エンゼルス選手紹介 2020年 (救援投手)

2020年のエンゼルスの救援投手陣を紹介する。

2年続けて酷使されたリリーフ陣。目立った補強はなし

2018年のソーシア前監督もそうだったが、2019年のオースマス監督も先発投手を90球前後で引っ込めるのが常だった。昨年の先発の総投球イニング681回はメジャー最下位(1試合平均 4.2イニング)。完投は一度もなく、完封(継投を含む)2回も最低。

そのため毎試合4~5イニングをリリーフ投手でまかなっていた。そんな戦い方で長いシーズンが持つはずもなく、タイ・バトリーの不調に象徴されるように最後は完全に息切れしてしまった。ブルペンの停滞はそのままチームの停滞に直結し、7月以降は貯金を吐き出して敗北を重ねていった。

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しかし救援陣は先発に比べるとタレントが多く、全員が健康ならばそれなりの陣容を持っている。今オフは目立った補強はなかった。既存戦力ではトミー・ジョン手術から復活したミドルトン、昨年の前半は無双状態だったバトリー、クローザーとして実績を残したロブレスの3人にかかる期待は大きい。

懸念される点は左投げのリリーフ投手がいないことだ。今年からワンポイントリリーフが禁止されたので従来のような左キラーとしての左投手の価値はあまりなくなってしまったが、それでも全員が右投げというのはバランスが悪い。先発候補のサンドバル、ピータース、スアレスらのブルペンへの配置転換があるかもしれない。


タイ・バトリー(26歳、右投げ、198cm)(背番号31)

99マイルの速球を投げる豪腕セットアッパー

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2019年の成績

試合数 イニング数 勝利 敗戦 セーブ 防御率 三振 四球 WHIP
72 72.1 6 7 2 3.98 84 23 1.272

2020年の年俸は56万5千ドル(最低保障年俸)。

2012年にボストン・レッドソックスから4巡目で指名されプロ入り。その後はマイナー暮らしが続いていたが、ボストンでは有数のプロスペクトにランキングされていた。2018年7月に優勝を諦めたエンゼルスはイアン・キンスラーをレッドソックスにフラッグシップ・ディールで放出し、その見返りでバトリーを獲得した。

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エンゼルスでは移籍後すぐにメジャーデビューを果たした。移籍後16試合に登板して16.1イニングを投げ、0勝1敗4セーブ、防御率3.31、20奪三振というまずまずの成績を残した。

2019年前半は無双状態だったが後半失速
2019年はセットアッパーとしてクローザーにつなぐ重要な局面を任され、開幕から11試合連続無失点。7月上旬までは前半に登板した40試合で防御率2.20と抜群の安定感を誇った。しかしオールスター後は急激に成績を落とし、後半に登板した31試合は防御率6.32と別人のようだった。

少なくとも支配的だった前半はバトリーをクローザーに抜擢すべきだったと思うが、無策のオースマスは先発を早々と引っ込めては困った時のバトリー頼みという起用を繰り返し、バトリーは酷使されていった。

シーズンオフにバトリーが語ったところでは、後半成績を落としたのは疲労のせいではなく、投球フォームの問題とのこと。しかしオースマスから酷使された影響が大きいとみるのが妥当だろう。

先発に転向させればいいのに
バトリーは198センチとチーム1の長身から99マイルの速球とキレのいいスライダーで打者を簡単に打ち取ってしまう。四球も少なくコントロールもよい。セットアッパーで使うにはあまりにもったいない。バトリーほどの力量のある投手をクローザーにしないのなら、いっそのこと先発に転向させればいいのにと言うのが私の持論である。

実際バトリーは2012年のプロ入り後、2015年まではマイナーで先発投手だった。その後リリーフに転向したが、先発の足りないエンゼルスなのでバトリーを先発に転向させればローテーションの大きな底上げになるはずだ。


ハンセル・ロブレス(29歳、右投げ、183cm)(背番号57)

2019年後半は絶対的クローザーに

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2019年の成績

試合数 イニング数 勝利 敗戦 セーブ 防御率 三振 四球 WHIP
71 72.2 5 1 23 2.48 75 16 1.018

2020年の年俸は385万ドル(調停を回避して合意)。前年の140万ドルから大幅にアップした。

ドミニカ出身で、2008年に18歳でメッツと契約。2015年にメジャーデビューしたが、奪三振は多いものの制球に難を抱え、なかなか安定した成績を残せなかった。2018年6月にメッツをDFAされたところをエンゼルスに拾われた。その年エンゼルスでは37試合に登板し、56イニングを投げ、防御率2.97・0勝1敗2セーブという成績を上げた。

