修復手術を受け、現在はリハビリ中である。残念ながら2022年のシーズン大半は登板出来なさそうだが、後半に復帰してくれればありがたい。


タイ・バトリー(29歳、右投げ、198cm)(背番号31)

引退を撤回し現役復帰を目指す右のパワーピッチャー!
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2021年の開幕直前にマイナー行きが発表されると、そのまま引退を宣言してしまった。バトリーは開幕直後に自身のインスタグラムで「野球から去る決断をした」とし、理由について「野球がどんどんビジネス化し、ゲームでなくなっていった。野球に対する愛情や情熱が薄れてくるのをどうすることもできなかった」とつづった。いわゆる燃え尽き症候群だ。しかしエンゼルスでは支配下登録からは外さず、制限リストに入れたままにしていた。

ところが2022年1月に現役復帰を発表し、エンゼルスのスプリングトレーニングにも参加した。現役復帰に向けてハードなトレーニングを積み、投球を見たマドン監督も感銘を受けたようだ。まだ開幕ベンチ入りするかはわからないが、もしバトラーが2019年前半のような無双振りを発揮できればエンゼルスのブルペンにとってはこれ以上はない戦力となる。

これまでのバトリー

ノース・カロライナ州出身のバトリーは2012年にボストン・レッドソックスから4巡目で指名されプロ入り。その後はマイナー暮らしが続いていたが、ボストンでは有数のプロスペクトにランキングされていた。2018年7月に優勝を諦めたエンゼルスはイアン・キンスラーをレッドソックスにフラッグシップ・ディールで放出し、その見返りでバトリーを獲得した。

エンゼルスでは移籍後すぐにメジャーデビューを果たした。移籍後16試合に登板して16.1イニングを投げ、0勝1敗4セーブ、防御率3.31、20奪三振というまずまずの成績を残した。

2019年前半は無双状態だったが、酷使されて後半失速
2019年はセットアッパーとしてクローザーにつなぐ重要な局面を任され、開幕から11試合連続無失点。7月上旬までは前半に登板した40試合で防御率2.20と抜群の安定感を誇った。しかしオールスター後は急激に成績を落とし、後半に登板した31試合は防御率6.32と別人のようだった。

バトラーが支配的だった前半戦で、当時のオースマス監督は先発を早々と引っ込めてはバトリー投入という起用を繰り返し、バトリーは酷使されていった。続く2020年も安定感を欠き、防御率は過去3年で最も悪化した。

2021年のスプリングトレーニングでも全く調子の上がらないバトラーは球団からマイナー行きを宣告されると、野球への情熱を失ったとして突如引退宣言してしまった。

野球に限らずプロで十分通用する選手が健康であるにもかかわらず突然引退してしまう例はある。管理人が思い浮かべるのはNBAペイサーズのポイント・ガード、ダレン・コリソン。2019年に突然、引退宣言した。理由は自らが信仰するエホバの証人の宗教活動に専念するためだった。とにかく他人もうらやむアスリート能力がありながら、そういう事情で引退してしまうのは私のような一般人からすればもったいないという感想しかない。

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