アレン炎上でクローザーが回ってくると存在感を発揮
2019年は開幕時のクローザーはアレンだったが、アレンが炎上を繰り返したため、5月にはロブレスがクローザーに昇格。そのままシーズン終了までクローザーを務めた。開幕後の2ヶ月こそ防御率は3点台で推移していたが尻上がりに調子を上げ、6月以降に登板した44試合(47.1回)で自責点8、防御率1.52、奪三振50に対して与四球9という圧巻の投球でシーズンを締めくくった。2020年も引き続きクローザーとして起用される見込みだ。

最速99マイルのフォーシームとスライダー、チェンジアップで三振を奪う豪腕タイプ。登板時に場内スクリーンに流れる疾走する中世の白馬がトレードマークなのだが、南国ドミニカ出身なのでちょっと白馬のイメージとは違うと思うのだが。


キーナン・ミドルトン(26歳、右投げ、190cm)(背番号99)

トミー・ジョン手術からの完全復活を期す。チェンジアップに活路

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2019年の成績

試合数 イニング数 勝利 敗戦 セーブ 防御率 三振 四球 WHIP
11 7.2 0 0 0 1.17 6 7 1.435

2020年は1年80万ドルで契約(調停を回避)。2024年オフにフリーエージェントになる。

オレゴン州ポートランドの出身。 2013年のMLBドラフト3巡目(全体95位)でエンゼルスから指名されプロ入り。4年かけてマイナーで腕を磨き、2017年5月にメジャー昇格した。

100マイルの速球で勝負する剛球投手だが、トミー・ジョン手術で長期離脱
最速100マイルのフォーシームが投球の7割以上を占める。残りはスライダーと最近はチェンジアップも投げるようになった。2018年は前年よりもやや球速を抑え、スライダーの制球力を磨いたことで安定感がアップした。三振を奪えるのは魅力で、速球派が好きなソーシア前監督から2018年のクローザーを任されたが5月に右ヒジ痛を訴えるとそのままトミー・ジョン手術となった。大谷より約5ヶ月早くトミー・ジョンとなったために、ある意味で大谷復帰の先行指標となった。

1年3ヶ月ぶりに復帰
回復は順調で、球数20球以内に制限されたが2019年8月28日に1年3ヶ月ぶりに復帰した。しかし手術前は平均96マイルだった速球が94マイルまで落ちた。その代わりチェンジアップに活路を見いだし、復帰後は1ヶ月にわたって10試合連続無失点を記録した。

過去2年はほとんど働いていないので、2020年の完全復帰が期待されている。また今後どの程度球速が回復するかも大谷復帰の指標となるだろう。

ドレッドヘアがトレードマーク。2018年は明らかに体重が増えていたが、昨年9月に復帰した時はだいぶ身体も絞れていた。今年はどのような体型でシーズンインするか。


キャム・ベドローシアン(28歳、右投げ、185cm)(背番号32)

昨年は少しだけ成績は上向いた。さらなるステップアップが必要

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2019年の成績

試合数 イニング数 勝利 敗戦 セーブ 防御率 三振 四球 WHIP
51 61.1 3 3 1 3.23 64 22 1.141

2020年は1年280万ドルで契約。2021年まで年俸調停権が残っている。2021年オフにフリーエージェントになる。ちなみに父のスティーブは元メジャーリーガー(投手)で、1987年にサイ・ヤング賞を受賞しているほどの名選手だった。エンゼルスでは数少ないフランチャイズプレーヤー。

2010年のエンゼルスのドラフト1位
ジョージア州出身。2010年のMLBドラフトでエンゼルスが1巡目(全体29位)で指名した。

最高で96マイルの速球とスライダーのコンビネーションで投げるパワーピッチャー。しかし入団した翌年にいきなりトミージョン手術。2012年復帰後は先発投手だったが、2013年にリリーフ投手に転向。2014年にメジャー昇格。しかし2016年に前腕部の血栓除去手術、2017年は鼠径部の故障、そして2019年は8月に前腕痛を発症しシーズン終了となった。

2016年は40.1イニングで防御率1.12という素晴らしい成績だったが、その後はたびたびの故障もあってパッとしない成績が続いている。6年のキャリアを通じてリリーフ専門だが、2019年はオープナーとして7試合で先発起用された。スライダーを改良したことで防御率3.23という2016年以来の良い成績をあげたが、リリーフとして信頼を勝ち得るという段階には至っていない。年齢やキャリアからしても、そこそこの投手で終わるのか、チームに欠かせない存在となるのか、分かれ道にさしかかっている。


ノエ・ラミレス(30歳、右投げ、190cm)(背番号24)

長いイニングも投げられるサイドスロー右腕

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2019年の成績

試合数 イニング数 勝利 敗戦 セーブ 防御率 三振 四球 WHIP
51 67.2 5 4 0 3.99 79 20 1.167

2020年は1年90万で契約(調停回避)。2024年オフにフリーエージェントになる。

地元カリフォルニア出身の軟投サイドスロー
ロサンゼルス出身。出身大学はカリフォルニア州立大学(CS)フラトン校で、エンゼルスタジアムからは車で10分ほどしか離れておらず、お膝元の大学である。

2011年のMLBドラフト4巡目(全体142位)でボストン・レッドソックスから指名されプロ入り。2015年7月メジャーデビューした。しかし2016年は防御率6.23とふるわず、2017年8月にウェーバー公示(自由契約)され、エンゼルスに拾われた。

長身ながらシンカーとチェンジアップを得意とする右サイドスローの軟投派。2018年開幕直後は期待もされず敗戦処理的な役割だった。しかしキレのいい変化球を持ち、イニングをまたいで投げられることから重宝され、次第に重要な局面でも使われるようになった。

2019年は9イニング換算で10.5個の三振を奪い、防御率は前年の4.54から3.99へと改善した。しかしさらに信頼を得るためにも2020年はステップアップして欲しい。


ジャスティン・アンダーソン(27歳、右投げ、190cm) (背番号38)

99マイルのフォーシームが魅力だが、制球力に難

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2019年の成績

試合数 イニング数 勝利 敗戦 セーブ 防御率 三振 四球 WHIP
54 47.0 3 0 1 5.55 50 32 1.574

2020年は1年57万ドル(最低保障年俸)。

故郷ヒューストンでメジャー初登板し、99マイルを連発
テキサス州ヒューストン出身。2014年ドラフトでエンゼルスから14巡目で指名されプロ入り。2018年4月23日にベンチ登録されると翌日のヒューストンでのアストロズ戦で即デビュー登板。すると99マイルの速球を連発し周囲を驚かせた。

ノーコン克服が課題
球は速く三振も取れるがとにかく制球力がない。47イニングで32与四球は多すぎる。登板するたびに誰かを歩かせている感じだ。防御率も2018年の4.07から2019年は5.55へと大きく悪化した。2019年で最も期待を裏切ったブルペン投手だった。コントロールが改善しないと重要な場面では使ってもらえないだろう。

素人見立てながら、投球時のステップ幅が広すぎるんじゃ?


その他メジャー定着を狙う投手

マイク・マイヤーズ(28歳、右投げ、190cm) (背番号60)

カージナルスから新加入

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オフにカージナルスをDFAされたのをエンゼルスが獲得。ここ2年はメジャーに定着していたがその間の防御率は5.22とパッとしない。まだ最低保障年俸で働けるので多少待っても良いと獲得したのだろう。


タイラー・コール(30歳、右投げ、185cm) (背番号67)

崖っぷちのベテラン右腕

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ロサンゼルス近郊のシミ・バレーの出身。2018年5月にFAとしてエンゼルスと契約。ここ2年間で87.2イニングを投げ、防御率4.62という数字だが、取り立ててあげるほどの成績はない。年齢から言っても勝負の年だろう。


ホセ・キハダ(24歳、左投げ、180cm) (背番号65)

マーリンズから新加入。貴重な若手左腕だがあまりにノーコン

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ベネズエラ出身。2020年2月にマーリンズをDFAされたのをエンゼルスが獲得。マーリンズでは2019年に34試合で防御率5.76だった。左腕というセールスポイントはあるが、29.2イニングで26四球、4死球はあまりにノーコン過ぎる。改善の見込みはあるのだろうか?それともモレノの中南米枠なのか?


ルーク・バード(29歳、右投げ、190cm) (背番号39)

2012年の全体1巡目指名のエリートだが、目立った活躍なし

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2012年にミネソタ・ツインズから1巡目(全体42位)で指名されたエリート投手。しかし全く芽が出ず、2017年にルール5ドラフトでエンゼルスが獲得。その後所属は紆余曲折あったが2019年はエンゼルスで49イニングを投げ、防御率4.78の成績。敗戦処理的な登板が多く、目立った活躍はできていない。今年が勝負の年。


カイル・ケラー(26歳、右投げ、193cm) (背番号68)

威力抜群の球を持つが、制球力に大きな課題

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2019年12月にマーリンズをDFAされたのをエンゼルスが獲得。マーリンズでは2019年は10試合で防御率3.38を記録。しかし10.2イニングで8与四球はコントロールが悪い。キャンプで結果を出せば開幕ロースター入りもある。ビジュアルがいいので活躍すれば人気が出そうだ。

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